同僚がウザイ!
上司がウザイ!
友達がウザイ!
パートナーがウザイ!
世の中のすべてがウザイ!
あーもう何でもいいから、木っ端みじんに破壊してェ!!
……このように、人はストレスがたまると攻撃的になるものです。
筆者(私)もご多分に漏れず、夫が夜中にコソコソとカップラーメンを3つとか食べているのを発見すると「メタボにならないよう献立に気ぃつかってんのに!ふざけんなこいつ絶対明日土に埋める!」と、内心ブチギレることもしばしば。
こうして日々ストレスを溜め込み続けるわけですが、とはいえ口より先に手が出てしまったら人間関係や仕事などの培ってきたものが全てパー、人生終了です。
ストレスも、ストレスからくる破壊衝動も、どっちも合法的にスッキリさせてくれる何かがほしい!(教えてくれ)
しかし、合法的に破壊願望を満たしてくれるモノは少ないのが現実。
皿を家の壁に投げ叩き割るのは掃除が大変で余計ストレス溜まりそうだし、銃の乱射は合法じゃないし。
……銃?
ああ、そうだ!
射撃!射撃だ!!射撃なら、合法で銃(エアガン)が撃ちまくれるし物も破壊し放題じゃないか!!
ということで、日々のストレス発散をすべく射撃のできるお店を探していたところ、『射撃カフェ&バー ましろ』というお店を見つけた筆者。カフェ&バーってことは、射撃だけでなくお酒やフードも楽しめるわけでしょ?
つまり、暴飲暴食でのストレス発散もできちゃうわけだ!
素晴らしい!まさに都会のオアシス!!
知識なし経験なし、そんな状態での射撃にビビるものの…
『射撃カフェ&バー ましろ』は、下北沢駅南口から徒歩5分ほどのビルの4階にあります。
射撃だー
酒だー
ストレス発散だー!
と、駅を出てすぐあたりまでは心躍らせていた筆者ですが、歩いているうちに「自分には射撃の経験も銃の知識もない」ということに気づき、足を一歩踏み出すたびに不安を募らせていたものの――
お店に入り、安堵。清潔感がある、小粋なオシャレカフェ的な店内です。
事前に想像していた「薄暗い照明の中でマフィアが葉巻吸いながら談笑している」イメージとは真逆。
とはいっても、やはりここは『射撃カフェ&バー』。カウンターには拳銃が並び、武器の密輸現場(見たことないけど)感がすごい。
ライフル銃もあって、ゲリラの拠点(見たことないけど)感もすごい。もちろん、すべて精巧につくられたエアガンなので安心です。
店内の造りも独特で、入ってすぐの印象は「長細い!」。しかしこれは、カフェ&バースペースと射撃スペースがキッチリ分かれているからでした。飲食中に弾が飛んでくるのでは、という心配もストレスも無用です。
腹が減っては戦はできぬ!「燻製メニュー」で客寄せ(笑)
安心したらお腹が空いてきたので、フードを頼むことに。「銃を持つので手が汚れないよう、片手で食べられるものを中心にしています。あと、下北沢は飲食店が多いので、“燻製”で付加価値を上げたり(笑)」と店長さん。
銃のことを考えたメニューのラインナップはもちろん、偶然なのか本当は狙っているのか、ワイルドな印象のあるスモークメニューも銃によく似合います。メニューを選ぶだけで気分は早くもボンド・ガール。
『スモークチーズ』と『鳥ジャーキー』をオーダー。鼻に抜ける薫香が渋いながらも華やかで、ウィスキーが飲みたくなります。
続いて『ピクルス』と『ホットサンド』をオーダー。ピクルスはサッパリしゃきしゃき、ホットサンドはスモークされたチキンやチーズがふんだんに使われていて、美味しい!
ひとしきり撃ってちょっと小腹がすいた時などによさそう。ビールが飲みたくなります。
【悲報】何もわからない。
お酒頼んじゃおうかなーと思っていたら、「どこかで飲んでからいらっしゃったんですか?うちは1軒目で飲食をしたあとの2軒目として、少し遊べるところはないかなー、といった感じでいらっしゃる方が多いので」と店長さん。
ストレス発散のために訪れた筆者は、無駄に反骨精神がバリバリだったため「酒飲んで撃つ人が多いなら飲む前に撃ったるわ!」と、シラフで人生初射撃に挑むことに。
「飲んだら手元狂いますからね」とのことなので、結果的にシラフで正解だったようです。そもそも撃ったことないので正解もなにも関係ありませんが。
(※ちなみに、泥酔者は射撃を利用できません)
射撃場は3レーン。的までの距離は7mで、弾の当たった位置は手元のタブレットにも表示される仕組みになっています。
▲小さな青い丸が弾の当たった位置
まずはゴーグルを着用します。
跳弾が目に当たらないためなのですが、「弾がこっちに飛ぶんですか!?」と店員さんに聞いて苦笑いされる、それくらいド素人な筆者。
「お好きな銃をお選びください」と言われたものの、何をどうすれば良いのか全く分からず、店の方に選んでいただきました。
GLOCK34という名の銃。
1つ目は『GLOCK34』というオーストリアの銃。
有名らしいのですが、説明を聞いても基礎知識がなにもないので、なにひとつ頭に入ってきません……。
「撃ってみましょうか」と言われても、持ち方すら分からないので1からレクチャーしてもらいました。
まずは、引き金に指を掛けず人差し指を伸ばして利き手で握ります。
次に、反対側をもう一方の手で包み込むように握ります。
映画のように格好つけて、片手で撃ったり横に寝かせて撃ったりは厳禁です。
姿勢を正し、腕を伸ばして構えて引き金を引くと――
当たった!!!!
