「峠の釜めし」をツマミに、地元向けの「普通酒」を楽しめる最高の立ち飲み屋が有楽町にできてしまった

有楽町の高架下、ビックカメラの向かいに、「峠の釜めし」をツマミに、地元向けの「普通酒」を楽しめる最高の立ち飲み屋「荻野屋弦」がオープンしました。これが最高なんです。テーマは、群馬・長野と東京を結ぶこと。峠の釜めしの「アタマ」(=鶏肉、椎茸、筍、牛蒡、杏、栗、うずらの卵、グリンピース、紅生姜、香の物)をつまみに、群馬や長野の地元で愛される「普通酒」(=本醸造酒や純米酒、吟醸酒や大吟醸酒みたいな特定名称酒ではない酒のこと)をいただきます。もちろん他のおつまみも、松本の地ビールもオリジナルサワーも絶品です。有楽町に来た際にはぜひお立ち寄りを。(有楽町・日比谷のグルメ居酒屋

「峠の釜めし」をツマミに、地元向けの「普通酒」を楽しめる最高の立ち飲み屋が有楽町にできてしまった

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峠の釜めし」のアタマで飲める立ち飲み屋が有楽町にオープン

信越本線横川駅の人気駅弁「峠の釜めし」を製造販売する荻野屋が、東京の有楽町駅高架下にイートイン併設型の新店舗「荻野屋 弦(げん)」を3/26にオープンした。あの釜めしを気軽に食べられるだけでも嬉しいが、この店はただのイートインに留まらない。

夜の営業(16時~)では、釜めしの具や群馬・長野の食材で作る一品料理をアテに、都内ではまず飲めない地元向けの普通酒がいただける、立ち飲み屋スタイルになるのだ。

釜めしの具がご飯に合うのはもちろんだが、実は酒のつまみとしても優秀なのではと思っていたのだが、想像以上に相乗効果のある組み合わせだったことを熱く報告したい。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024726j:plain有楽町駅の高架下、中央西口と国際フォーラム口の間のビックカメラ向かいにあります。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024736j:plain高架下のアーチが弓型なので店名は「弦」。弦にはツルの意味もあり、群馬・長野と東京を結ぶことがテーマの店だ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024747j:plain店頭では「峠の釜めし」を始め、各種弁当が販売されており、店内で食べることもできる。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024815j:plainこの店限定の上州牛などが入った「弦」という釜飯も。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024750j:plain大きなドアが開かれた路面店なので換気は抜群。ちょっとビックカメラがうるさいけど、それもまた味。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024804j:plain落ち着きと清潔感のある店内。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024807j:plain釜めしをアテに酒が飲める日が来るなんて。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025410j:plain会計は注文ごとだが、現金だけでなくSuicaも使える。チャージをしてから入店しよう。

 

ひと手間掛けた釜めしの具はここだけの味

この日のメニューを確認すると、ほとんどの料理が400円とリーズナブル。立ち飲み屋の定番であるマグロの刺身やしめ鯖などの海産鮮魚系は一切なく(ぎんひかりは淡水育ちのニジマスだし酒盗は保存食なのでセーフ)、そのことがとても嬉しくなる。

荻野屋直営ならではの魅力的な茶色い料理が揃っていて、ここまで来た甲斐をしっかり感じさせてくれる。本当にここはビックカメラの前なのかという旅情の濃さだ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024932j:plain自分だったらどれを頼むかイメトレしてください。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024959j:plainアタマ一式だと多いという人には、釜めしの具材からお好みで2品選ぶという二点盛りも。

 

料理のコンセプトを店長から伺った。

店長:「釜めしのアタマで、あるいは具をアレンジした単品料理で、地元の普通酒が飲める店です。釜めしの具材をおつまみに展開した商品が売りですが、それ以外にも群馬・長野の食材や食文化を伝えることをテーマに、随時メニューを入れ替えつつ用意しています。

コロナ禍でなかなか旅行にいけない中、群馬・長野の味を東京で楽しんでいただきたい。おかげさまで『釜めしの具材で酒を飲みたかった』というお客様から好評をいただいています

器は釜めしと同じく益子焼。つまみ用に浅い釜皿をオーダー生産しました。釜めしの容器だけは持ち帰りできますが、他は残念ながら持ち帰りはできません。ただ記念に欲しいという声が予想以上に多いので販売を検討中です」

 

それでは張り切って注文させていただきます!

f:id:tamaokiyutaka:20210416025042j:plain大中小の釜、そして「有楽町駅」と書かれた専用の釜皿で提供される。釜皿の存在を知らないで写真だけ見ると、カウンターに穴が開いているように見えるかな。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025049j:plainこれは欲しくなる皿だ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025059j:plain看板メニューは釜めしのアタマ。これで酒が飲めるのって最高じゃないですか。

 

釜めしのアタマはその組み合わせで完璧なチームになっているが、単品では酒のアテとしてちょっと弱い。

その弱点を補って一品料理として成立するように、ひと手間加えたツマミの魅力がすごかった。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025137j:plain釜めしとは色が違ううずらの煮卵。酸味の効いた醤油ダレに漬けてあり、クセになる味なんですよ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025218j:plainしかも半熟で驚いた。人気商品だというのも納得の味。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025156j:plain釜めしではデザートを担当する杏子は、ガーリック風味のクリームチーズを載せることでツマミへと昇華。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025159j:plain表面を軽く炙ることで香ばしさをプラスしたしいたけもいいんですよ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025112j:plain漬物盛り合わせは、牛蒡、小茄子、山葵漬け、胡瓜のパリッコ漬け、梅干しに、いぶりがっこを追加招集したオールスターだ。

