豆腐を乗せただけのゴハンがこんなに旨いとは!日本橋の老舗おでん店「お多幸」の「とうめし」は飲み会の〆に絶対食べるべき

日本橋にある「お多幸本店」の名物メニュー「とうめし」をご紹介します。ごはんの上におでんのつゆをたっぷりかけ、その上の豆腐(おでんのつゆをたっぷり含んだ豆腐)を乗せたもの。これがシンプルなのに最高に旨い逸品なのです。創業大正12年の関東風本格おでん屋「お多幸本店」にぜひ足を運んでみてください。(東京駅・丸の内・日本橋 忘年会)

豆腐を乗せただけのゴハンがこんなに旨いとは!日本橋の老舗おでん店「お多幸」の「とうめし」は飲み会の〆に絶対食べるべき

とうめし お多幸本店

こんにちは!フードコーディネーター&ライターの音仲紗良です。

 

突然ですがおでん好きですか??

おでんは冬の食べ物というイメージが強いかと思いますが「おでん=冬」は、もはや古いのです!

 

おでんの老舗「お多幸 日本橋本店」は、季節問わずランチタイムに行列ができるほどの盛況っぷりなんです。

もちろん夜も大人気のこちらのお店。味の染みたあっつあつのおでんが格別なことは言うまでもありませんが、ここに来たら必食の〆ご飯があるとのこと。

 

その名も「とうめし」。

別件での飲み会のあとに、わざわざこの「とうめし」を食べにくるお客さんも多いのだとか。さっそく潜入レポートしました!!

 

味が染みっ染みのおでんが最高に美味い!大皿盛り込み(3人前)2800円

何はともあれ、おでんを食べずして「お多幸」を語ることはできません。

種類が豊富すぎて、何から頼めばいいかわからない、という方におすすめなのが「大皿盛り込み(3人前)」。

とうめし お多幸本店

12種類ものおでんの具材が盛り込まれていて、おでんビギナーにはありがたいですね。

大正12年に創業して以来、代々継ぎ足されている秘伝の出汁は、関東風の甘辛い味が特徴。

 

はんぺんをめくると、下にも具材が隠れていました!

とうめし お多幸本店

がんも、ちくわぶ、玉子をすっぽりと覆い隠すはんぺんのボリュームは圧巻です。

ということで、はんぺんを実食。

とうめし お多幸本店

ふわっふわで、口の中ですっとなくなるメレンゲのような軽い食感は「お多幸」のこだわりのひとつ。

片面だけ味をしっかり染み込ませ、表は煮ないことで、くたっとせずにふわっふわの食感をキープしながらはんぺん自体の風味も生きた絶妙な塩梅のはんぺんに仕上がるのだとか。まさに職人技ですね!

 

おでんの定番といえば、やっぱり大根!

とうめし お多幸本店

この厚み!重量感!食べる前からおいしさが伝わってくるビジュアルですね。

とうめし お多幸本店

下茹でのあとに水にさらし、下味で煮込んでからおでんの出汁で煮込む、

この工程を行うことで臭みをとりのぞき、雑味のないすっきりとした大根の辛さと旨みを最大限に引き出しています。大根の外壁に染みた甘辛い出汁との相乗効果で、口の中がおいしいエキスで洪水しそう(笑)。

 

そのほか、ゴボウ巻

とうめし お多幸本店

厚揚げ

とうめし お多幸本店

ちくわ

とうめし お多幸本店

がんもどき

とうめし お多幸本店

しらたき

とうめし お多幸本店

ちくわぶ

とうめし お多幸本店

こんにゃく

とうめし お多幸本店

玉子

とうめし お多幸本店

とおでんの定番をこの一皿で堪能できますが、このラインナップのなかで埋もれがちな「昆布」が意外にも忘れられぬおいしさ!

とうめし お多幸本店

店主にとっても大根につぐ自信作なものの、やはり地味なメニューではあるため頼まれる機会が少なかったことから、「大皿盛り込み」に入れるようになったのだとか。

 

肉厚の昆布はじっくり煮込まれてねっとりとした口当たり、噛むほど口の中に昆布特有の風味と甘みが広がります。

とうめし お多幸本店

そして昆布の中に隠されたゴボウの存在感!

昆布によって旨味がギュッと凝縮されたゴボウは、ホクホクの食感もたまりません!

 

これが最強の〆と名高い「とうめし」だ!

おでんもひとりきり堪能したところで、お待ちかねの「とうめし」(390円)をいざ実食!

