突然ですが、みなさんは「嫌いな食べ物」ってありますか?
嫌いな食べ物について話すときって、「嫌い」なはずなのに、なぜか好きなものについて語るより、熱い議論になりませんか?
筆者はレバーが食べられないのですが、たぶん小一時間はレバーをネタに話せます。「新鮮なレバーは美味しいから!」の言葉に何度だまされたことか……。「まだ美味しいレバーに出会ったことがないだけだろ」って思われそうですけど、どうしてもダメなんですよねぇ。
…と熱くなってしまいましたが、今回は「嫌いな食べ物」についてぐるなび会員にアンケートをとってみました。実は嫌いな食べ物がいちばん少ない年代は20代だったり、なぜかとある地方の人は嫌いな食べ物が少なかったり、なかなかおもしろい結果となりました。そのほか、「いつの間にか好きになっていた食べ物」「好きになったきっかけ」について調べた結果、どうやら嫌いな食べ物の克服には「お酒」も関係しているようだ、ということもわかりましたよ。
嫌いな食べ物がある人は参考にしてみてくださいね。もしかしたら克服のヒントがあるかもしれません!
※今回はアレルギーなどで食べられない食べ物は除いて回答してもらっています。
嫌いなものが多いのは40代、少ないのはなんと20代!
「どうしても食べられないほど嫌いな食べ物」が「ある」と答えた人は44.4%。「ない」と答えた人は55.6%でした。
【どうしても食べられないほど嫌いな食べ物が…】
これを年代別でみてみると、意外な結果になりました。
【食べられないほど嫌いな食べ物がある】
なんと、食べられないほど嫌いな食べ物がいちばん少ないのは20代でした。逆に、いちばん多いのは40代。ただ、20代以外の年代はそう大差ないですね。
いや、子どもって嫌いな食べ物多いじゃないですか。ピーマンとかナスとかニンジンとか。だから「子どもの年齢にいちばん近い」という意味で、20代がいちばん嫌いな食べ物多いのかと思っていたのですが、そんな予想を裏切る結果が出ました。
この要因として2つほど考えてみました。
1つめ。40代、50代、60代と、年代が上がるにつれ、食べたことのある食材が多岐にわたると考えられます。20代に比べたら60代のほうが3倍長く生きているわけだし、珍味と呼ばれるものを食べる機会も多かったのでしょう。つまり、20代は食べられないほど嫌いな食べ物にまだ出会っていないだけなのかもしれません。
その証拠に、ホヤやナマコといったふだん食べないような食材を嫌いな食べ物として挙げた人は40~60代が多かったです。
2つめ。「嫌いな食べ物を無理やり食べさせようとする」風潮も、最近はめっきりなくなってきたと思いませんか?「給食をぜんぶ食べないと昼休みはありません!」みたいなのって、ほぼ絶滅したのではないでしょうか?(まだあったらスミマセン…)
嫌いな食べ物があるのは40代がいちばん多かったですよね。40代くらいの方々は、まさに昼休み返上して嫌いな食べ物を食べさせられていた世代だと思うのです。反対に、多くの20代は「残してもOK」な環境だったのではないでしょうか。あくまで推測ですが、強制された過去があるだけに、「嫌い」という思いがより強くなってしまっているのではないでしょうか。
ちなみに、嫌いな食べ物として最も多く名前が挙がったのは「納豆」。
特に近畿地方のウケが悪かったです。関西人は納豆が好きじゃないってウワサは本当なのかもしれませんね。
ニオイやネバネバが特徴的なので、好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌いっていうのはまぁ納得です。食べ物に限った話じゃありませんが、個性が強いものって熱狂的なファンが付く一方で、アンチも一定数いるものですよね。
「お酒」を飲むようになって嫌いな食べ物を克服した
先ほど、納豆はいちばん嫌われていると申しましたが、克服率が高い(=嫌いだったけど好きになった)のは、
1位:納豆
2位:ピーマン
3位:ナス でした。
好きになったきっかけを聞いてみたところ、だいたいどの食べ物も「いつのまにか好きになっていた」派と「味付けや食べ方を工夫したら好きになった」派がそれぞれいました。
久しぶりに食べてみたら「あれ、案外イケるじゃん」ってなること、ありますよね。ピーマンは「苦味を美味しいと思えるようになった」という回答が目立ちました。苦味を美味しいと思えるのは大人の特権だなーと常々思います。
ナスはあの色移りが見た目的に受け付けなかったという人も少なからずいましたが、克服できたということは、見た目で判断しない大人になれた、ということでしょうか…!
