こんにちは。料理研究家の河瀬璃菜です。
最近、巷で「アフタヌーンティー」が流行していますよね。美味しいお茶に、季節に合わせたお料理とかわいいスイーツを、贅沢な空間でいただけます。
そんな体験、ぜひしてみたい!と思う一方で、「アフタヌーンティーって、食べ方に順番はあるの?」「服装がわからない!」などマナーがよくわからないという方も少なくないのではないでしょうか?
少しハードルが高そうだと感じてしまいがちですが、今回はそんなアフタヌーンティーのマナー・お作法について学んできました!この記事を読んでお出かけすれば、マナーもばっちりですよ♪
【もくじ】
これでもう恥をかかない!アフタヌーンティー基本のマナー
マナーについて教えてもらうためにお邪魔したのは、帝国ホテル本館17階の「インペリアルラウンジ アクア」。
大きな窓からは皇居や日比谷公園を臨むことができます。17階とあって、素晴らしい眺めです。夜はバーになり、夜景も素敵なのだとか。景色の美しさと開放感にテンションも上がります(土日の窓際席は人気のため、予約をしておくと◎)。
そして、今回アフタヌーンティーについて教えてくれるのが、インペリアルラウンジ アクアの副支配人 大江康一さん!
マナー講座の講師などもされているスペシャリストです。大江さん、本日はよろしくお願いします!
なお、取材では、2017年8月30日から10月31日まで開催されていた「英国フェア」のアフタヌーンティーメニューをいただきました。インペリアルラウンジ アクアでは、2カ月に1度メニューが変わっており、毎シーズン趣向を凝らした企画を楽しむことができますよ。
お料理について
アフタヌーンティーでいただけるお料理を図にしてみると、このような感じ。
アミューズにスープ、サンドイッチに温料理、スコーン、デザート、チョコレートといったお料理たち、そして紅茶やコーヒーなど含む約30種類のドリンクを何杯でも楽しむことができるのです!
……と、品数が多いのはうれしいけれど、いったい何から食べていいのかわかりません!
「アフタヌーンティーってたくさんお料理の種類もあって、どれから食べたらいいかわからないのですが、ルールなどあるんですか??」
「はい。アフタヌーンティーは下から順番に食べていくのがルールとされています。今回ですと、アミューズ→スープ→サンドイッチ→温料理→スコーン→デザート→チョコレートといったイメージです」
「なるほど!お皿の中でも順番はあるのでしょうか??」
「これといった決まりはないのですが、色が薄いもの、味が薄いものから食べるのが好ましいですよ。濃い味のものを先に食べてしまうと、味がわからなくなることもありますので」
「奥が深い・・・!きれいにお皿に並べられているお料理はどのように取り分ければいいのでしょう?手で取っていいのかどうか悩んでしまいます」
「そうですね、やはりナイフとフォークを使って取り分けるのが美しいです」
▲手で取るよりナイフとフォークを使ったほうが美しい!
「一口でなかなか食べられないものは、このように切って食べるといいですよ」
▲一口で食べられないものはナイフとフォークで切って食べましょう。
「なるほど。ナイフとフォークを使えば間違いはないのですね!」
「はい。基本はそうですが、パンの場合は違います。パンはナイフとフォークを使わずに、手でちぎって食べるのがマナーです。キリスト教において、パンはイエス様の肉体だと言われているところから来たそうですよ」
▲パンだけでなく、スコーンも手で割って食べましょう!
飲み物について
「紅茶や飲み物の種類がとても豊富にありますが、替えてもらう際はどうしたらいいでしょうか?」
「基本的にはポットの中身がなくなっていなくても交換はOKですが、1杯目と2杯目では紅茶の味わいも全く違うので、どちらも楽しんでいただきたいなと思っております。イギリスの紅茶は全てミルクに合わせたものとなっているので、1杯目はそのままストレートで飲んで、2杯目はたっぷりミルクを入れるのがオススメですよ」
▲1杯目はストレート、2杯目はミルクたっぷりで。たしかに、ミルクを入れると茶葉のタンニン(渋味)がまろやかになり、格別の味わいでした!
「そうそう、紅茶を飲むときは、ソーサーを持ち上げて飲みましょう。このマナーは、知っているとグッと品が良く見えますよ」
▲ローテーブルの場合、ソーサーをきちんと持って飲むと優雅で品が良く見えます。
服装について
「服装に決まりなどあるのでしょうか?」
「男性の方は素肌の見える履物がNGですが、基本的にはレストランに赴く服装であれば問題ございません。服装や食べ方など色々なマナーがあり難しそうに感じるかと思いますが、マナーさえしっかりと押さえておけば、人種や文化が異なる人たちとも安心して食事やティータイムを楽しむことができます。逆に、覚えてしまえば不安になる必要もないんですよ」
「なるほど・・!確かに一度覚えてしまえば、この時どうしたらいいんだろう・・と不安になる必要もないですね!大江さん、本日はありがとうございました!」
まとめ
・アフタヌーンティーは下から順番に食べましょう(スコーンはデザートの前)
・迷ったら色が薄いもの、味が薄いものから食べましょう
・取り分ける際はナイフとフォークを使いましょう
・食べにくいものはナイフとフォークで切って食べましょう(パン、スコーンは手で)
・紅茶は1杯目と2杯目の味わいの違いを楽しみ、2杯目はたっぷりミルクでいただきましょう
・紅茶を飲む際、ソーサーも持ち上げていただきましょう
・服装はレストランに赴いてもおかしくない服装で。男性は履物に注意!