とうめし お多幸本店

別鍋で砂糖と醤油を加えさらに甘辛くしたおでんの出汁で煮込んだ豆腐を、熱々の茶飯の上にドカン!とのっけた、シンプルながらもインパクト大のルックス。

ご飯はやっぱりつゆだくです。

とうめし お多幸本店

豆腐は箸で持ち上げようとすると崩れてしまうほどとろとろの柔らかさ。

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味付けはいたってシンプルで、ネギなどの薬味も一切なし。

女将に何かかけたほうがいいのか確認したら、何もかけずにこのままのスタイルで食べるのがベストだという。

たしかに、甘辛い出汁の染みた豆腐が固めに炊きあげられた米粒に絡み、余計な小細工なしでも十分においしい。

とうめし お多幸本店

行儀を無視して、茶碗に口をつけて熱々を豪快にかきこんで食べたい衝動に駆られます。

 

そもそもは創業当初に常連さんの希望で生まれた裏メニューだったのだとか。

SNSもネットもなかった時代に、常連さんの口コミで広がり、メニューにはなくとも来たらほとんどの人が頼む看板メニューにまでなり、平成14年に日本橋に移転をしたのを機に「とうめし」としてメニューに加わったのだという。

 

いまでは、1日にランチと合わせて200食出ることもあるほどの不動の人気を確立。

飲みの〆にちょうどいい「半とうめし」(200円)もあり、フルサイズは食べきれないけど、少し食べたい、というお客さんのニーズに応えてくれているのもうれしい。

 

「お多幸」ってどこ?

とうめし お多幸本店

日本橋駅B5出口から徒歩1分。

銀行の横道を入って直進すると、左側に「お多幸」と大きな看板と提灯が見えます。

お昼時は行列ができているので、人の群れを目印にするのも手(笑)。

 

「とうめし」の名称は登録商標のため、こちらの本店でしか提供されていないが、

他店舗でもとうふをのっけた茶飯はそれぞれの店の呼び方で愛されているらしい。

本店と比べて自分好みの「とうめし」を見つけるのも楽しみかたの一つですね。

 

味・品質の管理が難しく、いまでは貴重な「継ぎ足し」という作業を惜しまずに今日まで脈絡と受け継いできたお多幸。

とうめし お多幸本店

「おでんは季節やその日の気候によって出る具材が変わるため、日々わずかながらも味は変化するし、作り手によって同じ作り方でも味はわずかに変わります。

店主を引き継いでから20年、引き継いだばかりのころは、よく常連さんに『なんか変わったな』と指摘をうけていました。でもそれも『継ぎ足し』の醍醐味として、楽しんでいただけたらと思います」と店主は語ります。

 

それほど繊細なおでんを、絶えることなく今日まで紡いできた歴代の店主たちに、畏敬の念を払わずにはいられません。

飲んだら〆にラーメン!ではなく「とうめし」!が日本人のスタンダードになる日も、そう遠くはないかも・・・

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。

  

著者・SPECIAL THANKS

音仲紗良

フードコーディネート&美容・食ライター

音仲紗良

教科書・書籍の編集やフリーペーパーの取材・執筆を経て、大手出版社の女性向け情報誌の編集部に在籍。美容をはじめ食やライフスタイル、ファッションなど幅広いジャンルの企画・編集に携わる。現在、独立してフードコーディネーター&スタイリスト/美容・食ライターとして主にメディアで活躍中。

ズボラ&倹約家な性格を生かした、手ごろな食材やアイテムを使ってつくる簡単なのに、ごちそう&おしゃれ感のある食の提案が得意。

主に食やインナービューティーに特化した企画の、編集・取材・執筆・レシピ開発・料理制作・スタイリング・撮影と、すべてを担当できるのが強み。

http://s.ameblo.jp/relaxsachi/

http://beaus.net/member/nonaka_sachiko.html

 

雑誌:saita(編集・構成・取材・文/フードスタイリング)、サプリメント会社の季刊誌・テキスト・カタログ(編集・構成・取材・文/フードディレクション・スタイリング/校正・進行管理)、東京ウォーカー(取材・文/フードコーディネート&スタイリング)他

フリーペーパー:クーポンランド(広告営業・文)

WEB:みんなのごはん、OZmall(毎週火曜16時更新連載)、アンジー、フラコラビューティーコラム(タレントインタビュー)、BRAND PRESS、ヒューロム、大地を守る会他

ラジオ:ShibuyaCross-FM「渋谷モデルTV」

(隔週金曜20:00~20:50レギュラーパーソナリティー)

出演:J-com:ActOnTV「男子料理道場」(フードコーディネート)、THEラブ人間「いつまでも愛しあってばかり」ミュージックビデオ、東京ウォーカー(モデル)他

その他:「Café&Bar ROY 広尾」(フードコーディネート)

 

(編集:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー http://foodcreativefactory.com/

 

                             
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