こんにちは!炒飯が好きすぎる管理栄養士の佐藤樹里です。
どれぐらい好きかと言いますと、炒飯巡りをしたり、炒飯作りの修行に出たり(詳しくは後ほど)、炒飯好きによる炒飯好きのための炒飯会を開いたり……炒飯のことばかりを考える毎日です。
そんな炒飯尽くしの生活の中で気づきました。炒飯は、奥が深い。
下町中華屋さんの素朴な味もあれば、高級店のような端正な味もあり、パラっとしているのか、しっとりしているのか、使われている具だって様々。人によって好き嫌いはあると思いますが、どの炒飯も素晴らしい。そう私は思います。
どの炒飯も素晴らしいことには違いないのですが、今回は炒飯大好きな私が都内の美味しい炒飯を5店舗、厳選しました!
東京には美味しい炒飯が多々あり、選ぶのも本当に苦労しました……。今回紹介できなかったお店については、またの機会にお伝えします!
ということで、さっそく紹介します!
慶楽の炒飯三兄弟にもはや感動レベル
※こちらのお店は2018年12月末に閉店しました。
まず紹介したいのは、有楽町にある老舗「慶楽」。有名店かつ人気のお店なので、お昼時は並ぶこともありますが、やっぱり炒飯がうまいんです!
お店について秒速で注文したのは、炒飯ランチ、蟹炒飯、スープ炒飯の炒飯三兄弟!(私が勝手に名付けただけです)
豪華すぎるぞ炒飯ランチ
まずは「炒飯ランチ」(1,230円)!炒飯に日替わりのおかず、ゴマ団子、ザーサイがついてこのお値段。ワンプレートなので楽勝に見えますが、実際は超ボリューミー!
この日のおかずは、黄色が鮮やかなオムレツに、牛肉と野菜のオイスター炒め。超豪華メニューじゃないですか……?
ここで、炒飯にふわとろなオムレツをのせたい欲が沸々と湧いてきました。
卵オン炒飯はもうずるい!うまそぉぉぉぉ!!!
と、自分で卵を炒飯にかけておきながら興奮を隠しきれません。
一口食べると、玉子の旨味が口の中にぶわっと広がり、とろっと溶けていきます。
ハートにずきゅん……!
炒飯のお米一粒一粒が半熟玉子に包まれていく感じ、たまりません。炒飯自体がすでに美味しさ爆発なのに、このオムレツは反則……!
私は恐ろしいものを産み出してしまった……自分が怖い。
名物スープ炒飯と、メニューには載っていない蟹炒飯が極上
「蟹炒飯」(1,030円)はメニューに載っていないので、注文の際に店員さんに聞いてみてください!
海鮮の豊かな香りが鼻に直撃。見るからに米粒ひとつひとつが自立しているのがわかる。立ち振る舞いが美しい。
これは……期待大です(ゴクリ)。
むはぁー!これやばい本当おいしい!!!
ぱらっとして、ふわっと口の中にお米が広がり、さらっと楽しめる。
「ぱらっふわっさらっ」と、炒飯3大擬音(勝手に決めました)を満たしてくれるこの炒飯。思わずそっと目を閉じて味を噛み締めてしまいます……至福。
そしてこちらは、慶楽の鉄板メニュー!「スープ炒飯(上湯炒飯)」(1,030円)です!
※このメニューについては以前もこちらの記事で紹介されていました!
なんですか、この艶感……!
炒飯はパラパラこそ命、それをスープに浸すとかどうなの……?と思っていた私ですが、いざ目の前にすると前言撤回したい。
少しとろみがあるのかなと思いきや、サラサラっとした鶏出汁スープです。お見苦しいですが、私のリアクションとともにご覧ください。
スープ!すげえええ!こんなの初めて!!
むむ!米粒がスープに乗ってやってきた!
くーーーーー!これだなあ!うまい!!
と、まるで1杯目のビールを飲んだサラリーマンのような表情になってしまいます。
さらっとしたのどごしで軽やか、それでいて味わい豊かなスープに、繊細でぱらりとした炒飯が通っていきます。これはね、このスープ炒飯を目当てに通う人の気持ちもわかりますわ……!
