やっぱり鶏むね肉は偉大…!炊飯器でしっとり柔らかに仕上げる方法と作り置きで捗るレシピ

鶏むね肉は低脂肪高タンパク、それでいてリーズナブルという優秀食材。しかし、そのまま加熱するとパサつきがちで、あまり素直に美味しいとは思えない仕上がりになってしまいます。鶏むね肉のオススメの調理方法が低温調理(スーヴィッド、真空調理とも)。低温でじっくり加熱することで固くならず、しっとりジューシーなまま美味しく調理できますよ。気をつけるポイントは切り方、温度、加熱時間の3つ。繊維を断ち切るように鶏むね肉をカットし、下味をつけたら加熱可の保存袋で密閉、60℃を保ちながら炊飯器の保温で60分ほったらかすだけです。ピリ辛な味付けをしてサラダにのせたり、カラシ入りのタレと和えてナムルにしたり、トマト&アボカドと合わせてサンドイッチにしたり、とアレンジもしやすいのがメリット。冷蔵庫にあると何かと便利なので、ぜひ作ってみてくださいね。(洋食・西洋料理のグルメガイド

やっぱり鶏むね肉は偉大…!炊飯器でしっとり柔らかに仕上げる方法と作り置きで捗るレシピ

こんにちは。韓国出身の料理研究家、キムヨンハです。

低脂肪高タンパク、それでいてリーズナブルという優秀食材の鶏むね肉。2017年には「今年の一皿」にも選ばれましたが、いまもその人気が陰りを見せることはありません。

 

しかし、鶏むね肉はそのまま加熱するとどうしてもパサパサになったり、生臭さが出てしまったり……となかなか難しい食材でもあります。

そこで、今回は改めて鶏むね肉の美味しい調理方法を紹介!パサつかず、しっとりジューシーな鶏むね肉を自宅で簡単に食べられますよ。

何より、この鶏むね肉が冷蔵庫に常備されていると何かと便利……!使い勝手が良いので、簡単に一品作れてしまうのも心強いです。

 

さて、鶏むね肉を美味しく調理するポイントは3つ。

・切り方(繊維を断つ!)
・最適な温度で加熱(低温で!)
・適正な時間(じっくり!)

これらを押さえておけば、鶏むね肉の旨味を最大限に引き出せて、さまざまな料理に活用できます。

 

鶏むね肉調理においてはもはや定番になっているかもしれませんが、今回紹介するのも低温調理(フランス語でスーヴィッド:sous vide。真空調理とも)。

完全密閉できる加熱用の保存袋に、肉と調味料などを入れた状態で密閉し、通常の加熱温度よりも低い温度(55~70℃)で湯せんする方法です。

Anovaなど低温調理専用の器具も販売されていますが、今回は1家に1台あると思われる炊飯器を使っています。

ではさっそくレシピにまいりましょう。基本の鶏むね肉調理方法+アレンジレシピ3品を紹介しますよ~!

 

鶏むね肉をしっとりジューシーにする方法

材料(作りやすい量)

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  • 鶏むね肉・・・・1枚
  • ローズマリー・・・・1枝
  • にんにく・・・・2片(すりおろし)
  • オリーブオイル・・・・大さじ2
  • 塩こしょう・・・・適量
  • 保存袋・・・・1袋

作り方

1. 鶏むね肉をスジの方向ごとに切り分ける。

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2. 繊維の走っている方向に対して、垂直に包丁を当ててそぎ切りにする。

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3. 2に塩こしょうで下味をつける。

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4. 保存袋に3とにんにく、ローズマリー、オリーブオイルを入れて手で揉み、空気を完全に抜いて密封する。

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5. 炊飯器に熱湯4カップ、冷水2カップを入れて60℃にする。そこへ4を入れて、ふたを閉めたら炊飯器の保温機能をオンにし、60分間置く。
※密閉袋がしっかりお湯につかるようにお皿などで重石をすると良い。 

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6. 60分経ったら保存袋を引き上げ、氷水にひたして急冷する。

 

鶏むね肉を美味しくジューシーに食べる方法

ここでもう一度、最初にお伝えした3つのポイントを振り返ります。

・切り方

鶏むね肉の繊維を断ち切るのがポイントです。口に入れた時に繊維がほぐれやすくなり、ふっくら柔らかな食感になります。

・最適な温度

高い温度で一気に火を通すと、タンパク質が収縮して固くなってしまうのですが、それこそが鶏むね肉をパサつかせてしまう要因です。

このタンパク質の収縮が起こる、つまり肉が固くなってしまう温度は68~70℃以上。したがって、低温調理ではそれに達しない温度でじっくりと調理することが大事なのです。

