こんにちは。料理研究家の河瀬璃菜です。
私の出身地「福岡」は全国的にもグルメの街として有名な街で、数々の名店と呼ばれる飲食店が存在します。
そんな数ある名店のなかに、蕎麦店「あ三五(あさご)」と「博多炉端 魚男(フィッシュマン)」というお店があります。博多っ子なら「はいはい、あそこね」とわかってくれるのではないでしょうか……!?
なんと、地元でも人気のその2店がコラボしたお店が東京・新橋にできた!との噂を聞きつけました。その名も「博多蕎麦酒場 蕎麦屋にぷらっと」。
博多っ子としては行かねばならない!胸を躍らせつつ、さっそく新橋に行ってきました!
席に着いて引き出しを開けた瞬間からテンションが爆上がり
まず席に着いて目につくのが一人一人に用意されたテーブルの引き出し。何が入っているのかな?と開けてみたところ……
なんと……!秘密の道具箱が出現しました!
取り皿やカトラリー、つまようじから、塩や三色ごま、七味、山椒といった調味料、さらにはしみ抜き、モバイルバッテリーまで入っていました!
スマホ中毒者としてはモバイルバッテリー超嬉しい……!スマホの充電を気にしてそわそわせずに食事できるなんて最高!なんというホスピタリティなのでしょう。
引き出しの中の調味料にもこだわりが!
手前右の塩は「ろく助塩」。東京・赤坂にあった一見さんお断りの伝説の焼鳥屋さん「ろく助」の店主が独自の製法で作った旨塩です。昆布と椎茸の旨味が塩の中に凝縮されていて、美味しいのなんのって……!
これ、本当に調味料としても優秀で、何にかけても美味しい!調味料ラバーの私が言うので間違いないです。
この「三色ごま」もハマる味わい。三色ごまをチビチビ食べながらお酒を飲む方もいるほどだとか!最終的には私もその一味と化していました。
と、席に着いた瞬間からテンション上がり気味になりましたが、こうなるとお料理も楽しみですね!ワクワク!
「こういう店あったら良いな~」のオンパレード!絶品ツマミの数々
こちらのお店のお料理の特徴は「あ三五」直伝の上質な蕎麦や、旬の野菜などを練りこんだ伝統の博多前天ぷら、そして炉端の名店「博多炉端 魚男」らしい自由な発想で創られた酒肴なのだとか。
まずは名物の「ぷらっとのポテサラ」(380円)!
ポテ…サラ……!?
熟成させたインカのめざめ(ジャガイモの品種の一つで、甘くて濃厚な味わいが特徴)にブルーチーズが混ぜられ、カカオニブ(カカオ豆を砕いてフレーク状にしたもの)がかかっています。
聞くだけだと全く想像ができない味でしたが、これがまあ美味しい。こんなにマッチするものなんだ!とびっくりです。
食材や調理にここまでこだわっているのに、380円はリーズナブルすぎやしませんか……?
お次はこちら!今や世界で話題といっても過言ではない西中洲の名店「三原豆腐店」の「まぼろしの厚揚げ」(880円)!
名店×名店に、さらに名店をかけてくるなんて……!贅沢すぎる!
まぼろし専用の醤油をかけていただきます。
……これは美味い!
衣はサクッと、中はとろけるジューシーな味わい!厚揚げの概念を超えちゃってる厚揚げですね……!これはお酒が進むヤツ。
ということで頼みました。
「ピン泥ハイボール」(680円)。
麦焼酎を使ったさっぱりとしたハイボールです!ダイエット中の私にも嬉しい飲み物!
「ピン泥って何?」と思われたかもしれませんが、ハイボールに使っている「泥亀」という麦焼酎のラベルがピンクであることから、ピン泥と呼ばれるようになったそうです。ほんとだ、ピンク!
ハイボールだけでもかなり種類があり、どのドリンクもこだわりがすごい。
それもそのはず、お酒は博多の有名な酒屋さん「住吉酒販」が揃えた銘酒なのだとか!
博多のすごいものをいろいろ掛け算しすぎていて、やりすぎなんじゃないか……!?と思うほど贅沢ですね。
お酒を飲みつつ、お次は「名物!呼子のイカしゅうまい “Black or White”」(580円)。
数々の美味しそうなメニューの中からこれを選んだのは、個人的にイカしゅうまいが大好きというのと、「“Black or White”て何ぞや!」と疑問を持ったからです。
正体はこちら!イカ墨を使った茶碗蒸しのような餡にシュウマイが鎮座!
ははーん!イカ墨の黒とシュウマイの白ね。なるほどなるほど……ん?
……おわかりいただけたであろうか?シュウマイの上でダンスをする男の姿があるのを……
そうです!これはあの世界のマイケル・ジャクソンの『Black or White』がモチーフになっているのです。
柚子皮でできたこのトッピング、こちらの特注型を使っているそう。
お値段、約2万円!
1皿580円のために型に2万円……さすがすぎます。この価格でよくそこまでできるなと感動してしまいました。金粉もかかってたし。
お客さんに楽しんで食事をしてほしいというホスピタリティ、エンターテインメント精神が垣間見えます。
江戸前天ぷらに博多前天ぷら、果たしてその違いは?
