こんにちは。指圧師の斎藤充博です。
今やラーメン界における一つのジャンルとなった「二郎インスパイア系ラーメン」。通常の二郎系ラーメンはカウンターのみで、周りに気を遣いながら食べることになります。行くのにちょっと緊張しちゃいますよね。
ところが、秋葉原に「完全な個室で二郎インスパイア系ラーメン」を食べることができるお店があるのです。
それは「パセラ」
今回来たのは、カラオケボックス「パセラ」の秋葉原昭和通り館だ。カラオケボックスなので全ての部屋が完全に個室。そこで二郎インスパイア系ラーメンを出しているという。
ぼくは今までに一度くらいしか二郎系ラーメンを食べたことがない。そんなぼくでも安心して食べることができるんじゃないか。
パセラの二郎なので「パ郎」という名前が付いてる。立て看板でも猛烈にプッシュだ。
さっそく入ってみましょう。
秋葉原のパセラは一味違う
パセラは通常アジアンテイストの内装だ。しかし、ここ秋葉原昭和通り店だけは別。入っていきなりあるのが、レトロゲーム機の展示だ。
さすが、秋葉原! それにしても、ぼく(1982年生まれ)からすると、これは見ているだけでよだれが出てくるコレクション。
ディスクシステム!
ツインファミコン!
元祖PCエンジン!
ファミリーコンピュータロボット!
本題と関係ないところで興奮しすぎた。まだ1階の階段の手前にあるちょっとしたスペースである。気を確かに保たなくてはいけない。ぼくは二郎系ラーメンを食べに来たんだ。
エヴァンゲリヲンルームで誰でも碇ゲンドウに
通されたのはエヴァンゲリヲンルーム。こうしてみると初号機の顔って恐いな。
対応してくれた小林店長。どうでもいいが、この部屋だとちょっと顔に手を当てるだけで碇ゲンドウっぽく見えてきていい。
――なぜカラオケ店で、二郎インスパイア系ラーメンをだしているんですか?
店長「そもそも私がラーメン大好きな人間で、ラーメン食べ歩きのブログをやっています。カラオケ店に自分の色を出そうと思ったときに『二郎インスパイア』を出せばおもしろいかなと思ったんです」
――パセラの店舗の中で、二郎インスパイア系ラーメンを出しているのはここだけですか?
店長「今はここだけですね。前はお茶の水店、御徒町店、赤坂店でも出していました。ちなみに全部私が店長をしていた店で、私の在籍中に出していたんです」
――え? じゃあ、どの店も店長が転勤したら、もうやらなくなっちゃうんですか?
店長「……そうなりますね」
――不人気メニューを店長のわがままで出している?
店長「いや、不人気ではないですよ。
当初はカラオケ店が『二郎系ラーメンを初めて出した』ということで、ラーメン評論家の方や、マニアの方が、たくさん来ていただきました。
ただ正直なところ、赤坂店の時はそこまで出なかったですね。街の雰囲気とのマッチングというのはあると思います。
秋葉原昭和通り店ではかなりの人気があります。個室なので、二郎系ラーメンを食べたことのない方にも興味を持ってもらえています。小鉢でシェアができるので、女性の方にも人気ですね」
なるほど、店長のこだわりと場所のバランスが必要なのだ。それがここ秋葉原では絶妙に保たれているということだろう。
これが「パ郎」だ
といっている間に「パ郎」が登場。すごい迫力だ。
店長「斎藤さん、斎藤さん、パ郎は『真横』からも撮影してくださいよ」
――真横……?
――本当だ、横から見た方が「高さ」がわかってすごい……
店長「まずは『天地返し』をしていただいて……」
――それ、麺をひっくり返すやつですよね?!
天地返しというのは、麺がのびるのを防ぐために野菜と麺の上下を入れ替えることだ。言葉は知っているけど、やるのは初めて。
――これむずかしくないですか? 野菜がボロボロ落ちる……。
店長「全然むずかしくないです。ただ下から麺を引き出すだけですよ」
苦闘の末になんとかやれたけど、キャベツが散乱してしまった。(↑この写真は店長の撮影、落ちたキャベツをよくとらえている)
カラオケ店のラーメンと思って食べるとびっくりする。ちゃんと二郎系だ。うまい。
――これ、麺がゴワゴワしていていいですね。
店長「さすが。管野製麺所の極太麺です。切り歯は9番。ふつう切り歯って偶数なんですよ。奇数の切り歯でやっているところは、なかなか無いんです……」
さすがラーメンマニア。言っていることがが全然わからないぞ。
「汁無しパ郎」も注文。
これは店長の分だった。
――本当はラーメン屋さんになりたいとかあるんですか?
店長「そんな大それたことは思っていないです。ラーメンは食べる専門ですね」
――ちなみに店長おすすめのラーメンってどこですか?
店長「小田原系ラーメンが大好きです。神奈川県のご当地ラーメンなんですが、特徴は濃厚醤油、表面脂層、ピロピロ麺、量が多い。
小田原系の中でも好きなお店は「むら田」、「郁(いく)」。レベル高いですよ。食べたことないならぜひ一度行ってみてください。
二郎系だったら関内二郎の汁無しがうまいです。ここのブタ、最高。あと府中と新代田は麺が極太で大好きです」
カラオケ店の店長はカラオケがうまいのか?
――あと全然話が変わるのですが、最後にどうしてもやってみたいことがありまして。カラオケ店の店長さんとカラオケをしてみたいんです……。
店長「マジですか……。カラオケ……。歌うの苦手なんですよ」
――苦手なんだ!
店長「でも歌いますよ。曲は小柳ルミ子で『今さらジロー』!」
――これって……二郎が好きだから?!
店長「そうです!」
もうカラオケを振られたら、この曲と決めてあるのだろう。店長、めちゃめちゃ素早く入力した。
♪
♪♪
♪♪♪
思い切りのいい感じで一曲歌ってくれたが、たしかに店長は人前で歌うのは苦手のようだった。
しかし、
「パ郎」はラーメン大好きでカラオケが苦手な店長の、こだわりの結晶だったのだ。
そう思うと、店長の歌声が一層感慨深くなる。
店長、苦手なのに歌ってくれてありがとうございました!
なお、来店のお客様におきましては、店長にカラオケをムリヤリ歌わせないようにしましょう。肩を組むのも本当はダメですよ。
小林店長のブログ
パセラ秋葉昭和通り館 店長のピエロが パセラの事を書くと思いきや、ほとんどラーメンの事を書きながらダイエットに励んでいる日記
紹介したお店
住所:東京都千代田区神田佐久間町2-10
電話:0120-706-738(携帯可)
プロフィール
斎藤充博
1982年生まれの指圧師(国家資格)。「下北沢ふしぎ指圧」を運営しています。インターネットで記事を書くことをどうしてもやめられない。
ツイッター:@3216
ホームページ:下北沢ふしぎ指圧
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