さてさてみなさん。ビールがおいしい季節がやってきましたね!
「ビール」と一言で言っても、ラガーやスタウト、ヴァイツェンなどから、オリオンビールなどの地ビールまで、見た目も味も千差万別。その幅広さから、ビール好きにも様々な人種がいます。
今回、元バーテンの筆者が選りすぐりのビール好きを集めた、題して「超ビール座談会」を実施いたしました!
向かって左から私、六本木さん、斎藤さん、美少女さん。
会場は、日本のラガーからクラフトビールまで幅広いビールが取り揃っている名店「クラフトビアマーケット 高円寺店」。ビール好きが集まるにはもってこいのお店です。
メンバー紹介
齋藤圭吾/ビール好きのプロダクトデザイナー。最近ビールサーバーの開発に携わることになり、ますますビール愛が深まっている。
美少女/人形師・スチームパンク装具作家・モデルなど、怪しい肩書き満載の怪人物。ビールについても深い知識を持つ。活動名は「美少女」だが、本人は185cm近くの長身を持つハンサムガイ。
六本木靖子/武蔵美出身の酒豪系女子。身長140cm前半のかわいらしい容姿からは想像もつかないほどの酒飲み。好きなお酒はもちろんビール。
今井辰実/本記事のライター。新宿ゴールデン街でのバーテンダー経験アリ。言わずもがな、ビール好き。
ビールが揃ったので早速乾杯!
みなさん、お気付きになりましたでしょうか?
一人だけグラスのサイズが違うことに……
早速パイントで注文する六本木さん。酒豪ぶりを見せつけてきます!
今井:早速ですが、みなさんはどんなビールがお好みですか?
齋藤:俺は「スタウト」とかの重いビールが俄然好きっすね。いま飲んでる「大山Gビール アメリカンIPA」みたいなIPAビールも、スタウトほどじゃないけど飲みごたえがあって好きですね。銘柄でいうと、今一番好きなのは『ひぐま濃い麦酒』かな。真っ黒いビールで、甘苦い味がクセになるんですよ。
六本木:ひぐ……何?
齋藤:『ひぐま濃い麦酒』です。北海道の地ビールなんですよ。ほかにも『なまらにがいビール』ってのもあります。
今井:地ビールだからって、あからさまに北海道感を出してきたネーミングが好感持てますね。六本木さんは普段どんなビールを飲みますか?
六本木:わたしは飲めればなんでも……。でも、基本的にはクラフトビールより、飲み慣れた日本のラガーが好きなので、『アサヒビール』とかをよく飲みますね。今日も1杯目は『アサヒスーパードライ』にしました。
美少女:僕は季節や料理によって飲むものを変えてますね。夏場だったら『青島ビール』を飲むことが多いかな。中華料理が好きなんですが、四川料理と『青島ビール』は抜群に合うんですよ!辛さの効いた料理を口にしたあとに、グイっとビールを流し込むのがたまらなくて。
今井:いま美少女さんが飲んでる『オリオンビール』も同じ系統ですよね。さっぱりしてるから、グビグビ飲めて、暑い日にぴったりです!
美少女:その通り。沖縄のビールだけあって、ゴーヤをつまみに飲むと最高なんですよ。
アジアビールの魅力
美少女:あとはタイの『シンハービール』もいいね。アジアビールは面白いですよ。シンガポールの『タイガービール』、ベトナムの『バーバーバー』とか……。
齋藤:饒舌ですね(笑)。でも、なんかあのへんのビールって独特のクセがありません?日本とか欧米には無いような。
美少女:そうそう。タイとかベトナムの料理って香りが独特なのが多いでしょ?そこにクセのあるビールをぶつけるとすごい合うんですよ。『バーバーバー』なんか、パクチーとやたら合うし。
齋藤:なるほど!そうやって飲むんですね。実は俺、『バーバーバー』を飲んでうまいと思ったことが一度も無くて……。
美少女:僕もあんまり単品だと飲まないね(笑)。料理とアテることで実力を発揮するビールだと思います。
美少女:あと、アジアビールは、蒸し暑い日にキンキンに冷やして飲むとうまいですよ〜。
今井:そういえば、タイではグラスに氷を入れてビールを飲むって言いますよね。
美少女:日本でやるならいいけど、現地ではあんまりおすすめしないかな。向こうの氷でお腹をこわす人も多いので。あとは、最近はまってるビールだと、台湾のビールかな。
六本木:あ!最近台湾ビールのTシャツ着てるひとよくみる!流行ってるのかな?
美少女:マンゴーの果汁の入ったビールを現地で飲んでからはまっちゃってね。日本ではなかなか売ってないから手を出しにくいけど。中華街の物産展とかで探せばみつかるかな?
