こんにちは。お魚に目がないライター、ジョーです。
原宿に、サーモンとイクラに並々ならぬ情熱を注ぐ「熊だ」というお店があります。ブランドサーモン食べ比べができたり、珍しいイクラが食べられたり、と鮭好き大歓喜のお店なんですが、なんと「せんべろセット」が異様にお得らしいんです……!
なんだその神店舗!オシャレな街の原宿でせんべろ?という疑問は消えませんが、とりあえず行ってみましょう!
本当にあったら原宿のせんべろ。そのおトクすぎる内容に驚愕…!
今回はせんべろメインでお店にやってきましたが、さっそくこんな看板がお出迎えです!
せんべろやってます!
1000円で…
最大4杯+おつまみ3品
チンチロで当たれば最大7杯
最大4杯&お通し3品で1,000円……なるほど、これはお得そうです。
点棒4本で好きな飲み物 or 肴を注文
まず、詳しいシステムを店員さんに教えてもらいましょう!
せんべろセットを注文すると、お通し3品に加えて、こちらの点棒4本が配られます。これをお酒やお料理と交換していくという仕組みですね。
次にメニューから好きなドリンクを選びます。サワー類やソフトドリンクは点棒1本、生ビールや日本酒は2本といった具合に、種類によって点棒1本〜2本と決まっています。点棒は飲み物だけでなく、食べ物メニューとも交換できますよ。
最大で+3本にできるチンチロ
なるほど、確かにおトクなせんべろやん……とウキウキしていると、
「チンチロで当たりが出ると、最大でプラス3点になります。全部の点棒を飲み物と交換したら7杯飲めますよ」と店員さんから。
これ以上何かくれるんですか!?っていうか、せんべろで7杯って聞いたことないよ!?と驚きながらサイコロを振らせていただくと……
はい、はずれました。
今回は残念ながら1本もゲットならずでしたが、
ゾロ目:+3本
四五六:+2本
2つの目が揃う:+1本
こんな感じで、当たりが出るとさらにお得になります。
それにしても、ドリンク最大4杯にお通し3品という基本セットだけでもお得なのに、これ以上何かつけてくれるなんて、いったいどういうシステムやねん……と驚きっぱなしです。
驚愕クオリティのお通し
当たりは次回にとっておくとして、今回は通常セットを存分に楽しませていただきましょう!というわけで、こちらがせんべろセットのお通し3品!
お通しの内容は日によって変わるそうで、この日は枝豆、ザーサイ、鮭のカマ焼き。全部、お通しにしては量がしっかりある……!
何より驚きなのがこちらの鮭カマ焼き。
すごく立派なサイズで、見るからに香ばしくて美味しそう……!
こ、こんなの1,000円セットのお通しで出していいんですか!?何ならこれ単品で1,000円とれるのでは?
身がフッカフカ!!この上で寝たくなるようなフカフカのやわらかい身です。
高級なお店で出てきても納得しちゃうような上品な脂のり。それでいてしつこくなくて、控えめにいってもめちゃくちゃ美味しい鮭です。塩加減も焼き加減もカンペキ!香ばしく焼かれた皮まで美味しくいただけちゃいます。
いったいどうやってこの値段で出しているんですか?と聞いてみたところ、丼で提供しているサーモン(丼については後ほど詳しく!)をさばく時に出るハラスやカマを利用しているから、とのこと。
さらに、こちらのサーモンは日本全国のブランドサーモンを鮮度のいい状態で仕入れ、その日のうちに使い切るというこだわりっぷりなのだとか……!どうりで鮮度が高くてこんなに美味しいわけですね。
点棒2本でこだわりの日本酒を飲んでみる
さて、こちらはお通しなので、4本頂いた点棒はまだ手付かず。ここから、お酒の種類によっては4杯も飲めちゃうのです。
ここでうれしいのが、点棒2本で日本酒も頼めるということ!!
