こだわり3 そば打ち
美味しいものは、見た目からも美しい
店で出す「せいろそば」は十割、玄そばを皮ごと挽いた「田舎せいろ」は二八の割で打つ。見事なまでに均等に切られたそばは整然と木船に納められる。これほどの技術を習得するのには最低でも5年の月日が必要だという。修業時代は、そば粉より安価な小麦粉でひたすら練習に励む。今は若いスタッフが苅部氏の技を必死に学ぶ。
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調理場奥の打ち台で一心不乱にそばを打つ苅部氏。庖丁が放つ音は、決して大きくはないが力強くてリズミカルだ。一日に2キロ、50人前のそばを打つという。それがなくなってしまうと「売り切れ仕舞い」。季節や気温は日々変化するからと、打つときも茹でるときも一切計量しない。すべて体で覚えその日にあったそばを作る。
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支店の頃は、その店の味を忠実に守り「独立したら、自分なりの『かえし』を作りたいと思っていた」という苅部氏。実際に自分の味を追い求め「追い鰹」などにも挑戦した。試行錯誤の末、結局一番旨いと感じたのは、自分の原点の味だったという。今も、鹿児島や沖縄で獲れた脂肪の少ない厚削りの鰹節で旨味の強いダシを取る。
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