まいど憶良(おくら)です。
「バーって楽しそう、だけれどちょっと敷居が高くて行きづらいなぁ」とか、逆に「ありきたりのバーでは楽しめない、何か面白い所はない?」という人に教えてあげたいバーがあると聞き、大阪は心斎橋にやって来ました。
心斎橋から長堀方面に向かう途中の、このビルの5階にあるのが、
ここ、ゲームバー、コンティニューです。
ゲーム好きには夢のような場所です。
※(注 : 今回のお話では、ゲーム好きな方には細かいワードを楽しんでいただけるかと思いますが、ゲームを知らない方にはちんぷんかんぷんな言葉も多く含まれています。
でも、ゲームというものの楽しみ方に対する一つの可能性を感じて頂けるなら、こんなに幸せなことは有りません、という視点でお話は進んでまいります。
皆様にとって、新しいお酒の楽しみ方、また、楽しい時の過ごし方がプレゼンできれば大変ありがたい、という内容となっております。なにとぞご容赦とお付き合いをお願いいたします)
いくつ知ってる?豊富なゲームハード!
さてさて。
ゲームが好きな人からすると、これはもうお宝の山です。
ここに置いてあるゲーム機をあげてみます。
[エポック] カセットビジョン、スーパーカセットビジョン
[シャープ] ツインファミコン
[任天堂] ブロック崩し、TVゲーム15、ファミリーコンピュータ、ディスクシステム、ニューファミコン、スーパーファミコン、スーパーファミコンJR、ゲームボーイ、ゲームボーイポケット、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイアドバンスSP、バーチャルボーイ、ニンテンドー64、ゲームキューブ、ニンテンドーDS、Wii、Wii U、Switch
[セガ] マスターシステム、メガドライブ、メガドライブ2、ゲームギア、セガサターン、ドリームキャスト
[NEC] PCエンジンコアグラフィックス、PCエンジンDUO
[SONY] MSX2、プレイステーション2、プレイステーション3、プレイステーション4、PSVR、PSP
[マイクロソフト] Xbox、Xbox360
[バンダイ] ワンダースワン、プレイディア
[SNK] NEO GEO、NEO GEO CDZ
[パナソニック] 3DO REAL
人によっては懐かしい、そうでない人には全く何のことだかわからない、呪文文字の羅列としか考えらない名機が揃っています。
驚くことに、かなりの数のハードが実際に稼働するとの事。
実際、懐かしのハードを目にしただけで、胸にこみ上げるものがあります。
個人的には、バンダイRX-78や、PCエンジンシャトル、セガSC-3000、セガMARKⅢなんかがあると涙が5リットルほど出たかもしれません。
このゲーム機についての思い出や裏話を書いていってもいいのですが、死ぬほど話は長くなり、しかもついていけない方が続出する可能性が大なので、ずっぱりとカットして話を続けましょう。
もちろんそこに加えて、ゲームソフトもずらりと並んでいます。
1000本は下らないソフトの中にはマニアなら垂涎物のお宝も。
へたな中古ゲーム屋さんも真っ青なラインアップです。
うぉおぉぉぉっ、パワーグローブまであるっ!
おわかりいただけましたでしょうか。
ここにはさまざまなゲームが置いてあります。
ゲーマーなら反応せざるを得ないカクテルメニュー
それでは、早速カクテルメニューより、「ゴエモン」を注文。
ゴエモンという言葉で想像するのはやっぱり赤色。
赤い衣装と、和風世界なので日本酒ベースのカクテル。
飲みやすい、その割にはちょっとアルコール高めに設定されたカクテルです。
もう一品は、「ソニックザヘッジホッグ」をイメージしたカクテル。
ソーダベースで、当然青くて、トニックを使った・・・。
ソニックな感じのカクテルです。
ドット模様のコースターに乗せられて、マサシ君ハイ、出来上がりです。
みんなで盛り上がれるボードゲームも600タイトル以上!
もともとゲームの話が出来るようなバーって無いよなぁ、そんな店、どこかにないかなぁ。と考えたマスターのTOMOさんが、無いなら作ろうと立ち上げたお店だということですが、いわゆるTVゲーム、コンシュマーゲームなんていうゲーム以外にも、ボードゲームなんかも色々と取り揃えています。
ボードゲームをしたこともない、という方でもすぐに楽しめる、簡単ルールでしかも奥の深いゲームから、笑い声が止まらないほどバカバカしくも長時間楽しめるゲームまで、600タイトル以上のボードゲームがこれまた所狭しと置かれています。
実際にいくつかのゲームで遊ばせていただいたのですが、どれもこれも面白くて、それでいて奥深く、駆け引き要素と、素人でも勝てる可能性がある、運の強さも勝利のポイントとなるゲームばかりで、あっという間に時間が過ぎる事必至のお店でした。
こんな感じのゲームはありますかと聞くと、豊富なタイトルからお勧めゲームを紹介してもらえます。
ボードゲームがきっかけで今まで全然知らなかった人同士が友達になれたりもします。
出会いの場としても、人生にスパイスを加えてくれるお店としても貴重な存在です。
この取材の最中にもたくさんのゲームを紹介して頂き、本当はしてはいけないのかもしれないのですが、取材なんてすっかり忘れて大笑いを連発させていただきました。
人気メニュー「ラージャン麺」は必食!
