こんにちは!ライターの佐藤樹里です。
吉祥寺といえば、長年にわたって「住みたい街ランキング」で上位に君臨し続ける人気の街ですよね。商店街はにぎやかだし、井の頭公園にいけば自然に触れ合える……たしかに素敵な街です。
そんな吉祥寺には、じつはディープな飲み屋さんがたくさんあるのをご存知ですか?
なかでも、特に毎晩毎晩お客さんがあとを絶たずやってきて常に満席、というレジェンド的なお店があるのです。それが「ささの葉」。席数が少ない&人気店なので、一発で入るのはなかなか難しいのですが、とにかく何でも美味しい!!!
この素晴らしさをみんなに知ってほしい~~~!ということで紹介します!
7つの独自ルールを心得て訪れるべし
お店に伺う前に、ささの葉の独自ルールをまず覚えておきましょう。といっても、そんなに難しいことはありません!
一、カイワレなど刺身のつまは残すべからず
一、牛すじ煮込みのスープは残すべからず
一、お客さん同士で料理のシェアはするべからず
一、常連さんの話は聞くべし(みんなとっても優しいです)
一、トイレには鍵を持っていくべし
一、店長さんでなく「マスター」と呼ぶべし
一、一人で切り盛りしてるマスターを想い、注文やお皿返却は空気を読んですべし
ルールをおさえたところで、お店を紹介しますね。
ささの葉があるのはハモニカ横丁。
こちらがささの葉のマスター。なんと現在80歳でいらっしゃるそうです……!お若い。
刺身盛り合わせのボリュームがめちゃくちゃすごい
さっそくですが、マスターおすすめという刺身盛り合わせを出していただきましょう!
やってきたのがこちら……ドーーーン!
左奥が帆立、左手前がカンパチ、中央奥から赤貝、海老、インドマグロ、右にほっき貝です。なんていうか、密度がすごい……!
カウンターの目の前のケースにはズラッとお魚が並べられていて、このなかから盛り合わせたもの。
ではさっそく1種類ずつ堪能してまいりましょう!
真っ赤で鮮やかなインドマグロです。
箸で持ってみてダイレクトに感じるのは肉厚さ!赤身ならではの旨味が濃厚で一気に脳内で幸せホルモンが出まくります。
コリッコリでプリップリな赤貝!
爽やかな磯の香りと甘み!赤貝って甘いんですね……!
貝を続けていっちゃいます。これはほっき貝。
つやっつやで見るからにプリプリした感じ。食べてみると、噛めば噛むほど旨味がじゅわじゅわ出てくる……!
えびもすごかったです。
頭にはミソがたっぷり!しかも全然くさくないです。プリッとしつつとろける身も甘くて、思わず目を閉じてしまう美味しさでした。脚も食べられます!
カンパチ、帆立も新鮮で非常に美味しかった……。
さて、冒頭で紹介したルール覚えていますか?そう、「刺身のつまは残すべからず」!
付け合わせのカイワレ大根と一緒にお刺身をいただくとさっぱりして美味しいですよ~!
残さずに食べるとマスターが「いいね」と褒めてくれます。笑
お刺身とセットで絶対に飲みたいお酒がこちら。高知県の「土佐司牡丹」という日本酒。
店内でも、「これでもか」ってくらい推しています。
「開けたてだからおいしいよー」とマスター。
キリッとした辛口で、高知を代表する日本酒。すっきりしているけど柔らかな味わいもあって飲みやすいです。そして刺身にぴったりすぎて、ついどっちも進む……!
飲み物でもう1つオススメなのが長野のトマトジュース。これは隣に座っていた常連さんが激推ししてくれました。
トマトからしぼったそのまま100%の無添加パーフェクトジュースだそうです。たしかにこれは……!めちゃくちゃトマトですごい美味しい。
パーフェクトすぎる白子に出会ってしまった
魅力に抗えずに注文しちゃいました、白子……。
迫力がすごい。笑
つやっつやのキラキラで宝石のよう……。
こんな大きな白子を一口でパクッと……
うまーーーーーーい!!!プチっとした食感とトロリと濃厚クリーミーな白子、たまらん。
ポン酢とゆず胡椒をつけて食べたらもう言うことはありません……!最っ高。
こんな白子、今まで食べたことない!ってくらい美味しかった。
これを食べると一気に笑顔になったあげく、「世の中のうまくいかないこと、もうどうにでもなれ」って思えてしまうほどにめちゃくちゃ美味しいです。これからの季節だと難しいかもしれませんが、もし出会えたら絶対に食べてみてください。
牛すじ煮込みは煮汁まで飲み干したくなるほどの旨さ
ささの葉、カウンター席の前ではこんな大きな鍋がグツグツしているのです。しかも醤油と出汁のいい香りを漂わせているわけです。こんなん頼まないわけにはいかん!
というわけで牛すじ煮込みを注文したのですが……
デカい。直径30cmくらいの大きめなお皿にもりもり盛られてきました。牛すじ煮込みってこんなに大きなお皿に入ってくるものだっけ……?
このしみっしみの大根……!
あまりに柔らかくて、箸を入れるだけで崩れてしまいます。口にいれてもすぐにいなくなってしまう!牛すじの旨味を大根がしっかりと吸っています。いったい何時間煮込んだらこんなことになるのか……!
