霜降肉だけでなく赤身肉がフィーチャーされたり、熟成肉の専門店が都内に続々とできたりと、近年の肉ブームはさめやることを知りません。次にくるのはどんな肉かと観察を続けている肉ウォッチャーのジョーと申します。
隆盛を続ける肉ブームへの新たなる刺客が、秋葉原にあらわれたとの噂をキャッチしました。
なんでも3ポンド(1.3kg)もの巨大ステーキを提供するお店だとか…!居ても立っても居られず、さっそく行ってまいりました!
見よ!これがヒーローズの3ポンドステーキだ!
お店について、3ポンドのチャックステーキのセット(税抜5,440円)を注文。ライスとサラダ、スープがついてくるセットです。
「少々お時間かかりますがよろしいですか?」と店員さん。どれだけ分厚いステーキがやってくるんだ…!と期待する時間も前菜みたいなものです。
ちなみに「チャック」とは牛の肩の部分の肉のことなんだそうです、などとウンチクを並べていると…肉が運ばれてきました!
デカァァァァァいッ
説明不要!
ジュウジュウと音を立てながら出続ける煙、したたり落ちそうな肉汁が食欲をそそり、今にもかぶりつきたくなります。
上空からはこんな感じです!
しばしこのご尊顔を拝見するべく、上から見てみると…3ポンドステーキは鉄板からはみ出すのがデフォなのか?どう位置を変えても鉄板におさまりません。
自家製の「フルーティ和風ソース」をかけたらかぶりつきたい衝動を抑えて切りましょう!
あふれる肉汁を見ていたら、もはやお肉が愛おしくなってきました。
気になるお味はというと…
表面はベストなカリッと加減、中はとんでもなくジューシーに焼かれています。噛むたびにジューシーな肉汁があふれ出て、まったくパサついた印象がありません。お肉らしい噛みごたえがありながら、とっても柔らかいです。
肉と言えば米!肉丼もうますぎる!
お肉を食べていれば、おともにお米が欲しくなるのは日本人の宿命と言ってもいいかもしれません。
セットでついてくるライスにお肉を盛り付け、セルフ肉丼にしてみることにします。このライスは、無料で大盛に変更が可能とのこと。
ライスの上に、分厚く切ったステーキをどっさりのせてみます。
お肉のケーキかな?みたいな高さのある一皿になりました。
一口ほお張ると、肉と米の幸せな味が口いっぱいに広がります。
そしてあふれ出る肉汁がごはんにからみついて、口の中が第二の調理場状態。うま味を吸ったごはんを噛みしめる喜びを味わう瞬間は、米の国日本に生まれてよかった…!
と感じる至福の時です。
飽きてきたらトッピングも自由自在!
だいぶ食べたつもりなのに、なんだか減った気がしません。
ここで少し味に変化をつけるべく、トッピング「とろとろ目玉焼き+とろけるチーズ」(税抜250円)を追加発注。
チーズ自体がすでにめちゃくちゃ濃厚でクリーミィ。
お肉との相性もばっちりで、牛肉の風味を邪魔することなく、チーズのいい香りが鼻孔をくすぐります。チーズと混ざり合うことでお肉が少しねっとりとした触感になるのもGOOD。
続いて焼き加減ベストな目玉焼きです。こんなにとろとろにされたら、もうおいしくないわけないじゃない!
卵とからめたお肉を、さらに卵といっしょにほお張ります。
黄身のとろとろとした舌触りと、やわらかなお肉の歯ごたえは文句なしのお味。卵の黄身の滋味あふれる濃厚な香りが、お肉の味をさらに高貴なものにしています。
そのまま食べるだけでなくこのように味の変化を楽しむトッピングをしていけば3ポンドなんてペロリと食べることができます!口いっぱいにお肉をほお張ると、自然と笑ってしまいそうになるぐらい幸せな気持ちになります。
脂がしつこくなく食べた後も胃もたれなしなのでぜひ肉好きには一度挑戦していただきたいです。
「ヒーローズ」ってどこ?
「ヒーローズ」は秋葉原駅を西側に出て、6分ほど歩いて電気街を抜けたところにあります。
アメリカンな内装も、「これからステーキを食うぜ!!」という気分をあおります。
ステーキやハンバーグを鉄板で出す、というと豪快なイメージがありますが、実はお店の味へのこだわりはとっても繊細なんです。
そのこだわりとは、まずお肉が冷凍されていないこと!一度でも冷凍されてしまったお肉はうま味が流れ出やすく、また固くなりやすくなってしまいますが、こちらのお肉は毎日凍結寸前の「チルド」状態で配達されているのだそうです。
使われているお肉は、生後20~24ヶ月以内の牝牛である「若姫牛」ブランドのお肉。サシが入りやすいこのお肉を強火力の鉄板で焼くことで、外側はカリっと、中は柔らかくジューシーに仕上げることができるんだとか。
お肉を食べると、脳内でセロトニンという幸せ物質が分泌されると言われています。なので、お肉を食べる幸せを心行くまで味わえるヒーローズなら、誰かと食べに来たらその人と自然に仲良くなれるかもしれません。
そんな素敵な味は、肉の種類、肉の管理、鉄板など、お店の方がお肉にかけた並々ならぬ情熱に裏打ちされたもの。また何度でも食べに来たくなるお店でした!ごちそうさまです!
ちなみに、3ポンドステーキを注文すると、お店を出る時にこんなバッジがもらえます。
3ポンドステーキを食べた者の証です。
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
秋葉原周辺のランチ・居酒屋のお店取材まとめ
著者・SPECIAL THANKS
ジョー
高校1年間を単身アメリカで過ごしたことで、日本の食文化を大切にしたいと思うようになる。大学時代に出版社より小説を執筆、出版。ライティング業で学費の一部を稼ぐ。現在は料理研究家への道を邁進中。
(編集:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー http://foodcreativefactory.com/)