上ロース1枚350gの迫力!
鹿児島市の繁華街・天文館の一角に、32年の歴史を誇る1軒のとんかつ専門店があります。ビジネスビルの地下飲食店街にあるその店は、ランチ時は行列ができることでも有名。とんかつ好きを自負するなら、一度は訪れて損はない「丸一」です。
バス停高見馬場のすぐ目の前のビルです
店内は座敷とカウンターのみ
今回取材させていただいたここのとんかつの特徴は、とにかく「大きい」ということ。
部位ごとに塊のまま仕入れる鹿児島県産の黒豚を、揚げる直前でカット。しかもそのボリュームがハンパない。カウンターから丸見えのキッチンでご主人の武さんが手際よく肉をカットし、不要な部分を落としてはかりに乗せると・・・1枚が350g!
カット前のロース肉の塊
「これ、揚げるからね~」と今度は手際よくこの肉に、わざわざ「とんかつのパン粉用に焼いてもらっている食パン」から作ったパン粉をまぶして、アツアツの油に投入! じっくりと揚げること約7~8分。こんがりと揚がった分厚いとんかつを、サクッサクッと軽快にカットして盛り付けると完成です。
中はほんのりピンクの絶妙の揚げ加減
この大きさを見てください。横幅18㎝弱。カットされたかつは中央部分だと3cmほどありそうです。
ご飯とお味噌汁がついた上ロースかつ定食2100円です。
自家製パン粉なので他店よりはやや黒っぽく揚がるそう
ちなみにご飯も「とんかつの美味しさをより引き立てる」ものをと、秋田県大潟村産のあきたこまちを使用しています。「お客さんに東京だったら3000円は下らないといわれる」と武さん。確かに、迫力のボリュームと納得の内容です。
この厚み、たまりません!
オリジナルソースをたっぷりかけて食べるべし!
写真を撮っていると「冷めないうちに食べて」と促されて、まずは自家製のソースをかけて中央部のお肉を。ひと噛み、ふた噛み・・・柔らか! 肉自体も甘いし、ソースもほのかに甘酸っぱくて肉の旨みを引き立てています。
美味しさに感動していると、武さんが「辛子もたっぷり塗って、そのうえからソースをかける」というアドバイスを。
言われたとおりにしてみると、辛子は辛すぎず、ソースはより甘く感じられて、なるほどな~と納得の味わいでした。そうそう、たっぷり盛られたキャベツにもこのソースをかけてどうぞ。わざわざ別味のドレッシングは必要ありません。
武さんがお店を開いた頃、鹿児島には「とんかつ専門店」はなく、食堂やレストランの数あるメニューの中のひとつ。とんかつは家庭料理と思っている人が多かったそう。
そんな状況でも「鹿児島の人に美味しいとんかつを食べてもらいたい」と研究や工夫を重ねるうちに、いつしか常連客も増え「鹿児島でとんかつといえば」と言われるまでになりました。
現在、鹿児島県内でとんかつ専門店として名前を知られる店のオーナーのほとんどが、武さんの店に通っていたそうです。新聞、テレビ、雑誌と紹介されたメディアは数知れず、大物芸能人や著名人、ネットでその存在を知ったという海外からの観光客も数多く訪れる名物店になっています。
武さん、楽しいお話ありがとうございました!
ちなみにランチタイムはロースランチ定食とヒレランチ定食が各1300円で食べられます。こちらも満腹覚悟で臨みたいボリュームなので、しっかりお腹を空かせて行ってくださいね!
紹介したお店
味のとんかつ 丸一
鹿児島市山之口町1-10 鹿児島中央ビル1階
☎099-226-3351
営業時間 11:30~14:00、17:30~20:30
休み 日曜(祝日は営業)
駐車場 あり(鹿児島中央ビル駐車場利用で1時間無料)
おばらけいこ プロフィール
鹿児島は南薩に生まれ、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」のひとつ旧集成館にほど近い上町エリア在住のフリーライター。
地元タウン誌出身、取材範囲は鹿児島を中心に九州全域の観光関連情報を中心にあれこれ。
芋焼酎のお湯割りと鶏刺しがあればとりあえずご機嫌になります。