牛すじを食べようと思ったら、とても一口で食べられるような大きさじゃありませんでした。
「はさみで切りな」とマスターが手渡してくれたはさみでカットしていくのですが、これがまためっちゃ柔らかい!
すじってカタいものじゃなかったっけ?こんなにすぐとろけていって大丈夫?ってくらい柔らかい。味もしみしみで最高……こんなにたくさん食べきれるかな?と一瞬思いましたが、杞憂に終わりました。
はあ、美味しかった……。
と、ここで隣に座っていた常連さんに「このスープまで飲み干さなきゃだめだよ。これが最高に美味しいんだから!」と教えていただきました。
そうです、これも冒頭のルールに入っております。
お皿に口をつけて一気に飲み干すのがささの葉スタイル。たしかにこれはめちゃくちゃ美味しい!!!日本酒を割っても美味しいんだろうな……。
グビグビと飲み干したら、タイミングを見計らってマスターにお皿を返します。これもルールの一つですが、マスターは一人で調理から皿洗い、飲み物のサーブまでしていてお忙しいのです。
煮汁まで飲み干したお皿を返すと、マスターが「おー、きれいに食べたね。そうそう、これでいいんだよ」とニコニコしながらまた褒めてくれました。食べるだけでこんなに褒めてもらえるなんて、なんだか嬉しい……!
ここで隣の常連さんが注文した岩牡蠣がやってきました。あまりの大きさにあっけにとられていたら、「撮る?」と言っていただきましたので紹介しますね。
これ…本当に大きいな……!
15cmくらいの貝が3つものっています。
パカっと貝を開けたところも!ええええええすごい身が詰まってる!
プリップリで美味しそう!!!
「味はいかがですか?」と聞いたところ、「最高の塩味!牡蠣自身の味わいを堪能できるね。生物から人間に戻った感じがするな」というコメントをいただきました。
マスターの作る焼売もめちゃくちゃオススメ
以前、中華料理店も経営していたことがあるというマスター。ささの葉でも、焼売がオススメだそう。
蒸し器のふたを開けると、湯気のカーテンのなかから、ぎっしり詰まった焼売が現れます。
焼売には醤油とゆず胡椒。ゆず胡椒はマスターが「一緒に食べても美味しいよ」とお皿にのせてくれました。
熱々をはふはふしながらいただきます!
んんんんんー!!!!何これ、美味しすぎる……!
皮のなかにこれでもかってくらい詰まっているお肉が、あふれんばかりの肉汁とともに口の中に広がります。
できたては熱すぎるのでヤケド注意ですが、ぜひはふはふしながら食べてほしい!
あと、焼売の下に敷かれているキャベツも「キャベツじゃないよね?」と思ってしまうくらい甘かった……。
は~!何食べても美味しくて、本当に最高でした!ごちそうさまです!
気になるお値段ですが、ささの葉には基本的にメニューに値段が書いてありません!最後までどのくらいの価格かわからないのが面白いところ。
「怖い」と感じる人もいるかもしれませんが、この日は2人でたらふく食べて1万円いかない程度!このクオリティでこのお値段なら、お安いのではないでしょうか?
ささの葉はハモニカ横丁にある
吉祥寺駅を出てすぐの商店街、ハモニカ横丁にあります。ハモニカ横丁はレトロ感溢れる名物商店街。たくさんの飲み屋さんがあり、昼から夜までにぎわっています。
迷路のような路地なので、どこにあるのか迷ってしまいますが、ささの葉はのれん小路の奥にあります。
開店は20時ですが、わりと準備はゆったりめ。一度のぞいてみて開店してなければ、近くで待たずに遠くから様子をみていましょう。
店内は活況そのもの。
カウンター7席でかなりぎゅーぎゅーとします。トイレに行くのも一苦労なので奥に座った方は一緒にまとめていくようにしましょう。ここでの移動によりお客さん同士に一体感が生まれます。
トイレは共用なのですが、鍵つき。なので鍵を忘れずに持っていってください。これも独自ルールの一つです。
お客さんは22時くらいに入れ替わるので、最初のタイミングで入れなかった方は、その時間にもう一度チェックしてみましょう!運が良ければ入れるかもしれません。
御歳80歳のマスターに健康の秘訣をお伺いしたところ、「お酒と美味しいご飯だよ」という頼もしいお答えでした。
常連さんたちがついつい通いたくなるのもすごくわかる、魔力のあるお店でした。素敵で優しいマスターと常連さんに会いに、また近々訪れたくなってしまいます。
皆さんも吉祥寺を訪れたときはぜひとも覗いてみてくださいね!
紹介したお店
営業時間:20:00頃~24:00頃
著者プロフィール
著者 佐藤樹里
水泳インストラクター兼管理栄養士として勤務後、フィリピン・カナダへ約1年渡航。現地のブランチレストランでカナダ人のシェフと共に働く。帰国後はアスリート向けの食堂と老人ホーム厨房にてWワークを経て独立。現在はスポーツイベント開催、栄養講座、ダイエットサポート、高タンパク質のヘルシーレシピ作成などを行う。炒飯が大好き。
[twitter] http://twitter.com/jurijapan1
[公式ブログ] https://asudorifactory.com