鯖の棒寿司が好きすぎるので、自宅で作れる最強で最高の鯖の棒寿司レシピを教えてもらった

鯖の棒寿司の作り方を、鯖の本場のひとつである八戸の板さんに教えていただきます。教えてくださるのは、八戸ニューシティホテルの板長である谷口圭介さん。八戸愛・鯖愛あふれる美味しい棒寿司、作り方は案外シンプルですが、手間はかかります。でもその分最高に美味しいのです。アニサキスに注意せねばなりませんが、良い鯖が手に入ったら、挑戦してみてはいかがでしょうか。(八戸のグルメ

鯖の棒寿司が好きすぎるので、自宅で作れる最強で最高の鯖の棒寿司レシピを教えてもらった

こんにちは。料理家の河瀬璃菜です。

 

みなさん「鯖」お好きですか?? 私、幼少の頃から、魚の中ではとにかく鯖が大好きで、

こうして日々鯖のレシピを探求したり、鯖専門店に足繁く通ったりと、鯖愛を深めています。

 

そんな鯖が大好きな私が、2020年に最強の鯖の棒寿司に出会ったんです。

こちらなんですが、本当に驚く美味しさの、私史上最強の鯖寿司で、とにかく惚れ込んでしまったのです。

 

お取り寄せをしたり、現地で食べたりしているうちに

「こんなに美味しい鯖の棒寿司を私も作ってみたい…!」

という欲望にかられ、こちらの「虎鯖棒すし」を作られている谷口板長に交渉をした結果、なんと快く美味しい鯖寿司の作り方を教えてもらえることになったのです!!!(歓喜)

 

教えてくださるのはこちらの、八戸ニューシティホテルの板長 谷口圭介さん。

谷口圭介さんプロフィール

1956年八戸生まれ。地元の高校卒業後、都内の調理学校を経て、新宿の割烹などで修業を積む。1979年、八戸にUターンして、八戸ニューシティホテルを設立。厨房の板長を務める。八戸の魅力を伝えホテルにも宿泊してもらうべく、「世界一美味しい」八戸の鯖を使った商品開発をすすめ、鯖の棒寿司「虎鯖棒すし」(無添加)が誕生。2008年10月、東武百貨店船橋店で開催された物産展での実演販売に初出店。以来、全国各地の百貨店から”引っ張りだこ”の人気出展者となる。年間通算約9か月間は、全国各地を飛び回り「虎鯖棒すし」を販売しながら、八戸の魅力を発信し続けている。

 

生粋の八戸っこでもある板長に早速最高の鯖の棒寿司の作り方を教えていただきましょう。

 

美味しい鯖の棒寿司を作るぞ~!!

まず、美味しい鯖の棒寿司を作るためには良い鯖の見分け方も大事かと思いますがいかがでしょうか??

そうですね、八戸産の鯖であれば脂の乗り方も良く、餌食い(※注)の心配もなし、白子・卵の心配なし……なのですが、手に入らない場合は、

  • お腹が大きくないこと(異様に大きな腹は餌食いの可能性があり)
  • 体が丸いもの(細い形は脂が乗っておらず、尾に向かって曲線であると良い)

を基準に選ぶと良いですよ。

 

※注:魚が餌を食べて腹がパンパンになっていることを「餌食い」といい、大きく膨らんだ胃のせいで腹回りの肉が薄くなっていたり、鮮度が落ちやすくなっているので良いとされない場合が多いそうです。

 

板長の教えのもと、早速私も魚屋さんに言って鯖を選んできました。八戸産は手に入らなかったので、富山産の真鯖をゲット!

体全体が丸くてずっしりと重いですが、お腹が出過ぎていない印象です。

 

こちらの鯖を使って、鯖の棒寿司を作っていきます。

 

最高&最強な鯖の棒寿司

材料(2本分)

真鯖……1尾

 

まずは〆鯖を作ります。

 

作り方

1. 鯖の頭と尾を落として内臓を取り出したら、ボウルに多めの塩を入れて水を張り、鯖を入れ、1時間放置する。

 

ここでまず1つ目の重要なポイントです! しっかりと鯖の体の血液を抜きます。これをすることで味わいがとても良くなり、臭みなどもなくなりますよ。

ポイント①:しっかりと血抜きをする!

 

2. 鯖の水分を軽く拭き取ったら、三枚におろしバットに並べて塩を上からふる。

 

ここで大事なポイント2つ目です。三枚おろしにしても水で洗わないでください。こうすることで、脂と旨みが身から流れ出すのを防ぎますよ。

ポイント2:三枚におろした際、水で洗わない!

 

そして塩の量はパラパラより少し多めくらいがベストです!

パラパラより少し多め……

 

一抹の不安を覚えつつも塩をパラパラしていきます。

 

3. この状態で冷蔵庫でラップをしないで一晩置く。

この状態でラップをせずに冷蔵庫におくんですね! これはなぜですか??

いい質問ですね、これがポイント3つ目です。一度冷蔵庫で干すことで、余分な水分を飛ばして鯖の味を濃くすることができるんです。

ポイント3:一晩冷蔵庫で干す!

 

4. 一晩寝かせた鯖を酢に30~45分漬ける。

 

お酢はどういったものがいいなどオススメはありますか?

お酢は市販の穀物酢でOKです!

 

市販のもので美味しく作れるのはありがたい!

 

5. 酢からあげた状態の鯖を半身ずつきれいにラップして冷凍する。

手間がかかりますね~、一度冷凍するのは、アニサキス対策でしょうか?

そうですね、鯖の体内には必ずアニサキスがいると思ってください。1日冷凍すると死にますので、丸鯖のときでも〆鯖にしてからでも、必ず冷凍が必須です。お酢ではアニサキスは死にませんので、手間はかかりますが、この工程は省かないでくださいね。

ポイント4:必ず、一度冷凍をしてアニサキス対策をする!