 

群馬・長野の食材と食文化が味わえるツマミの数々

このように釜めしのアタマとそのアレンジだけでも十分満足できるが、随時入れ替わるという群馬・長野の食材を使ったツマミもいただこう。

気軽に旅行へ行けない悔しさを、800円の牛とマスにぶつけようではないか。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025227j:plain産地日替わりの上州牛・信州牛のローストビーフ。程良くサシの入った牛肉が最高なのはもちろんだが、山葵漬けに醤油を練り込んだタレがびっくりするうまさだった。これだけで飲めるな。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025236j:plain低温調理された上州産マス「ぎんひかり」はしっとりした口当たり。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025242j:plain野沢菜おやきと季節野菜のトマト煮という嬉しいセットも。これで400円は安い。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025248j:plain柔らかく煮込まれた上州牛すじ煮込みはご馳走の味。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025257j:plainさっぱりした砂肝の辛子和えも嬉しい一皿だ。

 

地元で消費される普通酒がうまい

これらをツマミに飲む酒といえば、やっぱり群馬・長野の地酒である。この店で提供しているのは「普通酒」と呼ばれる酒がほとんどで、値段も一合400円と安い。

弦の店舗設計やロゴデザイン、さらにはメニュー開発や酒選びにも携わった渡辺史門さんに、あえて普通酒を選んだ理由を伺った。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025358j:plain渡辺史門さん。新日本プロレスでUSヘビー級王者のジョン・モクスリーが次期挑戦者に永田裕志を指名した話で盛り上がった。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416024921j:plain群馬と長野の日本酒が並ぶドリンクメニュー。普通酒以外ももちろんある。

 

渡辺:「まずは谷川岳からどうぞ。飲みやすい順に並べると、谷川岳、真澄、貴娘の精撰、善哉あたりかな。とにかく飲み比べてください。群馬、長野の酒蔵を巡って飲んで選んだ、お勧めの地酒ばかりです。

品評会で賞を取るような大吟醸もうまいけど、釜めしのアタマみたいに素朴な食べ物と合うのは普通酒。相性抜群。普通酒っていうのは、本醸造酒や純米酒、吟醸酒や大吟醸酒みたいな特定名称酒ではない酒のこと。

アルコールを添加してあるし、精米歩合も粗いけれど、だからといって昔の安酒とは全然違う。酒蔵の人に話を聞くと、実は一番飲んで欲しい酒であり、ずっと飲み続けて欲しい、飲み飽きしない酒だったりする。

地元の人が飲むために地元の酒屋が売る、本来なら現地に行かないと飲めない酒。だからある意味、普通酒こそが酒蔵の看板かもしれない。地元で恥をかきたくないから、これこそ酒蔵の覚悟と姿勢が見える酒なんです。

ひや(常温)は抜栓してから寝かせて熟成させたもの。冷酒は抜栓したてのフレッシュなもの。このこだわりも書いておいて!」

実際に飲んでみると、研ぎ澄まされ過ぎていない普通酒が、この店の茶色いツマミと最高に合う。普通にうまい。普通最高。フォーエバー普通。

酒単体で味わうのであれば、もっとうまいと感じる酒もあるのだろうけれど、釜めしのアタマで飲むなら群馬・長野の普通酒だ。有楽町の一等地で一合400円という値段も素晴らしい。

なんて書いてみたけれど、松本の地ビールやオリジナルサワーを飲むのももちろん自由。気軽に飲める、お気に入りの店がまた一つ増えた。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416062307j:plain都内でこのラインナップで酒瓶が並ぶ飲み屋はおそらくここだけ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025513j:plain景気よく釜にこぼされる釜酒。これを純米大吟醸でやると下品だが、普通酒だと味わいになる。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025438j:plain1.5合、2.5合だと釜に直接注がれる。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025521j:plain永井酒造の谷川岳。すっきりと飲みやすい酒。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025535j:plain宮坂醸造の辛口ゴールド真澄。人気の酒蔵だけあって完成度がすごい。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025527j:plain貴娘酒造の貴娘精撰。普通酒の醍醐味が味わえる力強さ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025603j:plain善哉酒造の善哉菊印を釜で。カカオの風味がちょっとする不思議な味。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025329j:plain松本ブルワリーの地ビールも揃っている。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416093541j:plain美峰酒類の甲類焼酎、マラソン侍はストレートでもおいしいそうです。群馬県の安中はマラソン発祥の地という説があるとか。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025615j:plain釜めしに使われる杏子のエキスを酒で抽出して、炭酸で割った荻野屋サワーもオススメ。

 

f:id:tamaokiyutaka:20210416025630j:plain想像以上に楽しい店でした。

 

お土産に限定の釜めし「弦」を買って、帰ってから具をつまみに軽く飲みなおし、ご飯を翌朝に食べようと思っていたのだが、うっかり買わずに帰ってしまった。

また近いうちにこなくては。

 

紹介したお店

荻野屋「弦」
東京都千代田区有楽町2-9-8 JR東日本有楽町駅高架下
【エキュートエディション有楽町】内

TEL:03-6810-0211

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。  

著者プロフィール 

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玉置標本
趣味は食材の採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は古い家庭用製麺機を使った麺作りが趣味。

ツイッター:@hyouhon
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