シメの野郎肉鍋がド迫力すぎる!ウザい系居酒屋を名乗る荻窪「牛タン工房鎌倉ハム」が楽しすぎた件

荻窪駅南口を出て徒歩2分の場所にウザいサービスをウリにしている『牛タン工房鎌倉ハム』があります。店内には牛のオブジェが置かれ、おしぼりはかわいいヒヨコ型。お箸にはおみくじが付いています。一度体験してしまうとまた仲間を連れて行きたくなる、少しビックリして意外性・エンタメ性があるお店なんです。(ビール・ビアガーデン 東京)

シメの野郎肉鍋がド迫力すぎる!ウザい系居酒屋を名乗る荻窪「牛タン工房鎌倉ハム」が楽しすぎた件

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楽しい飲みの席を盛り下げてしまう邪魔な存在、それは「ウザい人」。

 

「ウザい人」の定義は人それぞれなので、ここでは「アイドルについて知識のない人ばかりいるなかで、ひとり熱烈に『それって例えるなら××(アイドル)ちゃんだよね! 実は彼女って~』などと語りだすような人」としよう。

 

それ、聞いている側はどう反応すればいいのよ!

ウゼェ!!

誰だこいつを呼んだのは!!!!

 

このような、ウザい人による飲み会クラッシュ問題は有効な解決策がなかなか見つからない。面と向かって「お前、ウザいよ」なんて言えないし……。

 

どうしてこんな話をするかというと、先日変なお店を発見したからだ。

お店の名前は『牛タン工房 鎌倉ハム』。

こんな名前だが総合居酒屋……というだけでなく、なんと自ら「ウザい店」と称し、「ウザいサービス」をウリにまでしているのである!

 

楽しく飲む場所である居酒屋なのにウザいって、何考えてるの?

そこにウザい人と一緒に行ったら、飲みの途中なのに「不愉快だ! 帰る! 釣りはいらん!!」と万札を机に叩き付けて店を出ちゃうんじゃないの?

 

興味がわいたので、ウザい店『牛タン工房 鎌倉ハム』に、自分の知人のなかでも選りすぐりのウザい人を連れて行ってみることにした筆者(私)。ウザい店&ウザい飲み相手……自分で設定しておきながら、予約完了の段階でもう軽く後悔し始めた。地獄が待っていないことを祈るばかりである……。

 

ウザい知人を連れてウザい店に入る……

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牛タン工房 鎌倉ハム』荻窪店は、荻窪駅南口を出て徒歩2分のビルの3階。

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店内は落ち着いた雰囲気で、とてもキレイ。……なのだが――

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いたるところに牛がいる。

特に、店内中央に配置されたサーモンピンクの牛の像は存在感が若干ウザい。しかし、お店の人によると「お子様に大人気で、一緒に写真を撮るご家族が多いですよ」とのこと。確かに、筆者の目の前でも記念撮影をするご家族がいて、その姿込みで見るとウザかった牛が可愛く思えてしまうのだから不思議なものである。

 

待ち合わせに20分遅刻をして現れたのが、冒頭で挙げた「ウザい人」の典型、筋金入りのアイドルオタク・N村氏だ。知識豊富だしオタクであることはいいのだが、話がやたら長い。

f:id:shimazukio:20170530184203j:plain到着するやいなや、遅刻を謝りもせずいきなり「“まねきケチャ”の藤咲真有香ちゃんが卒業しちゃう、これからは中川美優ちゃんとか4人体制らしい」などと切り出すN村氏。いきなり知らない固有名詞をひたすら連発され大困惑の筆者。誰だこいつを呼んだのは!! 私だ!! ちょっと耐えられない、早く肉が食べたい。

 

飲み物からしてウザい、がここで絆が生まれる

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席に案内され、まずは生ビールを注文。ああ~冷えたビールが冷えきった心を温めてくれる~~最高~~~!!

