東京の西にある東村山市では現在、豪華賞品が当たる「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」を9月30日まで開催している。
「食べ歩きと言っても、焼そばばかり、そんなに食べられないよ」と多くの人は思うだろう。しかし、ご安心を。参加している市内の飲食店の中には、寿司屋やフランス料理店、イタリア料理店、バー、うどん屋、ラーメン屋などがあり、「東村山黒焼そば」と言いつつもなぜか焼そば以外の様々なメニューがあるからだ。
今回はその中の一部を紹介しよう。
焼そばもいろいろ
「東村山黒焼そば」が登場したのは、2008年のこと。地元のソース会社「ポールスタア」が「街の活性化につながる新しいご当地名物をつくりたい」と「東村山黒焼そばソース」を開発。「東村山黒焼そば」をご当地名物にするため、市内の飲食店に呼びかけて2009年から食べ歩きキャンペーンをスタートさせた。キャンペーンは今回で7回目となる。
このキャンペーンの面白いところは、参加条件がたった1つだということだ。
「東村山黒焼そばソース」を使うこと。
これさえ満たしていれば、焼そばでなくてもOK。
だからスタート当初からいろんなジャンルの飲食店が参加し、様々なメニューが登場した。
とはいえ、一応「東村山黒焼そば」がどういうものであるかは紹介しておかないとね。
まずは西武新宿線の久米川駅北口から徒歩8分ほどのところにある定食屋「ごはん家さくら木」の「東村山黒焼そば」（700円）。
メインの黒焼そばに味噌汁と小鉢、メロンまで付いて700円はなかなかのコストパフォーマンスだと思う。何よりも黒焼そばが旨そうだ。
「東村山黒焼そば」はソースが少しスパイシーで、普通の焼そばより味はいいのだが、問題は見た目。
普通の焼そばをつくる感じでソースだけを「東村山黒焼そばソース」に変えると、真っ黒になり美味しそうに見えなくなってしまう。
何と言っても、この色だからねぇ。
「黒焼そばは味で勝負だ」とそのまんま出すお店もあるが、少しでも食欲をそそるビジュアルにしようと、紅生姜や白髪ネギなどを添えて彩りを豊かにしたり、玉子焼きで包んでオムそばにしたりと工夫を凝らすお店が多い。
「東村山黒焼そば」とひと口に言っても、お店によって出し方はいろいろなのだ。
「ごはん家さくら木」の場合は目玉焼きが乗っているんだけど、これがいい味変になるんですよ。
黒焼そばに崩した黄身を付けて食べると……。
旨いッＯ(≧∇≦)Ｏ！！！
「ごはん家さくら木」の「東村山黒焼そば」は太麺で豚肉がたっぷり入っているけど、お店によっては細麺を使ったり、沖縄そばに使う平打ち麺を使っているところもある。また具材も海鮮系にしたり、あんかけ風にしているところもある。
焼そばメニューだけでも、バリエーション豊かなのに、焼そば以外のメニューあるから、「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」は奥が深いんだよね。
嘘だろ……パスタにも合う！
焼そばと言うと、使うのは中華麺だけど、この「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」の参加条件は「東村山黒焼そばソース」を使うことだけなので、中華麺じゃなくてももちろんOK。
うどんを使うお店もあれば、日本そばを使うお店もあるし、中華麺を使うにしても焼そばではなく、つけ麺のつけ汁に入れて使うお店もある。
当然ながら、パスタに「東村山黒焼そばソース」を使っているお店だってある。西武新宿線の東村山駅東口から徒歩1分のところにあるフランス料理店「リヴィエル・ドール」がそのお店だ。
そしてこれが「東村山黒カルボナーラ」（970円）。
通常のカルボナーラにオリーブオイルをあわせた「東村山黒焼そばソース」を彩りとしてあしらっている。
ほかのお店が黒焼そばの弱点である「黒いビジュアル」をどう払拭させるかに腐心しているのに、それを逆手にとって黒を彩りとして使うところが憎い。
見てくださいよ、アップにも耐えられるこのビジュアル。美味しそうじゃないですか。
まあ、ソースを付けてフォークで巻き取ると、
こんな風に小汚い色になっちゃうんだけど、味の方は……。
旨いねぇ(´ ▽｀).。ｏ♪♪
普通のカルボナーラよりイケる。お店の人の話によると、「東村山黒カルボナーラ」は人気メニューで、最初から混ぜて食べる人もいれば、ソースのかかっていない普通のカルボナーラを楽しみつつ、時折ソースを付けて味を変えて食べる人もいるのだとか。
ほらほら、だんだん「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」が気になってきたでしょ。だけど、このキャンペーンの奥深さはこんなものじゃないですよ。
麺類以外のメニューも!?
