なぜ私は肉・野菜をほぼ買わなくなってしまったのか?
最近、「ふるさと納税」が話題ですよね。
応援したい地方自治体に対し寄附をすることによって、肉や魚、野菜を「特典」としてもらえ、挙句のはてにはパラグライダー体験や一日町長まで体験できてしまうというものであります。それぞれの特典は自治体ごとに工夫をこらしたものでして、地元名産品を寄附した人に送るというのが一般的です。寄附行為にあたるということで、税金の控除が受けられるのですね。
今回は、昨年ふるさと納税をやりまくった結果、ヒーコラ言う結果になり、さらには肉・野菜をほぼ買わなくて済むようになってしまった私からのオススメ寄附先の特典を使ったレシピとオススメ10自治体の紹介です。
今さら訊けないふるさと納税、総務省の解説を読んでみよう
おっとその前に、制度の詳しい解説をみていきましょうか。以下、総務省の解説です。
〈自治体に対してふるさと納税(寄附)をすると、ふるさと納税(寄附)額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除されます。
(例:年収700万円の、扶養家族が配偶者のみ(1名)の給与所得者の方の場合、30,000円のふるさと納税をすると、2,000円を除く28,000円が控除されます。)
(中略)
控除を受けるためには、ふるさと納税をした翌年に、確定申告を行うことが必要です(原則)。確定申告が不要な給与所得者等について、ふるさと納税先が5団体以内の場合に限り、ふるさと納税先団体に申請することにより確定申告不要で控除を受けられる手続の特例(ふるさと納税ワンストップ特例制度)が創設されました。
(平成27年4月1日以後に行われるふるさと納税について適用)〉
ふるさと納税参加の追い風が吹いているゾ!
メリットとしては「特典をもらう」に加え「税金を安くする」があります。所得に応じて上限は決まっていますので、そこは上記総務省サイトを参考にするなどして、いくらまで寄附できるかは個々人の所得を把握しておいてくださいね。
そして、散々報じられてはいますが、改正が行われました。2015年度からは、確定申告の必要がなくなったのです! そんなふるさと納税参加への追い風が吹いている中、「各自治体が本来の趣旨である『故郷を応援する』から離れて『豪華なモノで釣る競争になっている』」という批判はあるものの、そういう風になっているのだからより楽しむのが我々の利用方針であるべきではないでしょうか。
もし、批判が殺到したあまり「ソーセージ3本」なんてものを特典にするのであれば、それはそれで構いませんが、それはあまりにも市場原理を無視した話であります。ふるさと納税は現状のところ「故郷でもなんでもないしその自治体に何の愛着もないけど、より良いものを特典としてくれる自治体」を選ぶという認識を多くの人が持っているので、この認識に従っておけばいいと考えます。
まずは満足度が高かった自治体を3つご紹介します
というわけで、私が去年から今年にかけて行ったふるさと納税でかなり満足度が高かった3つの自治体を紹介いたします。
- 『旬のお野菜+産みたて濃厚玉子10個入』の大満足セット!(長崎県松浦市/5,000円)※本来は10,000円ですが、5,000円×2回にし、残りの5,000円で鯛茶漬けなどがもらえるようにしました。
- 『耶馬のすっぽん鍋セット』(大分県中津市/10,000円)
- 『つや姫パックライス(40個入り)』(山形県三川町/10,000円)※1パック150グラム入り
ふるさと納税でスッポン1人前40,000円がわずか2,000円に!
さて、それではこの3つの自治体からの特典食材を使い、スッポン鍋と雑炊を作ってみます。いやぁ、中津のスッポン鍋ですが、2~3人前です。以前、スッポンのコースを食べに行ったら1人40,000円もしてギョーテンしたのですが、ふるさと納税であれば、わずか2,000円(控除の制度利用)でスッポンが食べられてしまうのです。当然鍋に入れる野菜は松浦市のものと一部スーパーで買ったもの。雑炊用のご飯は三川町のパックご飯です。
冒頭の箱の写真の中身がコレです。思わずニヤけてしまいます。ちなみに私が着ているTシャツは、2014年の東京都知事選で家入一真さんが所属した「インターネッ党」を支援すべく、クラウドファンディングで10,000円を寄附した結果特典としていただいたオリジナルTシャツです。今回も「寄附+特典」なので、それにもっとも相応しい格好ということで、このTシャツを着用しました。
中身は「すっぽん生肉」(300g)、「かぼすポン酢しょうゆ」(360ml)、「大葉ごしょう」(40g)、「柚子ごしょう」(60g)の4点。この「大葉ごしょう」は田中醤油店製造で、以下の説明書きがあります。
「大葉ごしょうは、大分県産の大葉と唐辛子で仕上げた胡椒スパイスです。すっぽん鍋以外にもソーメンや肉料理、焼き鳥、味噌汁、うどんなどいろいろな料理にご利用ください。耶馬渓産の柚子の皮を昔ながらの手作業で一個一個むいて、青胡椒と塩のみの無添加で作っています。汁物、鍋、スパゲティ、炒め物のかくし味にと、いろいろな場面でお使いください」
いやはや、万能調味料ですなぁ。
さあ、スッポン鍋作り開始
さぁ、鍋を作り始めますかね。作り方は一応把握したうえで、勝手に私の好き放題に作ってみました。まずは大きめの鍋に水道水を入れ、そこに干し椎茸と昆布を入れてダシを取ります。
ここにスッポン投入! スッポンからはいいダシが出ますぜ!