日本酒縛りなら、せんべろセット1回につき日本酒2杯までいけますね。
気になる日本酒メニューはこちら。
酒屋さんから仕入れているのではなく、店長さんが見つけ出した日本酒を買いつけてお店に出しているそう……!なんというこだわりっぷりなのでしょうか。
点棒を2本出し、鮭の名前でもある「ときしらず」を注文してみました。
長期氷温熟成を経たお酒で、さっぱりとして酸味の主張が強め。なので、脂ののったサーモンにはぴったりの一杯!まろやかな口の中を、酸味でキリッと引き締めてくれます。
その時々でこだわりのお酒が飲めるなんてたまりませんね。
残り2本でお酒+おつまみを注文
残る点棒は2本。そのうち1本で、梅干しサワーを注文!
こっちもサーモンに合う……!やっぱり塩分と炭酸の相性って普遍的ですね。
さらに、こちらのサワー、2杯目からは、「濃いめ」もできるんだそうです。サワーだけをグイグイ飲みながら、おつまみをちょっとずついただく……という飲兵衛さん向けのパターンも可能なのですね。
最後の1本になった点棒で頼める、オススメのおつまみを店員さんに聞いてみました。
それで出していただいたのがこちらのポテトサラダ。
プレーンなポテサラにたっぷり載せられているのは、サーモンの明太和え!マヨネーズの酸味とコッテリ感に、明太風味がよく合います。
こってりとした味わいなので、梅干しサワーのスッキリさわやかな風味ともよく合います。
お通しのおつまみ3品に、ドリンク最大4杯。これで税別1,000円……ここ、原宿だったよね?と思わずにはいられない、超ハイクオリティのせんべろでございました。
イクラへのこだわりもハンパない…!うにイクラ丼もハイクオリティ
こちらのお店はせんべろはもちろん、国産のサーモンを使用した最高のサーモンやイクラの丼が楽しめます。
イクラにも並々ならぬこだわりがあると聞いて、我慢しきれず注文してしまったのがこちら!
イクラ生うに丼(2,680円・税別)です。
これでもか!とたくさん乗ったイクラ!プリップリのうに!めちゃくちゃ鮮度の高いうにイクラが出てきました!
特にイクラは一粒残らずぷりっと皮が張って、こだわりの強さを感じられます。
濃厚な味わいのイクラは、一粒一粒が大きい!食感もプリッとしているのに皮が薄く、噛むたびにはじけて口の中に深いコクと磯の香りが広がります。
「ときしらず」と一緒に食べても◎。うにもイクラも濃厚で、深いコクがあるので、日本酒でキュッと引き締める瞬間がたまりません。
この日はなかったのですが、運が良ければ「黄金イクラ」にも出会えるのだとか。
「黄金イクラ」はヤマメの卵で、大きなヤマメだけが生む特に大きな魚卵なのだとか……。
通常のイクラとはまた違った香りの楽しめる「黄金イクラ」は、お店には掲示しておらず、たまたま入荷していた時にだけ、しかも公式サイトやネット記事などで目にした人だけが注文できるのだそうです。
お店に行った際には、ダメ元で「黄金イクラ、ありますか?」と声をかけてみてくださいね!
イクラが大好物というこちらの社長さんが、イクラにもさまざまな種類があるということを知ってもらうために始めた丼なんだとか!食べてみたい……!
サーモンってこんなに種類あったの!?食べ比べ丼
「せんべろで出てくるハラスやカマは、新鮮なサーモンから切り出す」
と、先ほど聞いてから、もう気になって仕方ないのです。
そう!!サーモンの身がどんな美味しさなのかと!!
そこでお願いしたのが、サーモン三種食べ比べ丼(1,580円・税別)!
あれ?サーモン3種?サーモンに見えない魚ものってるよ?という疑問はいったん置いておきまして、ノルウェーサーモンからいただきます。
しっかりと角の立ったお刺身は、鮮度が高い証拠。
なにこれ肉厚……!とにかく脂のノリがハンパじゃありません!!