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N村氏は、牛タンの聖地・仙台のご当地サイダーである『牛タンサイダー』を注文。待っている間に「いやぁ、すごく素敵な雰囲気でありつつも、牛のオブジェなど突っ込みどころ満載な、いいウザさがありますね!こういう、正当派の魅力と突っ込みどころの合わせ技って大事だと思うんですよ。 “ベボガ”が“虹コン”の黄組になった例の件みたいに」と、まったく理解できない例え話を開始するも――

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到着した『牛タンサイダー』を飲むやいなや、いきなり無言に。

突然黙られると不安になるもので、「もっとアイドルの話してもいいよ!」と声をかけたところ無言で『牛タンサイダー』を差し出すN村氏。

 

飲んでみると、サイダー特有の酸味とシュワっとした刺激、爽やかな甘み……そして最後に残るかすかな牛タン風味! 軽めの地獄だ。思ったより不味くはないが、この味、確かに無言になる。

 

筆者が「牛タンの風味がウザ……驚きですね」と言ったところ「なかなか経験できませんね」とN村氏。彼とこの日初めてちゃんとした会話ができた。ありがとう牛タンサイダー。

 

次々繰り出される微ウザなやりすぎサービス

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おしぼりはヒヨコ型。カワイイ。しかし、これをいくつも折る店員さんはウザさを感じているのではと想像してしまう。

 

注文を開始して気づいたのだが、テーブルにお箸がない。

店員さんに声をかけると「待ってました」とばかりに、箸が100膳ほど入った巨大な器を持ってきた。

f:id:shimazukio:20170530185225j:plainお箸には、おみくじが付いている。

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筆者の結果は末吉だったのだが、書いてあるおみくじ内容が「気持ちいいと思ったらチャック全開だった」など……いちいち小ネタを挟んでくるこのウザさ。でもここまで徹底するとむしろ心地よい。

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N村氏は大吉を引き、ドヤ顔。

 

N村氏「日頃の行いの良さですよ。僕は夢に向かって頑張っているアイドルに課金して支えている、いわば慈善家ですから。これ、いま推してる“天晴れ!原宿”の、ゆりちーなんですが~」

 

ウザくて心地よい、むしろ楽しいお店の雰囲気にのまれたためか、N村氏のアイドル話までウザ可愛く思えてきた。この勢いにのって料理もどんどん注文しよう! 

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と思ったら、「つきだし」はサイコロの目によって量が2倍・3倍となるギャンブル仕様で、勢いが削がれ若干ウザい。

 

でも、サイコロを振ると意外と楽しい。2倍を引き当てた筆者は大人げなく「3倍狙いだったのにー!」と叫んでしまった。完全にペースがお店に持ってかれている……!

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しかも、お店自慢の鎌倉ハムがとても上等で、週替わりのソース(この週はオーロラソース)も凝っていて美味しい! 料理への期待が高まりまくりだ!

 

フードはどれも美味、のうえに軽ウザなひねりが!

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まずは、1日10食限定の『レッドカーペット』を注文。

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鮮烈な印象を与える赤身の馬刺しで、塩ダレとにんにく醤油を絡めて頂く。くさみ無しでコクしっかり、これはよい馬肉! 馬刺しがお好きな方はマスト!

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次に、店名にも出ている看板メニュー『厚切り牛タン焼き』を注文。弾けるような強さのある噛みごたえのあとジュワーッと口に拡がる旨み、これはほんとに抜群の美味しさ!