 

6. 5を冷蔵庫に移して自然解凍をしたら、腹骨・横骨を骨抜きで抜き、最後に皮を引く。

 

サバの骨は太いので、骨を抜くのは力がいりますが、これをしないと食べられません!

 

私はと言うと、骨抜きがあったはずなのに紛失してしまい、なかなか売ってる場所が見つからなかったので、毛抜き(新品です)で骨を一生懸命抜きましたが、めっちゃ大変でした(笑)

みなさんは骨抜きで抜いてください。

ポイント5:丁寧に骨を抜く!

 

7. ご飯に市販の寿司酢を混ぜたら、巻きすの上にラップをしき、酢飯200gを棒状に成形し、その酢飯の上に鯖を乗せる。

 

8. 30分程放置して落ち着かせたら、ラップごと1.5cm幅に切る。

私は棒状の酢飯の上に切っていない〆鯖をのせて最後に切りましたが、先に〆鯖を切っておいて、成形した後に鯖の切れ目から酢飯を包丁で切るのも良いかと思います。ご自身が作りやすい方で試してみてくださいね。

 

時間と手間をかけて、ようやく「最高&最強の鯖の棒寿司」が完成しました~~~~~!

ギャ~~~~! 見るだけでテンション上がりますね?!?! 美しすぎる!! 本当に自分が作ったとは思えないビジュアルをしています。

 

さらに食べると……

バッカみたいに美味しいんです……!!!!

私も一応料理の仕事をしており、〆鯖も作ったことがありますが、これは規格外の美味しさ。

こんなに美味しい鯖寿司が自分で作ることができるのなら、時間と手間をかけても全然オッケー! 本当にそのくらい美味しくて驚きました…。

 

ここで「最高&最強の鯖の棒寿司」を作る上で大切なポイントをおさらいしましょう。

 

  • ポイント1:しっかりと血抜きをする!
  • ポイント2:三枚におろした際、水で洗わない!
  • ポイント3:一晩冷蔵庫で干す!
  • ポイント4:必ず、一度冷凍をしてアニサキス対策をする!
  • ポイント5:丁寧に骨を抜く!

 

いつでも食べたい時に鯖寿司を作るためには、工程5まで作業をして、冷凍をしておくと良いかと思います。解凍は冷蔵庫に移して自然解凍してくださいね。

 

板長が語る鯖の魅力とは?

本当に美味しすぎる鯖の棒寿司が完成して驚いたのですが、板長が鯖の棒寿司を作ろうと思ったきっかけってあったのでしょうか?

八戸港では多い時は1日4,000トンもの鯖が水揚げされているのにも関わらず、八戸の名物を聞かれた際に「鯖が美味しい」と答えることができませんでした。

その時、気づいたのが「八戸にはまだ美味しい『鯖料理』がないんだ」ということだったのです。

八戸ではこんなに素晴らしい鯖が漁れるのに、その美味しさをお届けできないことが悔しくて悔しくて堪らず、自分の手で本当に美味しい鯖料理をお届けするため、鯖について一から調べ、幾度も試行錯誤しました。

まず格闘し始めたのは、鯖みそ煮(鯖のみそ造り)です。何度も何度も試した結果、玉葱と煮込むと良いのに気が付いたことで、初めてサバの生臭さが取れ、自信を持ってオススメできる美味しい鯖みそ煮が完成しました。この鯖みそ煮を多くのお客様に喜んでいただいたことで、改めて鯖の可能性を感じたのです。

そこから本格的に〆鯖作りに移行しました。美味しい鯖みそ煮を作ることができた体験から自信があったのですが、結局「虎鯖棒すし」が完成するまで10年以上の年月が経っています。

八戸で漁れる、脂が乗って身の厚い鯖本来の美味しさを守るため、子供やお年寄りにも美味しく安全に食べていただくため、余計な添加物は一切いれず、骨抜きも全て手作業で行っています。

私の厨房人生はまさに鯖と一緒に進んだ成果とも言えるのです。

 

🐟🐟🐟🐟🐟

 

地元八戸への深い愛情、そして板長の鯖への長い月日と探求を重ねた結果、あんなに美味しい「虎鯖棒すし」が完成したんですね。

「虎鯖棒すし」以外にも美味しい鯖料理がいただける八戸ニューシティホテル、皆様も青森に行った際はぜひ足を運んでいただければと思います。

板長、本当にありがとうございました!

 

私自身も何度も八戸を訪れていますが、美味しいお店も多い、お酒も美味しい、銭湯がたくさんある(必ずサウナもあるし朝から開いてる)、館鼻の朝市が最高、新幹線が止まる、本の街として民間では扱っていないようなマニアックで面白い本に出会えるなどなど……

etc....

とにかく、とっても魅力に溢れた街なのです。

 

ぜひ皆様も自身で作った鯖寿司に感動し、八戸に行ってみたいなあ~なんて思っていただけたら幸いです。

 

レッツ魅惑の鯖ワールド!

 

 

ご協力:

八戸ニューシティホテル

住所:〒031-0073 青森県八戸市売市二丁目12-21

TEL:0178-46-0311

https://hachinohe-torasaba.com/

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河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)

1988年5月8日生まれ。福岡県出身。

レシピ開発、商品開発、食の企画やコンサル、レシピ動画制作、企画執筆、編集、イベントメディア出演、料理教室など食に纏わる様々な活動をしている。

SONY XperiaのCMやKIRIN本麒麟の広告への出演などその活動は多岐にわたる。

近年では地方を元気にするための6次化商品の開発に力を入れている。

著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」 など

Blog: http://lineblog.me/linakawase/
Twitter:https://twitter.com/linasuke0508

                             
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