揚げたての唐揚げや新鮮なお刺身、美味しいものがずらりと並ぶ商店街。その場であれこれ味わえたら、どんなに幸せなんだろう・・・。
な~んて、食いしん坊なその夢、小倉の台所「旦過市場(たんがいちば)」に行けば叶います!!!
大正時代、すぐそばを流れる神嶽川の荷揚げ場として栄えたのがはじまりとされ、その歴史は100余年といわれています。
青果、鮮魚から総菜店にカフェ、小倉名物のぬか炊き屋や角打ちなどなど。
110軒ほどの店がひしめき合い、多くの客で賑わう市場は、まるで昭和30年代な雰囲気で、昭和レトロな雰囲気を堪能したい方にはたまらない場所でしょう。
そして、そんな「旦過市場」を120%楽しみ抜くために欠かせないのがこちら。
その名も「大學堂」。
ここは、2008年より北九州市立大学の人類学ゼミ所属が中心となって運営している“街の縁台”。市立大の学生が日替りで店頭に立ち、様々なイベントやカフェ営業を行っています。
店内はこんなにレトロな雰囲気♪
買い物に疲れたら、ハンドドリップコーヒー(300円)や自家製ジュースを味わえますよ。
とはいえ、お昼時のお客さんのお目当ては、やっぱり“アレ”。
名物の「大學丼」です!店内に入ると、早速スタッフさんが丁寧に説明してくれました。
【What is DAIGAKUDON?】
説明しよう!
「大學丼」とは、白米をよそった丼を片手に市場を縦横無尽に巡り、各商店で好みの具材を買いまくり、乗せまくって作る、自分だけのスペシャルな丼のこと
であーる!
【やること:その1】
まずは、スターターセットである「大學丼」(200円)を購入。ご覧の通り、何の変哲もない(でもホカホカで美味しい)白飯だ。+100円で日替りの味噌汁をセットにすることも可能。
【やること:その2】
購入した純真無垢な大學丼を抱え、旦過市場に繰り出そう!
「私色に染めてやるっ♡」
【やること:その3】
お目当ての店や食材を見つけたら、照準を合わせて突撃あるのみ!
大學丼を購入する前に、一度市場を下見しておくとスムーズだ。ホカホカご飯を冷ますことなく、スペシャル丼にありつけるぞ。
【やること:その4】旦過市場内を散策
後輩Mがまず目をつけたのは小倉名物である「ぬか炊き」!
こちら「宇佐美商店」は、100年続く“ぬか床”を守り続けている名店中の名店です。
毎日混ぜ続けている「百年床」を使った野菜のぬか漬けや魚のぬか炊きはまさに絶品。
今回は、定番人気の「さばのぬか炊き」(1匹250円)を購入。
早速、丼に乗せてもらいましょう!
優しいお兄さんが、タレもちゃんとかけてくれました♪
旦過市場内には、数軒のぬか炊き専門店があるので、この機会に食べ比べて、好みの味を見つけるのもオススメですよ。
続いて私が向かったのは、こちらも旦過市場名物である「小倉かまぼこ」!
大正9年創業という、老舗中の老舗です。趣のある雰囲気も素敵でしょ~。
厳選した素材を使い、丹精込めて作る練り物類がずらりと並んでいてどれを買うか非常に迷いますが・・・。
「カナッペ、揚げたてあるよー!」とお母さん。
そう、ここで絶対にハズせないのが名物である「カナッペ」です!
魚のすり身に、タマネギ、ニンジンなどを混ぜ込み、薄い食パンで巻いて揚げた小倉かまぼこ名物の創作天ぷら。丼に乗せると、揚げパン×米。でも気にしない!
後輩Mは、こちらも人気店である「かしわ屋 くろせ」の店頭を物色・・・。
私は、そのお近くの鮮魚店「魚哲」を物色・・・。
さらには、活気のある声が響き渡る「浜田水産」をチラリ。
マグロの中落ちやウニ、イクラ、タコや戻りガツオに活き穴子!!!
