今回の料理:「鶏皮チップス」
油で脂を洗い落とす?
枝元 国連WFP(世界食糧計画)協会のキャンペーンに賛同した「食品ロス」削減レシピ、今回も作ります。鶏皮って高カロリーなので取っちゃうことが多いじゃないですか。煮物にしても皮がデロデロしちゃうし。そんな捨てられちゃうことの多い鶏皮をチップスにします。
西原 すてき。油でじっくり揚げれば、脂が落ちますからね。油で脂を洗い落としちゃえばいいのよね。
枝元 そうよ、そうよ。ほら、鶏皮、ビローンと広げて。
西原 顔に張りたくなりません?きっとコラーゲンか何かが効きそうで。「オペラ座の怪人」のような、すごく怖いマスクにしたいな。
枝元 そうかなあ(笑い)。フライパンで内側を下にして焼きます。目いっぱい広げてね。丸まってくるので、木の落としぶたなど平たいものを乗せます。これでゆっくり焼いて脂を落としていきます。脂の中で泳いでいるぐらいに落ちるんですよ。
西原 こうやって落とせないかしら。私の脂身も。
枝元 そうだよねー。焼き加減は肉側(内側)7の皮(外側)3くらいの割合で。焼けたらそのままでもおいしいんですけど、今日はディップを付けて食べようと思います。
西原 あ、脂を落としたのに油を塗るんですね。
枝元 そう。クリームチーズと明太子を混ぜたのはどう?
西原 やだ、どうしよう、幸せの塊じゃない。すごくテンションが上がりますね。
枝元 出てきた鶏皮の脂もロスしたくないから、これでご飯を炒めちゃうのもいいですよ。「鶏油(チーユ)」って言います。あとは余っちゃって冷凍して取っておいたワンタンや春巻き、ギョーザの皮を、その脂に少し植物油も足して揚げ焼きにして添えました。
西原 ということは、それは鶏味になりますね。どっちが本物か分からない。あ、鶏皮がまだ脂を出し続けています。この皮だけでこんなに出るんなら、私の皮を全部焼いたらどんだけ出るんやら。
枝元 さあ召し上がれ。良かったらディップして食べてください。
西原 脂を落としたのに、明太子入りのチーズを付けるっていうのはさ、すごく矛盾を感じるんだけど。
枝元 でもほら、付け合わせの野菜だって食べるもーん。食品ロス削減レシピは次回で最終回となります。
【構成・矢澤秀範、写真・根岸基弘】
鶏皮チップス
材料<作りやすい分量>
- 鶏の皮 200グラム
- ワンタン、春巻き、ギョーザなどの皮(残り物)
- クリームチーズ 60グラム
- 明太子 100グラム
- 塩、好みのスパイス 各適量
- 植物油 適量
- 付け合わせ用野菜(セロリ、パプリカなど) 適宜
作り方
- 鶏の皮は平らにしてフライパンに広げる。内側を下にして、落としぶたをのせる。弱火でじっくり火を入れ、鶏皮からジワジワと脂を出す。焼き色がついたらひっくり返す。
- 鶏の皮から出た脂でカラッと揚げ焼きする。油を足し、ワンタンや春巻きなどの皮も同様に揚げ焼きする。
- 塩や好みのスパイスを振ったり、クリームチーズと明太子を混ぜたものをディップしたりして、野菜とともにいただく。
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