 

N村氏も「いや、これ本当に美味しいです!」と絶賛。仕事の関係でちょくちょく仙台に行く機会のあるらしい彼から見ても、極めてレベルが高いとのこと。

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肉ばかりになったので野菜も摂らなければと思い、『葱辣油のせ超極太メンマ』を注文。野菜なのかどうかは分からないが、食物繊維は豊富だろう。

 

そして現れたのは、1枚の……なんて言えばいいんだこれは。少なくとも、筆者の知っているメンマの形ではない。

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「好きな太さに切ってください」と言われ、贅沢に幅2cmほどに切って頂いてみたところ――

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味は確かにメンマ。上からかけられたニンニク入りのラー油ソースがコク深く、ひとつの料理として完成された味になっている。しかも、幅広にカットしたので食べごたえも抜群だ。

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次は正統派で攻めようということで、サラダメニューの中から『ダンシングシーザーサラダ』を注文。ダンシングらしい。

 

店員さんが目の前で作ってくれるとのことで、よくわからん踊りでも披露してくれるのだろうかとワクワクしていたところ、「今から作らせていただきますが……踊りませんよ」と先にクギを刺される。

 

なんでも、シンガポールで流行の「ダンシング・クラブ」スタイルで供されるとのことだが、よくわからない。

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店員さんが、ドレッシングから目の前で手作りしてくれる。「とにかく、みんなでワイワイと食べられる、そんなスタイルなんです」なんて説明を、ふむふむと頷きながら聞いていると――

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突然、テーブルの上にビニールシートを広げ、サラダをブチまけた店員さん!

 

おい!何やってんだ!これはウザい!

「これがダンシング・クラブのスタイルです。これを、みんなでムシャムシャと食べる。なんなら手づかみをしたりして、和気あいあいと楽しむ、そんなメニューです」

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手作りのドレッシングは茶筅で混ぜられているためかとても滑らかで、野菜のおいしさをこれでもかと引き立ててくれて文句なしに美味しい。

 

机の上にブチまけられているようにしか見えないのに、本当に美味しい。悔しい。

 

フード部門とドリンク部門の「ウザさナンバーワン」はコレ!

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肉、野菜ときたら、次は魚介類だろう。ということで、『魚介の散らかし』を注文。

 

エビやサーモンやマグロが非常に美味しくて、ウニまで載ってるじゃないかと非常に嬉しくなった。

非常に嬉しくなったんだけども……

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▲ヒント

 

店員さんがこれを置く時に「当店一のウザさを誇るメニューです」と言っていた理由がわかり、歯ぎしりするほかなかった。

この悔しさを皆様にも味わっていただきたい。

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▲N村氏もこの表情である。

 

ビールがなくなってきたころ目に入ったのが、テーブルの脇にある謎のチューブたち。f:id:shimazukio:20170530185823j:plain「柚子」「梅」「生姜」「レモン」「グレープフルーツ」「抹茶」……これは、サワーを頼んだお客さん向けに、自分好みのMIXで味を作って下さいという試みらしい。

 

題して、『自己チュー』(ネーミングも軽くウザい)。

「柚子+レモン」とか、生姜を少し入れてピリッとさせるとか、勝手気ままに楽しめる。これは楽しみ!

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サワーを頼んだところ、登場したのは懐かしの「黒ひげ危機一髪」。

店員さん「こちら、焼酎1回ご注文いただくたび、剣を2本刺すことが出来ます。みごと黒ヒゲを飛ばしたら、ジョッキの大きさが2倍に!

 

ちなみに外れた場合は、そのまま次のオーダーに回される。何回も頼めば当たる可能性が高くなるし、他のテーブルが失敗して剣が刺さりまくってる時に自分がオーダーを入れると、かなり当たりやすい状態からチャレンジできる。

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▲左が2倍サイズ

なお、筆者は2回目の挑戦でみごと成功! 2倍サイズのジョッキをゲット。

こちらのお店、たしかに色んな小ネタやイベントを仕込んでいてウザいのだが、お客さんを楽しませるためのものなので「ウザ楽しくて、ウザ美味しい」のだ。これは素晴らしい。

 

N村氏も「いいですよね、このお店。エンタメ性と美味しさを兼ね備えていて。こないだの武道館のアイドル博、あれも物販や接触や特典とは別に、いかにエンタメ性を生み出すイベントに出来るかがアイドル業界としての」

 

ただただシンプルにウザい彼までも愛おしく思えるから、本当に不思議。

 

あの「ドカ盛りラーメン」インスパイアの鍋も!