一発目で当たった!!!!
私、才能あるんじゃない!!?? ……なんて浮かれるより前に、銃を撃った際の体が後ろに弾かれるような衝撃に本気でビックリした筆者。
しかし、このGLOCK34は軽めの撃ち応えで「扱いやすく女性向き」とのこと。マジか……マジか……。
XDM40という名の銃。
2つ目は『XDM40』というアメリカの銃。
これもまた有名らしいのですが説明を聞いても(以下略)。
こちらは手元に安全装置が付いており、解除して握り撃ちます。片目で狙うと当たりやすいとのことで、試してみると――
さっきとは違う、「ドムッ!」というずっしりした手応え!
外しました!!!!
バンバン撃っているとドンドン楽しくなってきて、ひとりでキャッキャキャッキャはしゃいでいると、店員さんから「長いのも撃ってみますか?」との提案が。
【朗報】筆者、目覚める。
「もちろんよ。わたくし、殿方のハートを射抜く女スナイパーですもの」とパーティージョークを披露しようと思った瞬間に差し出されたのが――
これ。デカすぎるだろ!
ソ連の『ドラグノフ』という狙撃銃だそうですが、重い!
ハンドガンとは比べ物にならないくらい重い!
プルプル震えながらスコープを覗き、発射!
バスゥン!と肩にくる感覚とともにはじけ飛ぶ弾!
重さと衝撃で、撃った瞬間「ぅヴぁあい!」という謎の掛け声まで出たというのに、外しました!!!!
一瞬でも才能あるとか思った自分が恥ずかしいです。
しかし、これは確実にストレス発散になります!銃をぶっ放すって楽しい!!
【悲報2】飲酒後、現実を見る。
結局1発しか当たりませんでしたが、銃を撃つだけで相当な爽快感を得ることができました。それと同時に心地よい疲労感も。ということで、一旦お酒を飲んで休憩。
豊富なドリンクメニューの中から選んだのは――
ビールと、
ウィスキー。最初に食べたチーズやホットサンドの味を思い出しながらゆっくりとお酒を嗜むのも、また乙なもので、お酒がどんどん進みます。
酔いがイイ感じに回ってきたころ、なんだか気が大きくなり「今なら的のド真ん中に命中させられる!絶対に!」と、一発しか当たらなかったくせにまた天才気取りで「もう1ゲームやります!」と店員さんに告げた筆者。
店員さん「喜んで。ちなみにうち、早撃ち対決もできますよ。2人組のお客様が多いので、みなさんお友達と対戦なさってますよ」
おうおう!早撃ち対決良いじゃないか!
楽しそうだ!
友達とだな!
友達、友達……
友達、いない。
【朗報2】救世主現る。
筆者のような、というと失礼ですが、ひとりで来店して早撃ち対決がしたくなっても心配いりません。なんと、店員さんが相手をしてくれるのです!
さっそく対決!いざ、尋常に勝負!!
▲左が店員さんで、右が筆者。丸い的がボロボロになっているのが当たりまくりの証。
負けました。そもそも1発も当たりませんでした。対する店員さんは猛烈な速さで引き金を引き続けたにもかかわらず、ほぼ100%の命中率。さすがです。
まとめ
初心者にも優しく対応してくれる店員さん。
それもそのはずで、店長さん曰く「初心者でも入りやすい射撃店って、あんまりないんですよね。だから、初心者でも入りやすい店、ライトユーザーやガチガチのミリタリーに疲れたような人が来られる店を目指したんです。僕自身も銃が好きっていうのもあるんですけど、とにかくみなさんが楽しんでくれている姿を見るとうれしくなります。ライトユーザーの方だと特に」とのこと。
ガチ初心者の筆者でも本当に楽しめましたし、かなりストレス発散になりました。射撃初心者の方はもちろん、銃の持ち込みも可なので射撃に慣れた方にもおススメのお店です。
みなさんもゼヒ、『射撃カフェ&バーましろ』さんで楽しい射撃タイムをお過ごしください!
……余談ですが、女性客は1発1発丁寧に狙っていくよりも乱射系を楽しむ方が多いと聞き、『G36』というドイツ軍の乱射系ライフルで「ウォォォォオオオ!! 夫のハゲメタボ万年にんにく臭ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」と叫びながら何百発も撃ちまくりスッキリしてから家路についた筆者でした。
お店へのアクセス
下北沢の射撃カフェ&バー ましろ
住所:東京都世田谷区北沢2-1-7 ハウジング北沢ビルⅡ 4F
電話:03-6450-8658
営業時間:平日17:00~24:00、土日祝11:00~24:00
最寄り駅:京王井の頭線・小田急線下北沢駅南口から徒歩約5分
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
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著者・SPECIAL THANKS
ライター/シマヅ
1988年生まれ。フリーライター。 武蔵野美術大学造形学 部芸術文化学科を卒業後、2年ほど美術業界を転々としていたが現在は主にWEB上で文章を書き生計を立てている。女性向けコラム、インタ ビュー記事、グルメレポート、体験記事など、幅広い分野で執筆活動を行う。