スッポンを8分ほど煮た後、火が通りにくい野菜から先に入れます。ニンジンは松浦市からの特典で、大根は近所のスーパーで買ったものです。松浦市からはカブもあったのですが、鍋にカブの実は合わないかな、と思い、大根を入れました。
スッポンからはアクが出ますので、丁寧に取りましょう。
このように段ボールに多種多様な野菜が入っています。
さぁ、追加の野菜を切ります。松浦市のネギ、カブの葉っぱ(これが大量にあった……)、スーパーで買った春菊です。白菜は入れたかったのですが、季節外れで高かったので諦めました。後方の卵は後の雑炊用ですが、これも松浦市の卵です。
先程の野菜に、スーパーで買ったシメジと豆腐も加えます。日本酒とショウガもドバドバと入れておきました。ウヒヒ、さぁ、早く野菜に火が通れっ!
はい、これら調味料を器に入れて、スッポン鍋を食べるのです。左から「大葉ごしょう」「柚子ごしょう」「かぼすポン酢しょうゆ」です。
完成!スッポンのお味は……
野菜とスッポンと豆腐をバランスよく、上品に(オレ基準だけど)入れてみました。
よし、スッポン食うぞぉぉぉ!!!! うまそー!
うぎゃっ、ウマい! えぇ~、スッポンの味が想像つかない方にスッポンの味をお伝えします。皆さま、寄せ鍋に入っている白身魚は好きですよね。はい。好き、ということで話を進めさせていただきます。あと、鶏の唐揚(モモ肉)は好きですか? スッポンの肉は、この2つを合わせたような味わいなのであります。一瞬肉に思うも、あれ、これは魚かな、となる。カエルもそうなのですが、魚と肉のいいとこどりをした肉、それがスッポンなのであります。あぁ、うめぇうめぇ。
甲羅の周囲のゼラチン質の「エンペラ」もウマいし、もぉぉ、骨をしゃぶりながら野菜も大量に摂取し、ワシワシと食べ進めていきます。いやぁ、鍋の良いところは、野菜をたくさん食べられるところですね。こんなにたくさんの野菜を食べられる料理は普通、ありませんよ。
具を多少残した鍋終了後は、三川町のパックごはんを1パック入れ、溶き卵を加え、最後に万能ネギをかけた雑炊でございます。こちらには醤油を少々かけてみました。
ふるさと納税、やりすぎるとこうなります……
とまぁ、ふるさと納税があれば、こうして美味しい食材が届き、外食するよりも相当安く豪華料理を楽しめるワケであります。しかし、私、バカなもので、ついついふるさと納税をやり過ぎてしまい、一時期毎日のように肉や魚が届けられる事態になってしまいました!
冷凍庫の下段はすぐに満杯に。
冷凍庫の上段もすぐに満杯に。となれば、「ご近所さんにおすそわけ♪」なんてことを考えるかもしれませんが、えぇい、節税対策・食費削減のためにやっているというのにおすそわけなんてできるか、エッ! というわけで、私が取った作戦は……。
約10,000円の台湾製冷凍庫を購入! ここに入れればいい! とばかりに思っていたのですが、ふるさと納税の威力はすさまじく……。
こちらもすぐに満杯となり、連日ふるさと納税のメシばかり食べるようになってしまったのでした。
中川淳一郎の、ふるさと納税オススメ10自治体!
さてと、こうしてふるさと納税の魅力を語ってきたワケですが、私が考える優良10自治体を紹介しましょうか。ランキングというわけではありません。先ほど紹介した3つは省いております。
- 長野県の信州サーモン 元々信州サーモンは好きだった。東京では滅多に買えないので
- 愛知県碧南市のうなぎ 様々な種類が入っているのと、何せ今、鰻は高いので。
- 山形県酒田市の産地直送ラーメン 麺がウマい。スープもしっかりダシを取ってる感じあり
- 大阪府泉佐野市の野菜 多種多様な野菜が大量に入っており、野菜を強制的に摂れ、ヘルシーに
- 上士幌町のアイス 24個ぐらい入っており、味のバリエーションも豊富。
- 北海道上士幌町のすき焼肉 クオリティが良い! 贅沢した気分になれた
- 北海道古平町の鮭とばいくら いくらの量がスゴい! 1kgくらいはあったのでは。ただし、鮭とばはいらない…
- 奈良県吉野町 柿の葉寿司 いつも関西からの出張がえりに買ってくるほど好きなもので…。
- 秋田県湯沢市のシチュー シチューだけでなく、おまけなのか牛筋煮込みなども入っていました
- 宮崎県日南市のマンゴー
それでは皆様も楽しいふるさと納税ライフを!
著者:中川淳一郎(なかがわ じゅんいちろう)
ライター、編集者、PRプランナー
1973年生まれ。東京都立川市出身。
一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターになり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々な、ネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』(星海社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。割と頻繁に物議を醸す、無遠慮で本質を突いた物言いに定評がある。ビール党で、水以上の頻度でサッポロ黒ラベルを飲む。
前回までの「今も飲んでいます」はこちら。
「幹事の味方」でも中川淳一郎さん、連載中です。
中川淳一郎さんは「幹事の味方」でも連載中です。こちらと合わせてぜひご覧ください。