こんにちは!女子大生ライターのranranです。ふだんは、工学部情報システム、暗号システム研究室所属のガチ理系な女子大生です。
そんな私は先日、深夜12時すぎに近所のコンビニへアイスクリームを買いに行ったら、パトロール中のおまわりさんに年齢確認されました。もちろん成人しています。
私がきちんと大人の女性に見えていたら年齢確認なんてされないのに……!
大人の女性になりたくてなりたくて仕方ないので、大人の街(と勝手に思っている)銀座へやってまいりました。
▲テーマ:「銀座に来たわよ」
銀座に来ただけじゃダメだ、どうしたら大人になれるのか……私は考えました。
そして「銀座で日本酒飲めたら、めっちゃ大人じゃね?」という結論に至りました。
そんな安直な考えでしたが、今回のテーマにピッタリそうなお店を発見したのです!
それが、和酒バー「庫裏(くり)」さん。
見た目は女子大生、中身はおっさんのお酒大好きイチマル氏(大学の同級生)を誘って銀座6丁目へ繰り出したのでした。
日本酒選びの極意その1「年が近い作り手さんのお酒を選ぶべし」
今回、私たちに日本酒のイロハを教えてくださるのは「庫裏」の竹内さん。
大学生の本領を発揮し、ガチでノートを取っていくスタイルでたくさん勉強させていただきました。
▲中身おっさんのイチマル氏もちゃんとノート取ります!
竹内さん「まず、前提からお話します。日本酒はよくファッションや音楽に例えられることが多いです。
アパレル業界にもブランドはたくさんあって、ブラウス1つとっても相当な種類がありますよね?
この時期だと春物が出ているからピンク系のものを買おうかな、と思うけど、また少し経つと薄手の青系のものもいいなあ〜、って気分が変わるでしょう?
それと同じように、日本酒も季節に応じて味わいがどんどん変わっていきます。
人それぞれ好みも違えば、時期によって気分も変わる。まぁ全部ひっくるめると、日本酒はそもそも選べないということから始まるんです」
ranran「確かに、服も音楽もめっちゃ種類ある……ブランドとかもありすぎて初めは何にも選べなかった!」
イチマル氏「えっ?でも、選べないことには飲めないのでは……?どうしたらいいんですか?!」
竹内さん「洋服の場合、今まで買ったことのないブランドのお店に行く時は前情報を仕入れてから出かけますよね。
例えばファッション雑誌を読んだり、インスタグラムで検索したり、◎◎ちゃんが着ていて可愛かったから買いに行こう!とかね。ある程度、情報が入っていないとモノって買えないからね」
ranran「じゃあ、日本酒についてはどうやって情報を仕入れたらいいんでしょうか?」
竹内さん「結局、お店の人に聞いてみるのが1番良いかなと思います。
あと、ただ『オススメをください』という言い方をするよりも『〇〇な感じは苦手なので、それ以外でオススメのものをください』という言い方をしたほうが良いです」
竹内さん「うちのお店の場合、お酒のサイズが60ml、120ml、180mlの3つに分かれています。
洋服を買うときに試着室に入ってみて、なんか違うなあ~って思うことありますよね。
そうすると、店員のお姉さんがきて『今流行ってるのはこんなのですが、着てみますか?』なんてアドバイスをしてくれる。すすめられたら60mlを試しに飲んでみたらいいんです」
ranran「おおお…!めっちゃイメージしやすいです」
竹内さん「そうやって、だんだん自分の好みを探っていくんです」
イチマル氏「なるほどすぎる」
竹内さん「ファッションや音楽に流行があるように、日本酒にも流行り廃りがあります。ファッションにせよ音楽にせよ、ブランドにはあんまりこだわりがなくて、その時流行っているものを着たい!聴きたい!という人もいますよね。
日本酒にも似たようなことがいえます。あと、日本酒の流行には作り手さんの年齢も関係しているんです。
音楽で例えてみましょう。僕が高校生のときに流行っていたのはMr.Children。でも、今の高校生でMr.Childrenが大好きだ!って子がどれくらいいるか?っていうと、僕らの世代に比べると少ないと思うんです。
そりゃあそうですよね、年の近い人が作っている曲の方が歌詞とか共感しやすそうでしょう?歌詞に『ポケベル』って単語が入っている曲を聴かせても、きっと今の高校生は何それ?って思ってしまう。
そういう風に、曲も酒も新しい / 古いというよりは、その時代に合ったものが流行る。日本酒も若い感性でつくったお酒のほうが若い人は身近に感じやすい。だから、年齢が近い作り手さんのお酒を選ぶというのもひとつの選び方です」
ranran「理にかなってますね。でも、若い作り手さんって、そんなにたくさんいるもんですか?」
竹内さん「さすがに20代となると数えるほどしかいないけど、30代前半くらいはゴロゴロいますよ」
イチマル氏「ゴロゴロってまじか。意外です。日本酒の作り手って、おじさんばっかりなのかな?っていう勝手なイメージを持っていました」
日本酒選びの極意その2「ジャケ買いは全然アリ!むしろオススメ」
竹内さん「ちょっとこれを見てみてください。」
ranran&イチマル氏「「かわいいいいいいい〜〜〜〜〜!♡」」
竹内さん「じゃあ、こっちの2本とさっきの3本、どっちを飲んでみたい?」
前者(=パンダ、ハート、お寿司)を指差すranranこと私、後者(=羽根屋、美寿々)を指差すイチマル氏。
竹内さん「おお、意見が分かれたね~~~。
そう、もうひとつオススメしたい選び方がジャケ買い!
