家族が居たら飲み会に行きにくいのが日本文化?「早く帰ってこい」「誘いを断り続けるのも立場が」に悩むお父さん事情

飲み会シーズンはもちろんですが、歓送迎会などの定期的な飲み会は出席は社会人の恒例行事というイメージがあります。でも育児中のご家庭はどうなのでしょうか?欠席や「早く帰ってこい」というプレッシャーなど、職場や家庭に気を使う場面が日本には文化として多くありそうです。では自由の国アメリカはどうなのでしょうか?アメリカの子育て世代の飲み会事情を飲みながら聞いてみました。(新宿 忘年会)

家族が居たら飲み会に行きにくいのが日本文化?「早く帰ってこい」「誘いを断り続けるのも立場が」に悩むお父さん事情

「妻や子供が出来てから、なかなか飲みに行けなくなった……」

そんなため息混じりの言葉を聞くことは少なくありません。

 

楽しみにしていた飲み会も、奥さんに「早く帰ってこい」と言われ、かといって飲み会の誘いを断り続けるのも気まずい……。

家庭を持った日本のサラリーマンの切実な悩みです。でも、こういう悩みって日本だけなのでしょうか?自由の国アメリカでは、家庭があってもあんまり縛られるイメージがありません。

実際のところどうなのか、日本人とアメリカ人、双方の意見を聞いて確かめてみることにしました!

 

というわけで、日本の会社に勤めているアメリカ人のノアさんと、典型的な日本人サラリーマンである米山さん(仮名)に、家庭を持つサラリーマンの飲み会事情をお話いただきましょう!

 

場所は、筆者が以前働いていた街、新宿ゴールデン街へ。

仕事終わりのサラリーマンから外国人観光客まで、客層が幅広いお店「ユーフォリア」にてお話を伺います。

育児中旦那飲み会

【ノアさん】37歳のアメリカ人

日本のゲーム会社に勤めるCGデザイナー。約1年前から日本に移住。結婚12年目だが、奥さまとは大学時代からの長いつきあいなのだそう。お子さんは9歳と5歳の二人。

育児中旦那飲み会

【米山さん(仮名)】31歳・日本人

今回は、妻子持ちサラリーマンの日本代表として参加。諸事情により本名と顔はNG。同僚である今の奥さまとは4年前に結婚。お子さんは2歳になる娘さんが一人。

育児中旦那飲み会

国は違えど家庭を持ったサラリーマン同士、仲良く乾杯です。

 

外で飲まずにホームパーティー!家族と一緒に楽しむのがアメリカ式!

——実際のところどうです?やっぱり家庭ができると飲みにいけなくなりますかね?

米山さん:

そうですね〜。子供が出来てからは特にそうなりました。早く帰らないと、寝かしつけだとか食事とか、妻に子供の世話をまかせきりにしてしまうと負担も不満も増えますし。

 

ノアさん:

確かに子供が小さい頃は、僕も心配で早く帰ってましたね。ただ、外で飲まない分、ホームパーティーをよく開いていました。家でやる分には、米山さんのような、奥さんや子供への心配もいらないですから。

 

——ホームパーティー!うわーかなりアメリカっぽいです!確かにドラマとかでよく見る光景ですね。日本代表・米山さんはいかがですか?

米山さん:

日本でも「宅飲み」って文化はありますけど、子供がいたらまずやらないですね。来るひとも気をつかわせてしまうでしょうし。

 

——ですよねぇ。子供の前でお酒を飲むのはなんだか気が引けますよね……。それに、どうしても部屋が散らかってしまったりするので、子供や奥さんに対して余計に気を遣ってしまいませんか?

ノアさん:

日本人はキレイ好きが多いよね。アメリカは部屋のきれいさにあまり頓着しないから、そこは全然気にならないね〜(笑)

育児中旦那飲み会

 

お小遣い制は日本特有?夫婦で一つの口座を共同管理がアメリカ式!

