「僕の家に遊びに来た感覚で楽しんでいただきたい」と願う加瀬シェフ。オープンキッチンで調理しつつ、料理やグラスの進み具合を見て、最適なタイミングで提供する。ゲストが一口目を口にした瞬間から、食べ進む表情の変化までを見逃さず、味付けをアレンジ。次の料理に加味するなど、細やかな配慮が一皿ごとに反映される。

客席は、テーブル席が10席にカウンター2席の12席のみ。フロアはベージュとグレーを基調とした落ち着いたトーンでまとめられる。壁にはキッチンで使われるステンレスをさり気なくあしらうなど、キッチンとの一体感ある空間を演出。シェフの自宅のダイニングに招かれたような、リラックスした雰囲気の中で食事が楽しめる。

シャンパーニュ地方のレストランで修行中に、この地で生産されるワインの奥深さ、華やかさに魅了された加瀬シェフ。
取り扱うワインは、プレステージ・シャンパーニュをはじめ、スティルのコト―・シャンプノワ、ピノ･ノワールを使ったロゼ・デ・リセなど、常時100種余りを揃える。3種、6種のペアリングコースも用意。

必要以上に手を加えず、食材の持ち味をストレートに伝える料理を創り上げる加瀬シェフ。シャンパーニュを知り尽くしたシェフが揃えるワインとの相性も抜群だ。盛り付けも「食べられない花やハーブを飾ることはせず、必要なものだけを盛り付ける」というのが加瀬シェフの信条で、どの料理もシンプルでいて洗練されている。

食後のデザートは、加瀬シェフの奥様で、パティシエの美有紀氏が担当。料理同様、シャンパーニュに寄り添うことがコンセプトだが「食後に召し上がることや、お酒を飲まれていることを考慮して、甘みを抑えて軽く仕上げています」と美有紀氏。ディナーでは2種類のデザートが用意され、〆のシャンパンとあわせて楽しみたい。