慶楽は、JR有楽町駅日比谷口を出て、線路沿いすぐのところにあります。日比谷駅、銀座駅なんかからも歩けますよ。
外観は赤色で統一されており、長い歴史を感じさせる趣ですね。
お料理が美味しいのはもちろん、店員さんのお母さんたちがみんな本当に優しくて、なんだかホッとした気持ちになります。
有名店ですが、まだ行ったことのない方、スープ炒飯ののどごしに「くーーーっ!」となってみたい方、ぜひ訪れてみてください!
※こちらのお店は2018年12月末に閉店しました。
【閉店しました】神保町の鉄板チャイニーズバル「Cava?」の鉄板炒飯に魂を揺さぶられた
※2018年8月にこちらのお店は閉店されたそうです。
四川料理の達人でもある人長料理長(ひとおさ料理長)が作っている本格メニューをバルスタイルで楽しめるこちらのお店。「Cava?」で「サヴァ?」と読みます。
冒頭でお伝えした炒飯修行、実はこちらの人長料理長のもとで勉強させていただいておりました。
一度こちらのお店にお客さんとして来た際、人長料理長、もとい炒飯師匠の鍋振りを見て、「この人のもとで学びたい!」と思ったのがキッカケです。あれを初めて見たときの感動たるや……!
修行期間は半年ほどと短い間でしたが、炒飯というシンプルな料理の奥深さを垣間見ました。時間との戦い、そして火と米と卵との勝負……ほんっとに底なしの奥深さです。そして、この修行を経て、私は改めて炒飯を大好きになったのでした。
思わず弟子入りをお願いしちゃうほどの最強炒飯はこちら!Cava?の「鉄板炒飯」(860円)です!
特製のタレにつけた自家製のチャーシューと卵、ネギというシンプルな炒飯です。
できたての芳しい香り。お米の一粒一粒が光り輝く美しさ。見た目や匂いからも胸が高鳴ります!
ぜっっっぴん!
……毎回絶品すぎて、なにも言葉がでません。
しっとりの中にもパラパラな食感。
この絶妙なパラパラ加減とお味。一口食べたら二口目、三口目、と永久に止まらなくなりそうです。シンプルかつ深みがあって、ほのかに醬油が香る……この味はどうやったら出せるのでしょう。毎日でも食べ続けたい。
店内はオープンキッチンで、カウンター席に座ると目の前で調理シーンを見られます。思わず見とれてしまう鍋振りをとくと目に焼き付けてください!
あぁ、この爽快な鍋振りのリズムをずっと聞いていたい……。
こちらのお店、炒飯だけじゃないんです。
炒飯にも合うおすすめメニューが「本格四川の麻婆豆腐」(980円)です。
3種類の豆板醤をブレンドしており、正直かなり辛い!しかし、花椒の香りが強く、旨味が深い辛さなので、食欲をさらにそそってくるのです……!
人長料理長がこの麻婆豆腐にたどり着くまでに、なんと10年の年数がかかったそうです。そんな努力の結晶を1皿980円でいただいていいんですか……?
炒飯と麻婆豆腐が目に前にあれば、やることはただ一つ。
オンザライス。炒飯に麻婆豆腐をかけて、オリジナル麻婆炒飯です。
これ、控えめにいっても美味しすぎて鳥肌が立つレベル。炒飯のシンプルな味に、あとから麻婆豆腐の山椒の辛みが追いついてくる。
シンプルな炒飯だけでなく、季節限定のものもあります。
こちらは5~6月の「桜えび炒飯」(1,500円)です。一口食べて、鼻に抜ける爽やかな香りに腰を抜かします。
その爽やかさの秘密は、青山椒。
山椒好きのわたしはまんまとハマってしまいましたよ……。スプーンが止まらない、止まらない。初夏を感じさせるような桜えびと炒飯とのコラボです。
「よだれ鶏」(780円)もかなりオススメの一品。
本当によだれが止まらないほどの美味しさです。ピリ辛のタレと、しっとりと柔らかい鶏が口の中で交わると幸せホルモン大放出。
お店は神保町駅からすぐのところにあります。
中華とは思えないおしゃれな店内なので女子会にもピッタリですよ!
