ひな祭りのお菓子はピンク、白、緑が多い。どんな意味が込められているの?

菱餅は生命力あふれるヒシの実にちなんだ縁起物

ひな人形の飾りに欠かせない菱餅。菱餅は湖沼に生息する水草ヒシを由来とします。ヒシは非常に強い繁殖力を持つ植物です。水の底に沈む種から芽を出し、茎は水面まで伸び続きます。葉は空気を含み、浮き袋のように水面を覆い尽くします。花は白く、果実は菱形です。ヒシの実はさまざまな効能があり、インドでは幼い女児を救った植物として知られ、古くから縁起物として扱われていました。

桃の花、雪、若草を表す3色 体に良い効能も

菱餅といえば上からピンク、白、緑の三段重ねが一般的です。色からしても食用というより飾り用ですが、古くは健康に良い材料を用いてこの3色を作り出していました。

現代では代用品が使われることが多くなっていますが、健康と桃の花を表すピンク色の餅にはクチナシ、清浄と残雪を表す白色にはヒシの実、穢れを祓う若草を表す緑色にはヨモギが餅に練り込まれていました。クチナシには解毒作用が、ヒシの実には血圧低下の効果、ヨモギには増血効果があると言われており、それぞれに女性の体をいたわる思いが込められています。

エネルギーを一気に食べるひなあられ

ひな祭りといえばひなあられ。もち米で作られた独特の歯触りは、この時期の楽しみの1つです。ひなあられの由来は京都の菓子職人が宮中用に作ったのが始まりとする説、飾り用の菱餅を砕いて油で揚げたのが広まったという説など諸説あり、事実は明確ではありません。

色は菱餅同様、桃色、白、緑色の3色に黄色が加わることが多いようです。4色が四季を表しているという説もあります。それぞれの色が持つ自然のエネルギーを体に採り入れ、女の子が健やかに成長するようにとの願いが込められています。

現代のひな祭りに欠かせない桜餅

ひな祭りのお菓子はピンク、白、緑が多い。どんな意味が込められているの?

桜餅はひな祭りシーズンに登場する和菓子代表のような存在ですが、ひな祭りにまつわる由来などは特にないようです。伝統とはあまり関係なく、食べやすく、おいしいということから、菱餅に代わって人々に好まれるようになりました。

地方によって違うひな祭りの和菓子

ひな祭りの和菓子は地方によって趣が変わります。

江戸時代から広まった3段重ねの菱餅ですが、それ以前はヨモギと菱のみの2段だったということです。今では黄色などを加えて5段、7段の菱餅を作る地域もあります。また、菱形ではなく三角形を用いる地域もあるということです。

ひなあられは、関東では甘い米粒大のポン菓子風、関西では塩、しょうゆ、エビ味などが混ざり、直径1センチほどの物が一般的です。関東では米を、関西では砕いた餅を使ったことから、このような形状が広まりました。

桜餅は、さらりとした薄皮を使う江戸風の長命寺、粒がある京風の道明寺が存在します。