さて、克服できたメニュー・食べ方・調理方法として挙がったのは、
・納豆 → イカ納豆、天ぷら、ねぎをどっさり入れる
・ピーマン → ピーマンの肉詰め
・ナス → 天ぷら
という回答に。
納豆の天ぷらって食べたことないんですが、メジャーなんでしょうか…?(震え声)
ともあれ、天ぷらのポテンシャルすごくないですか。困ったら衣を付けて揚げてみましょう。
嫌い→好きになった食べ物の1~3位までは上記のような結果でしたが、どの食べ物でも「お酒を飲むようになって好きになった」と答えてくれた人が一定数いました。たとえば、克服率4位の牡蠣の場合は、21人中5人が「お酒に合うから」と回答。
牡蠣のほか、トマト、セロリ、ネギ、チーズ、塩辛、しいたけ、ぎんなん、白子など多岐にわたりますが(たしかにどれも酒のつまみになりますね)、お酒を飲むことによって味覚が影響を受けるのは否定しきれないように思います。
成人したての頃は苦くて飲めなかったビールも、いつしかウマいとゴクゴク飲めるようになることを考えると、あまり不思議ではないように思います。苦味とかクセのある香りとか、そういった嫌いな要因も、お酒とあわせることで多少解決するのかもしれませんね。
話はまったく変わりますが、牡蠣は「好きだったけど嫌いになってしまった食べ物」としても上位にランクイン。その要因は「食べ過ぎたらあたってしまった」というものがほとんどでした。この季節ですし、注意喚起するべく記しておきますね…!
中国・四国地方の人たちは嫌いな食べ物が少ない
地方別でデータをみてみると、なぜか中国・四国地方出身者は嫌いな食べ物が他の地域より少ないことがわかりました。反対にいちばん多いのは九州・沖縄地方。距離的には近いのに、正反対の結果ですね。さらに、中国・四国地方の人は「以前は嫌いだったが、好きになった食べ物」も多いことがわかりました。
【食べられないほど嫌いな食べ物がある・地域別】
中国・四国地方といえば、岡山県、広島県、山口県、島根県、鳥取県、愛媛県、香川県、徳島県、高知県の9県を擁する地域です。正直、日本海側と瀬戸内海側とで気候も違いますし、もちろん食文化も違います。ひとくくりに「中国・四国地方」とはいっても、なかなか共通する特性を見出しにくいです。
ただ、厚生労働省の「平成26年国民健康・栄養調査」の結果と照らし合わせると、少し特殊な事情がみえてきました。
以下のグラフは、食品群別摂取量のうち、「コーヒー・ココア」の平均値を取り出して並べたもの。1人が1日あたりどのくらいの量のコーヒー・ココアを摂取しているか?の平均値です。
出典:厚生労働省ホームページ (平成26年国民健康・栄養調査、「第1部 栄養素等摂取状況調査の結果」より「第6表 食品群別摂取量」)、「平成26年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)をもとに株式会社ぐるなび作成
中国地方と四国地方が他の地域より多いのが伝わるでしょうか?そして、嫌いな食べ物がいちばん多かった九州・沖縄地方にあたる北九州と南九州はコーヒー・ココアの摂取量が他より少ないですよね。
もちろん砂糖やミルクをたっぷり入れた甘いコーヒー・ココアもありますが、中国・四国地方の人はコーヒーを飲むことによって、しらずしらずのうちに苦味に慣れ、美味しいと思えるようになっているから嫌いな食べ物も少ないのでは、と推測もできます。
嫌いな食べ物についてのアンケート、いかがでしたか?
嫌いな食べ物がない人は「幸せ」の一言に尽きますが、ある人も「もしかしたら今度こそ美味しいって思えるかも」と希望を持ってみても良いかもしれません!もちろん、なかには克服できない食べ物もありますが、筆者もレバーを美味しいと思える日が来ることを信じて、焼鳥屋さんを巡ってみようと思います。
調査手法:インターネットリサーチ(WEB上で回答)
調査対象:全国・20歳以上・男女のぐるなびアンケート会員
調査期間:2016.12.8~2016.12.10
調査数:1,100(男性:550、女性:550)