今回7回目となる「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」に1回目から参加してるのが、久米川駅北口から徒歩10分のところにある寿司屋「ダイヤ寿司」だ。寿司屋だから出すメニューは麺類じゃない。過去6回、「黒いカリフォルニアロール」や「黒皮稲荷」などご飯を使った異色メニューを出してきたこのお店。
7回目の今年のメニューはというと……。
「黒いタコ焼き寿司」（500円）。焼いたタコを乗せてひと口サイズの手まり寿司にしたものの上に「東村山黒焼そばソース」をかけ、その上にフレーバーとして右からネギ、ユズ、「超七味」（「ポールスタア」の商品で、しっとりタイプの七味）が乗っている。
お店の若大将の説明によると、右のネギから順に食べていくといいらしい。
言われた通りに食べると……。
旨いねぇ(´ ▽｀).。ｏ♪♪
タコの食感と「東村山黒焼そばソース」のスパイシーさ、そして酢飯の旨さが絶妙。そこにアッサリとしたネギ、サッパリとしたユズ、そして最後はピリッと辛い「超七味」のフレーバーが加わる。いやあ、これは飲んだ〆にもいいし、ちょっとしたツマミにもなる。
この「ダイヤ寿司」のように、麺類以外にピザやそば飯、オムライスやさつま揚げなどに「東村山黒焼そばソース」を使ってキャンペーンに参加しているお店はほかにも数多くある。「東村山黒焼そば」を使った焼そばパンを出すパン屋さんもある。
本当にいろいろなメニューがあるから、「飽きる」なんてことはなく、楽しく食べ歩くことができるんだよね。
この「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」が大げさでなく、“食の異種格闘技大会”であること、「ガッテン」していただけただろうか？
市外の人に食べて欲しい
大体、どこのご当地名物でも「この食材を必ず使うこと」「こういう作り方をすること」といったレギュレーションが細かく決まっているものだが、「東村山黒焼そば」にはそれがない。「東村山黒焼そばソース」を使っていれば何でもアリだ。これほどバラエティー豊富なご当地名物は、ちょっとないと思う。
その辺の事情とこれからの展開について、「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」の仕掛け人である「ポールスタア」の桜井憲一社長に話を聞いてみた。
――キャンペーン参加条件として、料理を焼そば限定にしなかったのはどうしてなんですか？
桜井 地元を盛り上げるために始めたキャンペーンなので、まず何よりも多くのお店に参加してもらうことが大切だと思ったんです。おかげで、こちらが考えもしなかった意外なメニューにソースを使ってもらい、楽しいキャンペーンになったと思います。
――一時は100店を超える参加があったのですが、昨年あたりから参加店が減って、今年は83店。参加を取りやめるお店が増えているのでしょうか？
桜井 もちろん、そういうお店もありますけど、実は閉店してしまったお店が多いんですよ。景気はまだまだ厳しいですからね。それだけにもっとこのキャンペーンを盛り上げなきゃと思い、今年は西武線に中吊り広告を出しました。
――効果はどうですか？
桜井 正直なところ、よくわからないです。でもこれまでは、地元の人に地元の飲食店で食べてもらおうと、東村山市内に向けてPRしてきたのですが、これからは市外の人にも食べに来てもらわないとダメだと思うので、今後も市外に向けて積極的にPRしていこうと思います。
最後に「東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン」についてちょっとおさらい。
期間は9月30日まで。参加店で「東村山黒焼そばソース」を使ったメニューを食べるとポイントシールがもらえる。それを指定のカードに貼り、10ポイント集めると「ポールスタア」の直売所でもれなく「東村山黒焼そばソース」と引き換えることができる。
さらにその10ポイント集めたカードが応募券となり、抽選で10人に「アサヒビール賞」として「スーパードライプレミアム」１ケースが、5人に「ポールスタア賞」として2万円分の全国百貨店共通商品券が当たる。
詳しくは「ポールスタア」のホームページを見て欲しい。
東村山黒焼そば食べ歩きキャンペーン 東村山駅周辺 | ポールスタア オンラインショップ
楽しく食べ歩いて、さらにビールや商品券が当たるチャンスもある。これはお得なキャンペーンだと思うよ。しかもここだけの話、このキャンペーンの抽選で当たる確率は、一般的なプレゼント当選確率よりかなり高いそうだ。まずは今回紹介したお店を皮切りに、いろいろと食べ歩いてみてはどうだろうか。
紹介したお店
ごはん家さくら木
住所：東京都東村山市本町4-12-19
電話：042-395-2122
営業時間：11:45～20:00（L.O.19:45）
定休日：日曜・祝日
リヴィエル・ドール
住所：東京都東村山市本町2-6-27
電話：042-395-5122
営業時間：11:30～14:30（L.O.14:00）/17:00～22:00（L.O.21:00）
定休日：月曜
ダイヤ寿司
住所：東京都東京都東村山市栄町1-16
電話：042-393-0162
営業時間：11:00～15:00/17:00～23:00
定休日：水曜
ポールスタア
住所：東京都東村山市久米川町3-28-2
電話：042-395-0554
http://www.pole-star.co.jp/shop/
著者：薄井政美
食べ歩くのが好きな中年オヤジ。志村けんでおなじみの東京都東村山市に限定した超ピンポイントのグルメ情報サイト「東村山グルメ日記2」を不定期更新中。
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