噛みしめるたびに感じるうま味、そして舌の上でサラァッ……とほどけていく脂身。脂の味が強いのにしつこくないのは鮮度が良いからなのでしょうか?めっちゃ旨いよ……。
次は長野県の信州サーモン。長野県が県をあげて、10年かけ開発したという品種です。
おおおおお!!!さっきと全然ちがう!
こちらのほうが肉質がきめ細やかで、キュッと引き締まっています。脂のノリはひかえめで上品、そのぶん魚の旨味と歯ごたえを楽しめます。
ノルウェーサーモンと信州サーモン、合うお酒も全然違いそう。これは飲み比べも捗るやつですね……。
続いて、一見サーモンには見えないこちら。
「シナノユキマス」という種類のお魚です。長野県の水産試験場にて、世界で初めて完全養殖に成功したのだとか。ユキマスの名の通り、銀色の透き通った身が美しいですね……。
歯ごたえはしっかりコリコリっとしていて、淡白な味わい。噛めば噛むほど味が出てくる感じ、なのに生臭さが全くなくて、ずっと口の中に入れていたくなります……。
サーモンなんて全部一緒でしょ?と思うなかれ!世界には、こんなにも美味しくて味わいの異なるサーモンがあったんですね……!
どんだけサービスいいの!?シメにお茶漬けがもらえちゃう!
せんべろセット1つにどんぶり2杯と、お酒と一緒に楽しんでいたらご飯が少し残ってしまいました。もったいないけど、どうしようか……と悩んでいたら、
「丼をご注文の方は、お茶漬けをサービスしています」と店員さんが。
な、なんだってー!!!
かなりお腹いっぱいでしたが、そんなことを言われては断る理由が見つかりません!
しかも、お茶漬けにのせる具まで選ばせてくれるそうです!!
明太子サーモンと、塩麹サーモン。
上記2種の中から選ぶことができます。今回は塩麹サーモンでお願いしました!
ダシ汁は、サーモンのアラからとったものだとか…!
このダシ汁にもお金払いたいくらい、ものすごい香り高さと旨味でした。
今回は残ったご飯をお茶漬けにしていただきましたが、ご飯を食べきっていても、追加で入れてくださるそうです。太っ腹!!!
結論、原宿とは思えない最強のせんべろ店だった
最後までいただいて気づいたのですが、
せんべろセットでお酒を多めに頼む→丼を頼む→ご飯を残す→茶漬けで〆る
っていうコンボをすれば、一軒で好きに酔えちゃう最強のせんべろ店なのでは…?
最後に、どうしてサーモンにここまで情熱を注ぐのかを尋ねてみたところ、「日本の鮭養殖産業への尊敬の念があるから」ということでした。
日本のサーモン流通の9割近くが外国産であるなか、日々美味しい国産サーモンを作ろうとしている人もたくさんいます。しかし、なぜか「養殖」というだけで、世間からはないがしろにされているように感じたそう。
原宿という外国人のお客さんも多い土地で、メイドインジャパンのサーモンの美味しさを知ってもらいたい!という思いから、「熊だ」をオープンしたのだそうです。
なるほど、それで努力の末に養殖に成功した長野県の2品種が食べ比べ丼にのっていたのですね……!
丼好きにも、お酒好きにも確実にオススメできる「熊だ」。お店は服屋さんのテナントがたくさん入ったビルの、地下一階にあります。
副都心線や千代田線の明治神宮前(原宿)からは徒歩5分ほど、JRの原宿駅からも徒歩10分ほどという好立地です!近くに来た際にはぜひ行ってみてくださいね。
紹介したお店
営業時間:月・水~日 11:30~20:00
著者プロフィール
ジョーさん。
料理研究家。世界に一つでも多くの幸せな食卓を作り出す仕事をしています。レシピの企画開発、執筆、撮影、レシピ動画の撮影・編集を行います。
公式レシピサイト「タベタノ?」:http://tabetano.main.jp/
Twitter:https://twitter.com/syokojiro
(企画編集:河瀬璃菜)