一度食べたら忘れられない!そんな炒飯を食べたい方はぜひ訪れてみてください。
※2018年8月にこちらのお店は閉店されたそうです。
吉祥寺「みんみん」のシンプルあさり炒飯に大満足
お次にやってきたのは吉祥寺!ハモニカ横丁にある「みんみん」です。
初めて訪れて以来、「珍しい具材でめちゃくちゃ美味しい炒飯」のお店として、ずっと記憶に残っています。
こちらで食べてほしいのは「あさり炒飯」(720円)です。
炒飯に、あさりですと……!?
何杯も炒飯を食べてきたし作ってきましたが、みんみんに来るまで、あさりを入れようと思ったことなどなかったのです。初めてこの組み合わせに出会った私は、かなりの衝撃を受けました。
あさり以外の具材は、卵・チャーシュー・グリンピースというシンプルさ。
一口すくってみると、輝く米粒の中にぷっくりとしたあさりが顔を出しています。
目の前にコレが出てきたら、もう我慢ができない!さっそくいただきますー!
サラッふわぁ~!!!
米粒がサラッと軽やかに、そしてあさりの磯の風味が口の中にふわっと広がります。
あさりだけにあっさりしていそうな見た目ですが、味はしっかりしています。思わず親父ギャグが漏れ出てしまうのも昭和の雰囲気のせいでしょうか……?(違う)
これはヤミツキ間違いなしですね……やっぱり炒飯って素晴らしい。
見た目に反してボリューミーで、ぎゅぎゅっと詰め込んである炒飯をレンゲでかき分けるたび、あさりがザクザクと出てきます。こんなにいっぱい入ってていいの?
まるで潮干狩り……。
鍋振りもすかさずチェック。お米と卵が鍋の中で合わさるこの瞬間が本当にたまらんのですよね!
ここまであさり炒飯をガッツリ紹介してしまいましたが、実はみんみんは餃子専門店。「餃子」(470円)もかなり美味しいので、炒飯とセットで注文するのがオススメ!
餃子の皮は表面がカリッとしているのですが、噛むともちもち。餡は野菜多めかつニンニク強めで炒飯もわしわしと進みます。
お店は吉祥寺駅すぐのハモニカ横丁を入った狭い路地にあります。
黄色と赤の看板がとても目立つのですぐにわかりますね。昭和な雰囲気を感じてみてください!
小平「香港屋」の炒飯がコスパよすぎて毎回幸せになる
小平といえば、炒飯です。
小平とは東京西部、多摩地域の北部にあり、西武新宿線が通っています。近くに住む方以外はあんまり行く機会もないかもしれませんが、どうしてもこのマイ・パワー炒飯スポットだけは紹介させてほしいのです……!
炒飯好きの知人と、炒飯ばかりを食べる“炒飯の会”を開催しよう!ということになり、こちらのお店に訪れたのが最初のきっかけです。それ以来、ここのコスパの良さ、そして炒飯の美味しさに魅せられてしまいました。
それが駅前の「香港屋」。さっそくいってみましょう!
ドドーン!
こちらは王道の「五目炒飯」(730円)。卵、グリンピース、コーン、真ん中に海老というシンプルな炒飯です。
何がスゴいって、これ、量がハンパないんです。軽く2人分はあるんじゃないかっていう。これで730円は安い!!!
もちろん量だけじゃありません。
一口いただいてみると……パラパラすぎず、しっとりすぎずのちょうどいい塩梅!コーンの甘みも素晴らしい!
こちらは「レタス炒飯」(680円)。見てくださいよ、この美しい山を……!
レタスのシャキッとした食感に、卵のふんわりとした食感が合わさり、シンプルに美味しい。味付けもほどよく、油は重すぎない。無限ループで食べられそうな加減がたまりません!
そして「肉入り高菜漬け炒飯」(730円)。
香港屋の炒飯はどれも美味しいのですが、この高菜炒飯がとにかくめっちゃ美味しいんです!!!
