まいど憶良(おくら)です。
肉を食べたい、財布は軽い。
そんな時に思い出すべき店が、三宮のおとなりの春日野道駅近くにあるよ、という話を聞いて、敢えて財布を軽いままにして
三宮の賑やかとはちょっと違う、ゆったりとした時間の流れる街。
神戸はいろんな色の顔を持っています。
阪急の駅からすぐ、電車の高架下にその店はありました。
ここが隠れた名店。
そしてこの中で驚愕のメニューが私を待っていました。
扉を開けると、高級焼き肉店のような雰囲気。
まずいっ、店を間違えたかと
思ってしまう感じ。
いやぁ、この店ではない。と思いつつも、一応ランチメニューをチェック。
あっ!
こっ!
これだあぁっ!と、注文しました。
出来上るまでを見せて頂きました。
なんと注文があってから焼き始めます。
安いメニューだからと、「焼いてタレを絡めて置いておいた肉を丼に乗せて」という作り置きではないのです。
ドンブリにごはん、レタスを敷いて、
カルビが焼かれていきます。
焼きあがったカルビをのせてタレをかけ、ゴマを散らしたら
はい、焼きたてカルビの乗った
カルビ丼の完成です。
何度も言うのも、なんなんですが、
これが280円!なんてこったぁ。
さて、実食です。
何と言っても焼きたて、熱々です。オリジナルのタレは甘辛く、ごはんをアッと言う間に消し去ります。
ぺろりと完食。
タレは3~4時間、じっくりと煮込んで作ったもの。
これを最低一晩は寝かせて、角が取れた味に仕上げて使っているとの事。
280円なのに手間がかかっています。
「大人の男性やったら、物足りんやろなぁ」と、オーナーシェフ。
「肉が倍で、ごはん大盛りにしても、480円、サラダやスープはプラス50円やで。あはは、無茶苦茶やなぁ」
と、ご本人が言うのだから間違いなく無茶苦茶な値段設定です(笑)。
なぜこんな値段で提供出来るのか?
ちょっと食べ終わった後に、「なんでこんなに安いの」って聞きにくいですよね。
ですので、代表して私が聞きました。
憶良 : これは、インパクト大ですねぇ。
オーナーさん : うん、大やねぇ。あはは。
憶良 : このカルビって、カルビ肉を切っていった端の部分とかを使って作っているんですか?
オーナーさん : そう、最初はそうだったんよ。でも、それでは間に合わなくなって、カルビの中でもちょっと評価の低い部分をいれたり、良い部分もちょっとは入ったりと、いろいろ工夫と努力をしながら作ってます。
憶良 : 儲けは?
オーナーさん : 当然、あんまりないよね。
まぁ、家賃については、昼開けてても閉めてても変わらないんだから、昼に関してはタダという計算をして、広告費的な扱いで考えて・・・、と、なんとか、まるっきり損という事ではない様に考えてます。
憶良 : それでも、こんな値段で仕入れらないですよね。
オーナーさん : そりゃぁ、そうやね。まぁ、私がずっとこの肉業界で、卸やら、流通やらなんやらに関わり続けているという経緯があって、ですかねぇ。
焼き肉屋だけでなくて精肉店を出してたり、またほかの店舗もいくつかあるんで成り立つ部分もあるんよ。
憶良 : にしても安い。ちょっと今月ピンチなんで、BAKUBAKUのカルビ丼食べよか、なんて。
オーナーさん : あるわなぁ。
お客さんの中には、なんぼ何でも安すぎるんと違う?もっと取っても(値段が高くても)ええんと違う?って、本気で心配してアドバイスをくれる人もいます。
でも、まぁええやん。お客さんが喜んでくれて、それを見てこっちも喜べるんやったら。
それで、食べていけるレベルを維持できるんやったら、ええんと違うかと。
仕入れ、原価、人件費と、それだけやなくて、もっとグローバルに、業界の全体の流れとか、価値観の推移とか、流通だとか、いろんなものを同時に見てると、どこかここかで、「あっ、このポイントでこう工夫したら儲けが出るな、みたいなところが見えてくる。
そしたら、来年はちょっとこんな店出してみよか、とか、長い流れの中で儲けを考えれる部分は、やっぱりあるんよ。
そしたら、次はこんな丼の専門店を出してみてもいいし、とか思ってるんよ。
絶対焼き肉屋じゃないと、というこだわりはない。
だから、ひょっとしたら、来年は唐揚げやさんをやってるかもしれん。
そこに付随するなんらかの価値があったら、また新しい展開も出来るし。
そういう視点で経営してたら、楽しいんよね。
それで、こっちが楽しめて、お客さんも喜んでもらえるんやったら、そら、それに越したことはないと。
憶良 : なるほど、単に広告商品ってだけではないんですね。
オーナーさん : まず、興味を持ってもらって、店に来てもらったら、次はまた焼き肉でも食べようか。値段は・・・と、知ってもらえる。
そして焼き肉も食べてみて、これは値打ちがあるなと思ってくれたら、また来てくれる。
