フュージョン・キュイジーヌ
XO醤が鮮魚を引き立て、西京味噌がオマールのビスクと溶け合い、もろみ味噌がトリュフと共に牛フィレを際立たせる。定石や枠を超え、その向こうにまで伸ばす手が生み出すのは未知なる美味。うるめ節を用いる料理や締めの船場汁には、土地の食文化に敬意を払うフレンチの心が息づく。
鮮魚のタルタルはトマトのクーリとXO醤が味を締める
オマールのビスクと西京味噌のソースが、秀逸の美味
和洋の融合を空間にも…
「和洋の融合を空間にも…」と語る辻川シェフ。それは、アイテムの足し算にではなく、引き算の妙の中に表現される。肥松のテーブルや白土壁の引きずり仕上げに素材感を打ち出し、ダークトーンの床面は洋の趣きに。装飾を排した空間にはマダムが飾る1本の掛け花。絶妙な折衷が料理への期待も弾ませる。
整然と並ぶ布張りの漆塗り盆が、清澄な空間を漂わせるカウンター
ミニマルな空間に一ケ所だけ。掛け花が運ぶ、季節の香り
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