どれも新鮮でリーズナブル!美味しそ~~~。
どれにしようか迷っていると、「この活ヤリイカがイチオシですよ!」とお姉さん。
何と、この場で捌いてくれると言うではありませんか。
「買った! ヤリイカ1匹700円は私のもんじゃー!」
お姉さんに美味しい魚のことを教えてもらいながら、待つことしばし・・・(市場の人との楽しいやり取りも大學丼の醍醐味です♪)
シャララ~ン あっという間に透き通ったヤリイカ刺しの出来上がり!
【やること:その5】スタート地点に戻る
このように、ひとしきりお目当ての食材を購入したら大學堂に戻りましょう。
今回GETした戦利品はこちら!!!
こうやって全部広げると、かなりテンション上がる~~~♪
大學堂に戻ったら、セットの味噌汁もオーダー。お姉さんがすかさず熱々を持ってきてくれます。
後輩Mが「かしわ屋 くろせ」で購入したのは、こちら。
人気メニューの唐揚げ(2個110円)×焼鳥 というまさかのコンボ!モモ串、豚バラ、ハツ串各(110円)というテッパンチョイスです。
「焼鳥は丼に乗せんでよくない?」という思いが、一瞬頭をよぎりました・・・が、いいんです!大學丼はフリーダム!
夢中で丼に串を刺す後輩M。実に楽しそう、実にいい笑顔です。
【やること:その6】命名「親父女子の酒飲み丼(本人オリジナル)」
そして完成した夢の丼がこちら!
名付けて「親父女子の酒飲み丼」!
唐揚げ、焼鳥、ぬか炊きと、見事なまでに酒が進みそうな具材がてんこ盛りです!
肉(酒)押しの後輩Mに対抗して、私は海鮮で攻めたいと思います!
まずは、「魚哲」で購入した「カツオのタタキ」(600円)。
表面がいい具合に炙ってあり、ネギや紅葉おろしまで付いてるのが嬉しい!
丼にどんどん盛り付けて行きますよ~。
こちらは、「ヤリイカ」を買った「浜田水産」で同時購入した、「マグロの中落ち」。
これで300円なんて安すぎる~~~!
白米が見えないほどに乗せまくり、夢のスペシャル丼が完成です!
欲張りすぎて、乗り切れなかった分も多々・・・苦笑
お茶とお醤油は「大學堂」さんに置いてあり、自由に利用できますよ。
【やること:その7】ようやく実食
「食後は赤壁酒店(旦過市場内にある角打ちもやってる酒屋さん)でビール飲まなきゃですね~」と、昼から酒飲みモードの後輩M。
私も、勢い良く揚げたての「カナッペ」をガブリ!
これ、口に入りきれないくらい、でっかいんです!
でも、まだ温かくて表面はサクッ、中はプリッ!
これはうまい~~~!
同時購入した「シソ天」と「紅しょうが天」もプリップリ♪
ヤリイカ刺しもプリップリ♪
カツオのタタキとマグロの中落ちは、旨味たっぷりでした♡
【やること:その8】市場の風景を目に焼き付けよう
鮮魚もお惣菜も美味しいもの尽くしの旦過市場。何を乗せるかはあなた次第!
大學丼は、あなたの夢を叶えます!観光や来福客のおもてなしにも、盛り上がること間違いなしですよ。
実は現在、建物老朽化のため、全面建て替え工事の話も出ている「旦過市場」。
この古き良き風情を楽しめるのは、あと数年かもしれません・・・。涙
ぜひ今のうちに、昭和の雰囲気たっぷりな旦過市場を味わってみてくださいね。
大學堂
電話:080-6458-1184
営業時間:10:00~17:00(大學丼の提供は11:00~)
※ご飯なくなり次第終了
定休日:水曜、日曜、祝日
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者・SPECIAL THANKS
えり もりか
福岡・九州の編集プロダクション・シーアール所属。
福岡生まれ・博多湾育ちの呑み喰い道楽女子(グルメライター)。
Twitterでの食べ歩き日記をきっかけに、編プロへ電撃移籍。
グルメ情報誌ソワニエや福岡ウォーカーの編集・ライティングを中心に、年間300軒以上のグルメ取材をこなす。得意ジャンルはラーメン以外。高級ランチから路地裏の酒場までオールマイティに、日々放浪中。