いかんいかん。
グルメレポも入れなければ。
フードメニューから大人気の一品、ラージャン麺。
コンティニューのオリジナルメニューです。
超有名モンスター狩りネットワークゲームの人気獣「ラージャン」と、同じ名前の 豆板醤の一種、辣醤(ラージャン)を使用。
汁なし麺感覚で、底の特製ラージャンソースをしっかりと混ぜ混ぜして、美味しくいただきます。
ゲームキャラと中華調味料の、正にハイブリッドメニュー。
食べる時に汁が飛んでゲーム機やボードにかかるのでは、という心配もあまりしなくていいかも。
TOMOさんに開発秘話をお聞きしました所、
「いやいや、そんなに気合の入った秘話は無いんですが、人気キャラクターと同じ名前の調味料があるという事で、このラージャンを活かしたメニューを、と作った物なんです」という事でした。
これも人気メニューのゴア・マガラ麺
これもコンティニューオリジナルメニュー。
きざみ海苔とペースト海苔のダブル海苔でノリノリの味。
そこに黒ゴマが入って
もう麺は黒々してます。
始めて食べるのに、どこか懐かしさも感じる不思議な味にはまる人も多いという人気メニューなんです。
どんなマニアックな話にもついてきてくれるマスターがスゴい
マスターのTOMOさんにインタビューさせて頂きました。
憶良 : ずばり、このお店のコンセプトは何でしょう。
TOMOさん : この店を開くきっかけは、ゲームの話を出来る場所が欲しかったという事です。
青春期にゲームにハマった者にとっては、ゲームの話をすることも楽しみのひとつなんです。
でも、社会人になると、なかなかゲームの話ってしにくくなるのが現状です。言ってみれば、自分が欲しかった空間の構築、というのがコンセプトとなっているかと思います。
憶良 : これはファミコン時代なんですけれど、実は私自身がゲームのプロデューサーやプランナーの仕事をしていたこともあって、こういう所でお酒を飲みながら、その当時の話が出来る場所があること自体、本当にうれしいんです。
TOMOさん : そうそう、うちには元ゲーム業界の人、現役のゲーム業界の人も結構来られます。
業界の人の中にもやっぱり青春期にやったゲームを見ながら、思い出話をしたり、また開発当時の思い出話に花が咲いたりと、色々な楽しみ方をしていただいています。
その当時のゲームについても、その前の世代のゲームについても、とにかくTOMOさんの話が面白い。
かなりマニアックな話を振っても、しっかりと付いてきてくれます。これはもの凄い事です。
ゲームという一つのキーワードで、もう何十年来の、同じ時代を生きた友達という感覚を持てるという事実に、ちょっとびっくりしました。
この感覚は、たまたま同じ地方の出身だったことがわかり、あのスーパーがどうとか、学区はどこだとか、方言とかで盛り上がる感覚に似ていると思います。
憶良 : ゲーム、というキーワードで、人との距離がこんなに突然縮まるって、これは凄い事ですよね。
TOMOさん : コンティニューではレトロゲームが中心となって、そういう空間づくりが出来ていると思います。
自分の好きな事が、お客さんの楽しい時間の中心にあるという事に感謝ですね。
お客さん同士でも、同じ楽しみを共有できる仲間意識にも似た雰囲気が、自然と新しいお客さんを受け入れる空気を作っているので、意外かもわかりませんが女性のおひとりさまもよく来られます。
憶良 : このお店をやってて良かったと思う事は?
TOMOさん : 知らないお客さん同士がゲームを通じて友達になっていく様が見られることですね。
憶良 : ゲーム中なら 「ヨシヒコが なかまに くわわった」なんてシーンをよく見ますが。
TOMOさん : さっきまで知らなかった人同士がここで出会ってゲームをし始めて、帰る頃には仲良くなってて、以来友達、なんてシーンはよく見ます。
憶良 : 女性一人で来られる事もあるとの事ですが、ここで仲良くなって、カップル成立とか、結婚なんてこともあるんでしょうか。
TOMOさん : そうなんです。
別々に来た人が、私もそのゲームに入れてもらってもいいですか、というきっかけで仲良くなって、常連さんになって、何度も話しているうちにカップルになって、結婚。
というパターンは、この店では「あるある」です。
とてもそれは嬉しい事なんですが・・・。
憶良 : 嬉しい事ですが・・・?
TOMOさん : 結婚してしまうと新婚生活が楽しくて、ウチに来てくれなくなるんですよ。
一気に常連さんが二人いなくなる、これはなかなか厳しいですね。
でも、そうなったからには絶対ずっと幸せでいて欲しい、願うのはもうそれだけです。
憶良 : ドラゴンクエストというゲームの中に出てくる、冒険者が出会って仲間になる酒場ルイーダ、その現実版のような店ですね。
壁のあちこちに飾られたドット絵のキャラクター達を見て、これって何のゲームだったっけ、とか、その裏技がどうのこうのとか・・・。
懐かしいなぁ、ファミコンベーシック、とか、親がファミコンじゃなくてMSXを買って来たんで、それがきっかけで自分でゲームをプログラムしてたんだとか、
ワンボードマイコンで、ハンドアセンブルしてマシン語を16進キーで入力してプログラムしてたよ、とか・・・。
マニアック過ぎて一般の方が全くわからない話も延々楽しめそうですが、ゲームを全く知らない人でもボードゲームで気軽に楽しめる。
あっ、次、このゲームもしてみたい、なんて、これまた延々遊べます。
このまま居ついてしまいそうで怖いので、今日はこの辺でセーブしておきましょう。
コンティニューは18時からスタッフさんの力が尽きるまで営業しています。
いつの間にか夜も更けてきました。
お楽しみはまた、この店で、コンティニューしましょう。
今回ご紹介しましたお店については、公式ページでチェックを!
心斎橋の歓迎会・送別会におすすめのお店
プロフィール
憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。
ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。
休日は高速道路を使わずに名古屋から鳥取あたりの温泉に行って浸かり、道中や行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込むと例え深夜に帰ったとしても料理する。
その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。
「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に悪いことを考える人はいない。」という持論を持っている。
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