こだわり1 職人技

店主の実直な人柄が作る味にも表れる

苅部氏は、柏にある蕎麦の名店で修業し、師匠であるその店の店主の薫陶を受け、支店を任されるほど実力ある蕎麦打ち職人に育った。「不器用だったので、弟子の中で一番叱られました」という。それでも修業時代から今まで1日たりとも休まなかった努力家の弟子の独立にあたり、師匠からは「東白庵」という店の名を贈られた。

こだわり2 そば粉

一つひとつの仕事を毎日丁寧にこなす

「かりべ」で使うそばの実は、新潟県塩沢産と長野県黒姫産のもの。各地の味を試した結果、甘みがあり、味が安定している良質のものを選んだ。毎年11月の新そばが出ると、1年分の玄そばを仕入れて、適した温度で冷蔵保存している。そして、その日に使う分だけを、石臼が摩擦で熱を持たないように、ゆっくりと挽いている。

こだわり3 そば打ち

美味しいものは、見た目からも美しい

店で出す「せいろそば」は十割、玄そばを皮ごと挽いた「田舎せいろ」は二八の割で打つ。見事なまでに均等に切られたそばは整然と木船に納められる。これほどの技術を習得するのには最低でも5年の月日が必要だという。修業時代は、そば粉より安価な小麦粉でひたすら練習に励む。今は若いスタッフが苅部氏の技を必死に学ぶ。

  • 調理場奥の打ち台で一心不乱にそばを打つ苅部氏。庖丁が放つ音は、決して大きくはないが力強くてリズミカルだ。一日に2キロ、50人前のそばを打つという。それがなくなってしまうと「売り切れ仕舞い」。季節や気温は日々変化するからと、打つときも茹でるときも一切計量しない。すべて体で覚えその日にあったそばを作る。

  • 支店の頃は、その店の味を忠実に守り「独立したら、自分なりの『かえし』を作りたいと思っていた」という苅部氏。実際に自分の味を追い求め「追い鰹」などにも挑戦した。試行錯誤の末、結局一番旨いと感じたのは、自分の原点の味だったという。今も、鹿児島や沖縄で獲れた脂肪の少ない厚削りの鰹節で旨味の強いダシを取る。

こだわり4 ワインにこだわる

「そば屋でワイン」という洒落た選択

店内の目立つ場所にワインセラーが置かれ、その上にはワイングラスが出番を待っている。赤・白ともに常時10種は揃い、スパークリングも用意されている。どれも、そばの味と香りに合わせ、さっぱりとしたものを中心に、店主自らが試してから選んだものばかり。このワインの管理を兼ね、週に1回はソムリエが店に出ている。

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