おふくろ料理研究家の五十嵐ゆかりです。みなさん、だしをきちんととっていますか? 昆布だし、合わせだし、煮干しだしなどがありますが、イチから取っただしを使って作る和食は格別ですよね。
普段からだしをきちんと取っているよ。という方! もし、昆布だしのうま味を最高に引き出す美味しいだしの取り方があるとしたら、知りたいと思いませんか??
実は、いつもの調理方法をひとつ変えるだけで昆布のうま味成分(グルタミン酸)を3割増しに引き出す究極のだしの取り方があるんです。その方法を今回ご紹介します。
※うま味とは、味を構成する5つの基本味(「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」)のうちのひとつ。うま味は美味しい料理を作る味の土台です。うま味を加えることで料理の美味しさがUPしますよ。
究極のだしの取り方をご紹介するその前に、だしの魅力を再確認しましょう。
だしには魅力がたくさんあります!あえて3つあげるとしたら、、、
1.減塩効果
だしに含まれるうま味は料理に使用する塩の量を控えても食事の満足度を高める働きが期待できますよ。塩っ辛い味が好みの人は、だしを効かせた料理を作ることで減塩しても美味しい料理が食べられます。
2.食べ過ぎ防止効果
だしに含まれるうま味は食事の満足度を高め、食べ過ぎを防ぐ働きが期待できるといわれています。
3.美肌効果に期待
昆布に含まれるヨウ素は肌の代謝を高めてきれいな肌を保つ働きが期待できるといわれています。
だしの魅力を再確認したところで、昆布のうま味を3割増しに引き出す究極の昆布だしの取り方をご紹介します。ポイントは加熱温度にありますよ!
究極の昆布だしの取り方
材料:作りやすい分量
昆布 30g
水 1,000cc
※使用する昆布は、利尻昆布、日高昆布、真昆布、羅臼昆布などがおすすめです。お好みの昆布を使用してください。
作り方
1.硬く絞ったぬれ布巾で昆布をふき、キッチンバサミで切り込みを入れる。
※昆布は屋外で自然乾燥させているため、小石や砂などが付いていることがあります。調理前には必ずふくようにしましょう。水洗いするとうま味が流れてしまうので注意!
※切り込みを入れるとだしがでやすくなります。
2.鍋に水、昆布を入れて1時間おく。
3.鍋を火にかけ、60度の温度を維持しながら1時間煮たら昆布を取り出して完成。
※温度が60度以上に上がるようなら、火を止めて温度を調整しながら煮てください。
※粗熱が取れたら密封容器に移し、2~3日を目安に使い切ってください。すぐに使用しない場合は、冷凍して2週間を目安に食べ切ってください。
さてさて!試食してみます。少し塩を入れてうま味を引き立たせていただきますよ。
味の感想はというと、、、う~ん。香りが良く、澄んだ上品な味わいでグルタミン酸のうま味をしっかり感じることができます。料理に使えば他の素材のおいしさと合わさって深みのある上品な味わいの料理が作れそうです。
これまで通りのふつふつと泡が立つまで煮る調理法で取っただしの方が昆布の味はしっかり感じられますが、うま味を感じやすくするなら60度での煮ただしがベストですね。それぞれの良さがあるので、昆布の味をしっかりと効かせた料理を作りたいなら前者、昆布のうま味を感じるすっきりとした味をいかした料理を作りたいなら後者の方法でだしを取ると良いのではないでしょうか。
いつも作っている料理も昆布のうま味を3割増しに引き出しただしを使えばうま味たっぷりのさらに美味しい料理が作れます。60度を1時間キープするのは台所を離れられないという難点がありますが、美味しいだしを味わうために試してみる価値はアリですよ!
面倒だな!ってズボラさんはこの方法で!
参照:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター 日本が誇るだし文化
http://www.umamiinfo.jp/2012/03/dashi002.php
五十嵐ゆかり
1987年6月8日生まれ 千葉県出身 おふくろ料理研究家・美顔レシピ研究家・管理栄養士。料理が好きで、食卓から社会を楽しくしたいという想いから、中学で料理研究家を目指し、大学を卒業後に管理栄養士試験に合格。新卒でレシピ制作会社の株式会社フードクリエティブファクトリーに入社。年間2,000レシピの制作撮影を手掛ける同社では1日40レシピの撮影調理・スタイリングを8時間で一人で行っていた。今はレシピ考案や栄養監修、出版、コラム執筆、レシピ制作ディレクター、メディアプロデューサーを中心に担当。
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