漬け物が入っているとしょっぱくなりすぎることも多いですが、ここの高菜漬け炒飯は常に絶妙なバランスを保っていて本当に美味しい。
とろっとした鶏ガラベースの卵入り中華スープも◎。
「焼き餃子」(330円)もオススメ!
これがまた大きいんです……!330円でこんな大ぶり餃子5つって大丈夫?
3種類のチャーハン達の相棒となる、良きまとめ役。おっきくてモチモチした皮にジューシーなお肉がたっぷり詰まっています!
お店は小平駅北口から徒歩30歩という駅近すぎるところにあります。目立つ赤い看板があるので、駅から降りるとすぐに目につきます。
周りを気にせず、気の置けない仲間たちとワイワイ食事したいときにもピッタリ。
小平に足を運んだことがない方も、炒飯好きならば、ぜひここの香港屋を訪れてみてくださいね!
浅草華春樓の下町しっとり系炒飯に心穏やかになった
最後にオススメするのはこちら!浅草の「華春樓(かしゅんろう)」です。
炒飯といえばパラパラ一択!という人も多いのでは?しかし、こちらの炒飯はしっとり派。そして、パラパラ派も思わず改宗を考えるほどの美味しさなのです(ソースは私)。巷ではしっとり派勢力も根強いですが、それも納得してしまう。
さっそく堪能してみましょう!
定番!「五目炒飯」(630円)きました。
たまーにチャーハンにある油ぎっとぎとテカテカ感はありません。具も、卵、チャーシュー、グリンピースといたってシンプルな炒飯です。
しっとり……!
一口食べた感想は、本当にこれに尽きます。
口に入れた瞬間、しっとりとしたお米の重力を舌で感じることができます。このしっとり感は、油をしっかりと飛ばすことで実現するそうです。
こちらは「牛肉入り四川風炒飯」(800円)。地元の常連さんからも人気の炒飯です。
こちらはしっとりとしつつも、ふんわり。米粒が口の中でふわ~~~っと広がります。
甘辛な味つけがクセになる~!後からピリッと辛さがやってくるのですが、そのおかげで一口、また一口、とレンゲが止まらなくなります。牛肉や野菜にも旨味が凝縮されていて3倍美味しい!
炒飯に合うものといえば、お店イチオシの「水餃子」(600円)です。
醤油ベースのタレをかけて、つるっといただきます。むちっとした皮がうんまい。ニンニクが効いた野菜の餡もシャキシャキ新鮮で美味しい!炒飯と本っ当によく合います。最高の組み合わせ!
下町感溢れる華春樓は、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩2分の所にあります。浅草寺方面とはちょっと違うのでご注意を。
外観はめっちゃ高級感溢れていますが、下町の中華屋さんのようなお値段なので気軽に入れますよ!
炒飯といえばしっとり派という方はもちろん、パラパラ派の人も!こちらのお店で、炒飯の奥深さを垣間見てはどうでしょうか?
全店舗それぞれの炒飯があり、味付けも調理方法も全てが全く異なり、一つとして同じ炒飯がないことがわかります。本当に、炒飯は奥深い……。
炒飯を作る人々はなぜか心優しく穏やかな人が多いです(筆者調べ)。そう、炒飯好きに悪い人なんていないのです……!
ぜひこれからは炒飯に注目していただき、それぞれのお店のいろいろな炒飯の個性をお楽しみください!この記事が良き炒飯ライフのお役に立てれば幸いです!
著者プロフィール
佐藤樹里
水泳インストラクター兼管理栄養士として勤務。その後フィリピン・カナダへ約1年渡航。現地のブランチレストランでカナダ人のシェフと共に働く。帰国後はアスリート向けの食堂と老人ホーム厨房にてWワークを経て独立。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポート、低糖質で高タンパク質の“食べるプロテイン”レシピ作成などを行う。
アスリートの明日とDREAM(夢)を叶える!アスドリファクトリー代表。
[オフィシャルブログ] http://asudorifactory.com
[twitter] http://twitter.com/jurijapan1
(企画編集:河瀬璃菜)