メニューを見ていると、「江戸前天ぷら」「博多前天ぷら」という文字を見つけました。
いったい江戸前と博多前、どんな風に違いがあるのでしょうか?(博多出身なのに恥ずかしながら知りませんでした……)
さっそくどちらも注文!! まずは江戸前から!
海老(300円)、穴子(500円)、唐墨(からすみ)餅(300円)の3つを注文してみました。
海老、デカ~~~~!
ずっしり重いけど衣は薄くてサックサク!これは完全に海老の重さですね。
穴子も丸々一本!本当に贅沢だ……500円て……
熟練の天ぷら職人さんが、一つずつ丁寧に揚げてくれるのも嬉しいです。
唐墨餅は言わずもがな、お酒に合いまくる。ちびちびかじりながら食べたいヤツです。
この唐墨餅に合わせるのはこちら!
「KI NO TEA」という京都のクラフトジンを使ったハイボール!
メーカーさんのHPによれば、
室町時代に足利将軍が指定した後世宇治七茗園の中で唯一現存する「奥の山」茶園で栽培した玉露と碾茶(てんちゃ)を「季のTEA」のためだけに特別な配合でブレンドし、良質なお茶の深い香りと旨みをじっくりと引き出し蒸溜しました。
(季のTEA 京都ドライジン – The Kyoto Distillery より)
なんかすごそう。
お味はというと、滑らかな甘さにふわっと鼻に抜ける緑茶の香りが、天ぷらの油をすっきり爽やかにしてくれて美味しい!
おお~~!カラフル!
博多前天ぷらは「あ三五」直伝。旬の野菜や食材を練りこんだ伝統の練り物料理なのだとか。鹿児島のさつま揚げのような感じですね。
こんなふうに丸い形の練り物の天ぷら(通称 丸天)を、博多では「天ぷら」と呼んでいたことから誕生したそうです。
私が選んだ三種は左から「トリュフ・明太チーズ・トマトとモッツァレラ」。
実は練り物がそんなに得意ではないのですが、こちらの博多前天ぷらは食べた瞬間、驚きのもっちりジューシー食感で驚きました!
どれも美味しくて甲乙つけがたいですが、個人的にはトマトとモッツァレラがお気に入り!
それぞれの素材の味を存分に生かした博多前天ぷらは三種盛りだと少ないくらい、ペロリと食べられてしまうほど!全部の味を制覇したい……!
美味しい蕎麦で〆って最高!種類も豊富な絶品蕎麦
〆にはやっぱり蕎麦でしょう!
蕎麦は「更科」か「十割」を選ぶことができます。さらにつゆも数種類あり、どれも美味しそうで迷ってしまう……
悩んだ結果、店長さんのオススメだという冷たい蕎麦の「スープ ド ポワソン」(1,400円)をチョイス!
大勢で行って、それぞれ違うものを頼んでいろいろな味を試すのも楽しそうですね!
そうこうしている内に蕎麦の到着!今回は更科をチョイスしました。
うひょ~!綺麗!キラキラしている~~!
蕎麦ってこんなに美しかったっけ?!と思うほど、まばゆい光を放っていますね。
こちらがスープ ド ポワソン!南フランスの魚介スープに蕎麦を合わせようと思ったセンスがすごい!上質なポタージュのようで、もはやこのままでも美味しそうです。
添えられていたパルメザンチーズをかけていただきます!
蕎麦と合うのかなあ~と思いきや、これは美味い!濃厚な魚介出汁が絡んだツルツルの蕎麦が絶妙にマッチ!
更科そばは、そばの実を挽いた時に一番最初に粉になる中心部分(胚乳)のみを集めた一番粉で作られています。
蕎麦らしい香りは少ないですが、だからこそ、こういった濃厚なつけ汁に合うんですね……!蕎麦のほのかな甘みと喉越しが秀逸で〆に最高!
ちなみに、みんな大好き蕎麦湯は通常のつゆにのみ付いてくるので、蕎麦湯を飲みたい!という方は別途つゆを頼むのが◎
絶品なつまみたち、博多前と江戸前の天ぷら、そしてこだわりの蕎麦。何を取ってもこだわりすぎ贅沢すぎてすっかりファンになってしまいました……!
しかも、こんなにこだわっているとは思えないほどのリーズナブルさ。気軽に「蕎麦屋にぷらっと」立ち寄れる価格なのも嬉しいですよね。
店内の雰囲気も良くてリピート確実…!
居酒屋というよりはおしゃれな小料理屋さんのような雰囲気の店内。
カウンターのほか、個室やテーブル席もありますよ。ニュー新橋ビルの中にこんなおしゃれスポットがあったなんて!!
美味いツマミに、美味い酒、そして美味い蕎麦!そして最高のホスピタリティー!
全てが本気、全てが本物の博多の味を楽しめる「博多蕎麦酒場 蕎麦屋にぷらっと」、ぜひ足を運んでみてくださいね!
私は確実にリピーターになります……!
紹介したお店
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:不定休日あり