憶良 : そーですよね。280円の丼でこれだったら・・・。
じゃ夜メニューは、一体どんな感じなんかと、やっぱり思いますもん。
オーナーさん : まぁ気楽に。
「焼き肉屋に行くぞ!と気合を入れんでも食べられる」値段です。是非、食べに来てください。
憶良 : 小食の人なんかだったら、アルコール抜きで3000円食べようと思ったら、大変なことになりそうですね。
オーナーさん : そうですね。普通の人でも3000円食べようと思ったら大変かもしれません。
ウチのコンセプトからしても、お肉も、お財布も安心して食べられるという事でやっていますので。
たくさんの方に「思いっきりお肉を食べても、こんな値段なの」とのお言葉を頂いています。
憶良 : そういわれてしまうと、夜メニューも気になりますね。
オーナーさん : ・・・。気になりますか。
今日は、ありがとうございました。
それでは、今回はここまで。私のレポートを終わります。
・・・。
憶良 : ・・・。気になりますね。
オーナーさん : ・・・。見てみます?
憶良 : ・・・。はい。
と、言う事で、せっかくなので番外編。
このままでは、夜メニューが気になってしまうやろ~。
と、いう事で、ちょっと延長戦に突入して、夜のご紹介を。
実は、夜メニューもとんでもなかった。
憶良 : せっかくなので、夜メューも見せてもらっていいですか。
オーナーさん : どうぞ。せっかくなんで。
自慢の、「じまんセット」をはじめとして、
超リーズナブルな
メニューから、セットにしてしまうと単品注文より1200円以上安いメニューまで。
折角なので人気者セット2500円を注文。
そして、やっぱりビールも注文。
焼き肉を目の前にしてビールを我慢なんて、
わたしには出来ません、一応、取材は済んでますので、飲みましょう。←(取材でも飲む。結局飲む。どっちにしても、飲んでしまうのだ)
すみませーん、人気者セットくださぁい。
「はーい」と、やって来たのは、かなりのイケメン。
彼目当てのお客さんもいるのでは?
いや、私は、
やっぱり肉目当てで通ってしまいそうです。
これが2500円!(ビール除く)
いい色してるっ!
サラダを注文したら、「どっひゃ~サラダ680円がお面白いかな」と言われ、注文。
バケツみたいなボールで入って出てきました。 ・・・。確かに、面白い。
この中のベーコンは、熊本でウインナーやベーコンを作っている友達から仕入れているとの事。
炙って食べてね。と、いう事で
炙ると、これはたまらんです。
超旨そう、で、超ボリューミー。
「食べきれんかったら、包むで」と、言われて、
お願いしますと、素直に言う小食家の私。
ベーコンだけでも値打ちあり。
野菜の高騰時にも、なんとか耐えて提供しました。との事でした。
実はこの(取材後の写真)焼き肉がぺろりと入ってしまいました。
写真も山ほど撮ったんですが、ここでは割愛します。
いや、しかし、考えられないコスパの良さです。
まずは、カルビ丼とか、ハラミ丼を、話のネタに食べて、でもいいと思います。
次に、セットを食べるとかなりの確率で、追加したくなっちゃうようです。
「気軽に食べたいだけ、焼き肉をバクバクたべてね。」
ほら、もう、お店のコンセプト通りです。
お持ち帰りセットもあり。
「頼みすぎたお肉のお持ち帰りも!スタッフまで」と書いてあります。私のように小食のくせに食いしん坊な人には安心ですね。
ご馳走様でした!
どこまでもお客さん目線のサービスに驚きつつ、お店を後にしました。
紹介したお店
焼肉BAKUBAKU
TEL 078-272-2989
定休日 水曜日
営業時間
月~金 11:30~14:00 18:00~23:00(L.O22:00)
土・日・祝 17:00~23:00(L.O22:00)
ランチは平日のみのメニューです。
プロフィール
憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。
ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。
休日は高速道路を使わずに名古屋から鳥取あたりの温泉に行って浸かり、道中や行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込むと例え深夜に帰ったとしても料理する。
その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。
「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に悪いことを考える人はいない。」という持論を持っている。
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