——ところで、子供ができる前、夫婦ふたりきりの頃はどうでしたか?

米山さん:

子供が生まれる前も、妻が家で待っていると、そんなに遅くまで飲めなかったですね。「いつ帰るの?」とかメールが入ったり。独身のころは当日に誘われても飲みに行ってましたが、結婚してからは難しくなりましたよ。どうしても行きたいときは「仕事が長引いてる」って嘘ついて飲みに行ったこともありました(笑)

 

ノアさん:

僕は特に文句を言われたことはないですね。友人との飲み会に、妻も一緒に参加することもあります。

 

——一緒に飲みにきてくれる奥さんは素敵ですね。日本ではなかなかない光景だと思います。その他に、結婚前と結婚後で変化したことは?

米山さん:

あとは、お金の遣い方ですかね。結婚してからお小遣い制になったので、そういった意味でも飲みに行きづらくなりました。独身の同僚に誘われても、やはり金銭感覚の違いを感じることが多いんですよ。

 

——奥さんが財布のひもを握っていると、なかなか自由がききませんもんね。ノアさんはどうですか?

 ノアさん:

僕は結婚してから夫婦共同の口座をつくって、一緒に管理しています。アメリカではこのやり方が一般的ですね。お小遣い制というのは日本にきて初めて知りました。

 

——そうなんですか!お小遣い制ってどこの国にもあるわけではないんですね。

ノアさん:

大人なんだから、お金の管理を人任せにするべきではないと思います。家族のためを思っていたら、お互いに無駄遣いをすることもないでしょ? 

飲み会についての話もそうです。妻に決断を仰ぐのではなく、自己判断することが大切だとは思いませんか?

育児中旦那飲み会

痛いところを突かれてタジタジの米山さん。

 

米山さん:

確かに一理ありますね……。お小遣い制じゃなくても好きに浪費していいわけじゃないですし。その点に関しては、日本も見習ったほうがいいかもしれません。

 

家族も個人も尊重するのがアメリカ式!

ノアさん:

あと、日本人は子供のために自分を犠牲にしてるようなイメージがあります。そういう考え方もステキだとは思いますが、もう少し自分のためにお金や時間を使ってもいいんじゃないかなとも思いますね。

 

米山さん:

そう言われると、自分が忙しくて時間がないことを家族のせいにしているところはあるかもしれません。でもやっぱり、子供にはできるだけのことをしてあげたいと思いますからね。そうなると、どうしても自分の時間が少なくなってしまって。

 

ノアさん:

その気持ちはとてもよくわかります。ただ、もう少しゆとりをもってもいいんじゃないかと思うんですよ。子供を信じて、少し放任主義くらいのほうがいいんじゃないかな。

 

結論:自分の時間も家庭の時間も等しく大切にすべし

日本人には耳が痛い話も多くなりましたが、ノアさんの意見には共感できる部分も多い

のではないでしょうか。育児中旦那飲み会

ノアさん、米山さん。ありがとうございました。

 

子育てアメリカンになるための3カ条

・ホームパーティで、家族サービスと飲みを両立!

・夫婦でお金を管理して、責任のあるお金の使い方をしよう!

・家族だけじゃなく、自分の時間も大切に!

 

アメリカ代表・ノアさんの指摘を受けるたび「確かにそうですね……」と押され気味だった日本代表・米山さん。

家族と個人のありかたについて、日本人はもっと考えなければいけないのかもしれないと感じました。私も、将来結婚したら、家庭へのアメリカンスタイルの導入を検討したいです。

 

合せて読みたい!いや気になる!日本と海外の飲み会事情

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著者・SPECIAL THANKS

今井辰実

今井辰実

新宿ゴールデン街の元バーテンダー。お酒と海外小説が好き。

編集/Concent編集部

撮影/本藤太郎

新宿ゴールデン街:Euphoria

                             
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