アフタヌーンティーへお出かけの際は、上記のルールをおさえておけば恥もかかずにすみます!楽しい時間を過ごしてくださいね。
まさに帝国ホテルのいいとこ取り!アフタヌーンティーの全貌を紹介します
さて、ここからは取材でいただいた、帝国ホテルのアフタヌーンティーメニューを紹介します(2017年8月30日から10月31日まで開催されていた「英国フェア」のもの)。
これぞフォトジェニックの極み!という豪華なお料理たちにうっとり・・・。どこから撮っても抜かりなく素敵です。
お料理は全て帝国ホテルのシェフ、パティシエ、ブーランジェが作っており、ティーインストラクターの資格を持つスタッフや、バーテンダーが考案したオリジナルの紅茶のカクテル(ノンアルコール)もいただけるという、まさに帝国ホテルの「イイとこ」の詰め合わせを堪能することができます。なんて贅沢なんでしょうか……!
【アミューズとスープ】
「英国産スティルトンチーズとブロッコリーのスープ」(左)と、アミューズの「英国産のチェダーチーズとサラミのピンチョス」(右)。濃厚なチーズのスープがクセになります。2017年10月31日までの英国フェアでは、食材も英国から取り寄せたものを多く使用しているのだとか。
【サンドイッチ】
ケーキスタンドの一番下はサンドイッチ。「卵と胡瓜のサンドイッチ ミント風味」「トマトブレッドのシュリンプサンドイッチ」「コロネーションチキンサンドイッチ」「スコティッシュスモークサーモンのタルティーヌ」が並びます。見た目にも華やかでステキですよね。
【温料理】
ケーキスタンドの真ん中は温料理。「鱈のフィッシュアンドチップス」(右)と「コーニッシュパスティ」というミートパイのようなお料理(左)。フィッシュアンドチップスはモルトビネガーとタルタルソースをたっぷりつける本格的な食べ方を楽しめます。
【デザート】
ケーキスタンド一番上はデザート。「レモンのカップケーキ」(手前中)と「アップルクランブル」(手前右)、「コーディアル(※)のゼリー」(手前左)「ラズベリーのマカロン」(奥)!色鮮やかでカワイイですね。思わず写真を撮りたくなってしまいます。
※コーディアル:ハーブなどから作る甘い飲み物のこと。
【スコーンとクロテッドクリーム&ストロベリージャム】
さらに、アフタヌーンティーといえばコレ!プレーンスコーンと英国産のクロテッドクリーム(バターと生クリームの中間のようなクリームで、濃厚でコクがあるのにしつこくない味わいです)、ストロベリージャム、そこにチョコレートまでついて1セットとなっています。
私の中のアフタヌーンティーのイメージは、「スコーンやお菓子を食べて、紅茶を飲むくらい?」といった浅はかなものでしたが、これはもはやコース料理ですね。ランチの代わりにいただくのにもピッタリです!
気になるお値段ですが、これだけの料理とスイーツ、景色にラグジュアリーな空間を楽しめて、4,860円(税込・サービス料別)。少し背伸びをしたい日や贅沢をしたい日にオススメですよ♪
美味しいお料理にスイーツ、約30種類の飲み物を素晴らしい景色を眺めながら頂くアフタヌーンティー。想像していたより、グッと奥が深く素敵な時間を堪能することができました。
彼や旦那様とデート、女子会やお仕事のミーティング、お子様づれやベビーカーもOKなので、のんびりママ友とランチなど様々なシーンで楽しめそうなアフタヌーンティー。筆者は正直ハマりそうです!
皆様もぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
取材したアフタヌーンティー
帝国ホテル東京 インペリアルラウンジ アクア
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル東京本館17階
TEL:03-3539-8186
営業時間:11:30~18:00(アフタヌーンティー)
価格:英国アフタヌーンティー 4860円(税込・サービス料別)
HP:http://www.imperialhotel.co.jp
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください
※お酒の提供については、現在、国や自治体の要請に準じています
著者プロフィール
河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)
1988年5月8日生まれ。福岡県出身。
レシピ開発、商品開発、レシピ動画制作、企画執筆、編集、イベントメディア出演、料理教室など食に纏わる様々なお仕事をしています。
時短、ズボラ、ねと飯系が得意。料理ができない人でも作ってみたくなるレシピを提案します。
著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」 など
Blog: http://lineblog.me/linakawase/
Twitter:https://twitter.com/linasuke0508