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呑んで食ってアイドルのウザ話を聞いて、最後の〆に『野郎肉鍋』を注文。こちら2人前なのだが、超巨大である!

 

ホルモンと豚肉と牛肉、そしてモヤシやキャベツにフライドガーリックをトッピングした物を、濃い目の豚骨スープで煮込んだ鍋で、頂上に刺さった水菜も含めて、まるでチョモランマのよう。

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▲煮立ったところで崩されていくチョモランマ

 

筆者「あのー、これ、構成している物質が“大ブタダブル、ニンニクマシマシ、野菜チョモランマ、アブラカラメ”のアレと同じような気がするんですが」

 

店員さん「その通りです。アレからヒントを得て、それにホルモンを足しコクを増強した究極の鍋になります。〆に麺を用意していますので、是非。本格的な太麺です」

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▲麺に行く前に、まずは鍋をいただく。豚骨のしっかりしたうまみが野菜の芯まで染み渡り驚くほどおいしい!

 

店員さん「皆さん、飲んだあとって〆のラーメン屋に行ったりするじゃないですか。だったらウチで、すべて済ませて満足していただこうと。そういう試みです」

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▲しっかりした太麺が旨みの凝縮されたスープを抱き込み、満腹中枢がおかしくなったのかと思うほど脳が麺を欲してしまう。

 

N村氏によると「かなり完成度が高い本格派。この鍋だけでも、三田に店を出せば本店の客の半分を連れて来れる水準。例の店と違う点は、こちらは殺伐とした空気がない点。あちらは、注文に手間取るとギルティーです。ところで店員さんは流してくれたけどチョモランマはあくまでローカルルールですから気をつけて」とのこと。

 

はじめてN村氏の解説が役に立った。でも最後のくだりは要らない。

 

まとめ

「お客さんの記憶に残るお店を作りたくて、ウザさをコンセプトにしたんです。ただ、ウザいといっても嫌な意味ではなくて、少しビックリするような意外性、エンタメ性がある、といったほうが近いですね。『なんだろう、このお店は』と思ってもらえたり、1度ご来店されたお客様が誰かを連れてもう1度来たくなったりする、ちょっと変で面白いお店、そんな存在になれたらいいなと思い、今に至ります」と店主さん。

 

確かにこちらのお店、最初はやることなすこと全てが微妙にウザいと感じるのだが、料理は美味しいうえにウザいといってもそれがだんだん興味に変わっていく、不思議さがある。言ってみれば、ジェットコースターのようなお店だ。

 

ウザい人の定義もそれぞれ、ウザい店の定義もそれぞれ。ウザいと思っていたN村氏への印象も少し変えさせてくれて、楽しい時間まで提供してくれた『牛タン工房鎌倉ハム』。皆さんにもゼヒ、1度足を運んでいただきたいお店である。

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ちなみにこの日、1番ウザかったのはお店でもN村氏でもなく、「値下げ交渉不可」と明記しているにもかかわらず「こちらの商品、半額で売ってくれませんか?」とコメントしてきて、「無理です」と返したら「クソ出品者○ね」的な捨て台詞を吐いていった某有名フリマアプリのユーザーであった。

 

r.gnavi.co.jp

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。

 

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著者・SPECIAL THANKS

シマヅ

ライター/シマヅ

1988年生まれ。フリーライター。 武蔵野美術大学造形学 部芸術文化学科を卒業後、2年ほど美術業界を転々としていたが現在は主にWEB上で文章を書き生計を立てている。女性向けコラム、インタ ビュー記事、グルメレポート、体験記事など、幅広い分野で執筆活動を行う。

https://twitter.com/Shimazqe

 

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