齋藤:最近アジアでもクラフトビールが流行ってきてますからね。特にタイの勢いが強いです。『ミッケラー』っていう世界的に有名なブリュワリーがあるんですが、これがあるのはアジアではタイだけなんですよ。
※日本にもミッケラーがありましたが、2016年2月21日に閉店しています。
おつまみの柿の種。トムヤムクン味、グリーンカレー味、マッサマンカレー味の3種類
個性が見える飲酒量
今井:みなさんは、普段どのくらいの量のビールを飲むんですか?
美少女:僕はそんなに量は飲まないですね。料理が好きなので、それに合わせて飲んでます。
齋藤:6、7杯くらいかなぁ。
六本木:重いのを6、7杯も飲んだら結構酔っ払っちゃいそう。
今井:齋藤さんはよく酔っ払ってメガネをなくすんですもんね。六本木さんはいかがですか?ちょっと聞くのが怖いんですが……。
六本木:私は、最近抑えてるから、家で飲むときは3本くらいかな。
齋藤:念のため聞くけど、350ml?それとも……?
六本木:500ml……。
今井:500mlを3本って、要するに1.5リットル飲んでるってことだよね……。じゃあ飲み放題とか行ったらどのくらい飲むの?
六本木:え、わかんない。家だと買い置きしないようにしてるから何本飲んだか覚えてるけど。
酒豪こわい
冬ビールの味わい
美少女:さっきは夏のビールの話をしたけど、冬のビールっていったらやっぱりスタウトがいいよね。
今井:スタウトは常温でも美味しいですもんね。温めて飲むこともありますし。
齋藤:普通のスタウトもいいですが、みなさんチョコレートビールって知ってます?
齋藤:そう思うでしょ?チョコレートっぽい風味はあるけど、一切カカオは使ってないんですよ。スタウトは焦げるまで麦芽を焙煎するんですが、チョコレートビールは焦げる寸前の麦芽を使ってるんです。そうすると、不思議とチョコレートっぽい風味になるんですよ。
美少女:『サンクトガーレン』っていう神奈川のブリュワリーが出してるものが有名ですよね。
六本木:そんなめちゃめちゃ外国っぽい名前なのに神奈川にあるんだ(笑)
今井:僕も思いました!ビールの銘柄名もですけど、名前のイメージから外国製だと思ってたら、実は日本で作ってました、みたいなこと結構ありますよね。
齋藤:クラフトビールってほんといろんなものを作るから、いつも驚かされますよ。ブリュードッグってブリュワリーが作った『ブリュードッグ ペンギン インペリアルスタウト』ってビールがあるんですが、度数がなんと32%!
美少女:確か日本の酒税法だと20%未満までがビールって言われてるから、それはもはやビールではないよね(笑)
今井:もうそこまでいくと、リキュールって言ったほうがいいかもしれません(笑)
だいたい3、4杯ほど飲んで、みなさんご機嫌になってきました
六本木:そういえば、山手線の恵比寿駅って『エビスビール』と何か関係あるの?駅につくとCMの曲も流れるし。
美少女:あそこはもともと、駅ができる前から『エビスビール』の工場があった土地なんですよ。街の名前自体が、そこに由来するんです。
今井:そうなんですか!あのオシャレスポットがまさかビール由来だったなんて……。
美少女:駅前に『恵比寿ガーデンプレイス』ってあるでしょ?あれなんて、ビールの工場跡地に作られたものですからね。
六本木:えー!私けっこうあそこの展示見に行ってたのに知らなかった……。
笑顔を呼ぶお酒「ビール」
今井:そろそろシメということで、みなさんにとってビールとは何なのかを聞かせてください。
齋藤:俺ずっと考えてたんですが、ビールのいいところって、飲んでるとみんなテンションが上がるところだと思うんですよね。
今井:確かに。ウィスキーとか日本酒って、しんみり飲むこともあるけど、ビールを沈痛な面持ちで飲むのって想像つかないなぁ。
美少女:お通夜ですらビールを飲む段階になると少し明るくなるからね(笑)
六本木:つまり、ビールはみんなの笑顔を生むお酒ってことだ!素敵!
「ビールはみんなの笑顔を呼ぶお酒」。そんな素敵な言葉で今回の座談会は幕を閉じました。
ビールへの愛ですっかり仲良くなった我々は、二軒目の飲み屋を目指して夜の街に消えていきましたとさ。
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者・SPECIAL THANKS
今井辰実
新宿ゴールデン街の元バーテンダー。
お酒と海外小説が好き。
編集/Concent編集部
撮影/山本泰輔