温度計を使いながら温度を合わせていくのがベストですが、先ほど紹介したレシピのように熱湯4カップ+冷水2カップでもおおよそ60℃になります。 

・適正な時間

低温調理を行う場合、温度だけでなく時間にも気をつけなくてはなりません。

55℃以上の加熱は必須。加熱する食材の中心部の温度(コア温度)を確認する必要があります。

今回は60℃で60分というレシピにしましたが、これは食肉製品の規格基準にならったもの。最低60分は置いて、鶏肉の大きさに応じて時間を増やしてください。

最後に氷水で急冷するのも、細菌の繁殖を防ぐという意味があるので、必ず行ってくださいね。

 

▼詳しくはこちらへ

食品別の規格基準について |厚生労働省(「食肉製品」内、「食肉製品の製造基準」の項を参照)

 

▼低温調理を数学的に研究しているNickさんによる安全な加熱の心得

 

ピリ辛鶏むね肉のサラダ

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材料(作りやすい量)

  • 鶏むね肉(調理後)・・・・200g
  • ベビーリーフ・・・・1袋
  • ミックスナッツ・・・・適量
    【A】
  • 豆板醤・・・・大さじ1
  • 醤油・・・・小さじ1
  • 砂糖・・・・大さじ1
  • にんにく(すりおろし)・・・・小さじ1
  • ごま油・・・・大さじ1
  • こしょう・・・・適量

作り方

  1. 鶏むね肉を一口サイズに切る。ミックスナッツを粗みじん切りにする。
  2. Aを混ぜ合わせる。
  3. 1の鶏むね肉と2を和える。
  4. 器にベビーリーフをひき、3をのせて1のミックスナッツをトッピングする。 

ピリ辛味の鶏むね肉はサラダとしてもご飯のおかずとしても美味しくいただけます。野菜を自然ともりもり食べられるメニューです!

 

ツンとくるカラシ入り鶏むね肉ナムル

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材料(作りやすい量)

  • 鶏むね肉(調理後)・・・・200g
  • きゅうり・・・・1/4個
  • にんじん・・・・1/4個
  • 炒りごま・・・・適量
    【A】
  • カラシ・・・・大さじ1
  • 砂糖・・・・大さじ2
  • レモン汁・・・・大さじ1
  • にんにく(すりおろし)・・・・小さじ1
  • 塩・・・・適量

作り方

  1. きゅうりとにんじんは千切りにし、鶏むね肉は大きめにちぎる。
  2. Aを混ぜ合わせる。
  3. 1と2をよく混ぜたら、器に盛り付け、炒りごまをかける。

カラシがツンとくる大人のナムル。しゃきしゃき食感の野菜とパンチある味付けが食欲をそそります。鶏の旨味も追加されて◎。お好みでカラシの量は調整してくださいね。

 

鶏むね肉のカプレーゼ風オープンサンドイッチ

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材料(作りやすい量)

  • 鶏むね肉(調理後)・・・・100g
  • カンパーニュ(お好みのパンでOK)・・・・2切れ
  • アボカド・・・・1/4個
  • トマト・・・・1/4個
  • クリームチーズ・・・・大さじ2
  • こしょう・・・・適量
  • ドライバジル(あれば)・・・適量

作り方

  1. アボカドとトマトはスライスし、鶏むね肉はパンの大きさに合わせて適宜カットする。
  2. カンパーニュをトースターで軽く焼き、クリームチーズを塗る。
  3. 3の上に1と2を交互に並べ、こしょうとドライバジルをかける。

柔らかい鶏むね肉とアボカド&トマトをヘルシーなサンドイッチに!パパッと作れるのに栄養も満点!時間がない日の朝ごはんにもオススメです。

 

 

切り方、温度、時間の3つのポイントを守ることで「本当にあのお安い鶏むね肉なの……?」と思うほど柔らかくてジューシーになります。

そのまま焼いたり煮たりするだけでは味わえない驚きの食感、ぜひ試してみてくださいね!

 

 

著者プロフィール

著者 金 英貨(キム ヨンハ)
フードコーディネーター. 料理研究家

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1977年8月19日生まれ。韓国出身。
レシピ開発、調理、フードスタイリング、撮影に至るまで全てを手がける。企業が制作するコンテンツ、書籍や雑誌、レシピ動画、web媒体などのフードコーディネーターとして活動中。韓国料理を得意とし、家庭料理からおもてなし料理までレクチャーする料理教室の講師もつとめている。著書に『大好き!韓国ごはん』(ナツメ社)がある。

                             
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