イチマルちゃんは中身がおっさんだから、渋いほうを選んだんだね。イチマルちゃんが選んだほうはどっちも素晴らしい日本酒なんだけど、おそらく多くの若い女性は最初に出したかわいらしいジャケットを選ぶよね。一般的にはだけど。
女性でなくても、最初の3本は日本酒のジャケットとしてはすごく珍しいから、気になる人は多いと思います」
ranran「ジャケ買いってそんな……!見た目で判断してしまっていいんですか?!?!」
竹内さん「ジャケ買いにも当然メリットがあるんだよ。
少しぶっ飛んだデザインにするからには、中身がちゃんとしていないといけない。じゃないと二度と買ってもらえないわけです。つまり、個性的なジャケットにしているのは、中身に自信があって遊ぶ余裕があると捉えてもらっていいと思います」
イチマル氏「なるほど〜!日本酒についてわかってきた気がする!」
竹内さん「よし。じゃあ実践編に入っていきましょう!」
いざ実践練習!
▲左から「春霞」「津島屋 外伝」「I LOVE SUSHI」「くどき上手」「菊姫」
庫裏さんには常に50〜100種類の日本酒が置いてあるとのこと。毎週入れ替わっているそうなので、飲んでみたいものや気になるものなど、お目当ての日本酒がある場合は、事前にお店に確認することをオススメします!
いろいろな日本酒を試してみたいけど何を飲めばいいの?という人は「店主セレクト2合コース」(2,000円)というのがオススメです。お店の方にアドバイスをもらいつつ、一緒に好みの日本酒を探してもらえますよ~!
今回は、その中から5種類を60mlずつ味見させていただきました。竹内さんが我々のためにセレクトしてくれたのは下記の5種類。
「春霞 純米 赤ラベル」(秋田県 栗林酒造)
にごり酒の見た目から「結構甘い感じなのかな〜?」と思って飲んでみたのですが、意外とさっぱり!濃厚おつまみよりは、薄めのさっぱりしたものに合いそう。
「津軽屋 外伝 純米酒 生酒 父なるライン」(岐阜 御代桜酒造)
バナナ感がめっちゃ強烈でした!芳醇な味わい…という表現は今まで使ったことないのですが、こういうのを「芳醇」というのかな。
「I LOVE SUSHI 辛口純米酒」(佐賀 天吹酒造)
「これなら日本酒が苦手な人でも飲める!」ってくらい優しい味がします。良い意味で個性が強くない!つまり何にでも合う!誰でも好き!みたいな超モテ系日本酒という感じ。お寿司の繊細な味も邪魔せず、引き立ててくれそうです。
「くどき上手 Jr.の初搾り 純米大吟醸 生酒」(山形 亀の井酒造)
メロン系の香りで、ふんわり甘い!でも、どっしりとした重みもあり、あんまり飲んだことがない味でした。
いま、日本酒界でめちゃくちゃ期待されてる若い作り手さんである今井俊典さんが醸したお酒なんだとか。「毘沙門天」と書かれたステッカーを貼ったオープンカーでデートに来るような、ちょっぴりヤンチャだった亀の井酒造・社長の今井さんと、元県庁職員というお堅いお仕事をされていた奥様のご子息、という生い立ちも気になります。
「菊姫 吟醸あらばしり」(石川 菊姫合資会社)
いつもお世話になっております、菊姫。
石川県出身の私(ranran)的には、めちゃくちゃ馴染み深い銘柄です。「あ〜これは、菊姫ですね〜」と全く味の伝わらないコメントしてしまうほど。
日本酒感はドンっと強いんですが、まろやかさもあって、ものすごーく飲みやすいです!
おつまみとの相性を研究しよう
▲お1人様 盛り合わせ(1,280円)
酒の肴として、カウンター限定の「お1人様盛り合わせ」(1280円)を注文。
この日は(左上から時計回りの順で)
・生うに
・あん肝ゴボウ
・あん肝ポン酢
・そらまめ
・豆腐もろみ漬け
を出していただきました。
イチマル氏「こ、こ、これはヤバい!!!感動レベル!!!」
竹内さん「さすが酒飲み!わかってるねぇ~!」
ここからは、盛り合わせをつまみつつ、どの日本酒が好きなのかを探っていくことに。完全に私とイチマル氏の好みとなりますので、ご了承ください。
【生うに】
濃厚&ねっとり感がたまらないウニ〜!大事に大事に食べたい系!
ranran:「I LOVE SUSHI」
イチマル氏:「I LOVE SUSHI」
【あん肝ゴボウ】
え、これチーズ?ってレベルの濃厚さ!ゴボウとの相性も抜群!!!
ranran:「くどき上手」「菊姫」
イチマル氏:「I LOVE SUSHI」「くどき上手」
【豆腐もろみ漬け】
優しいふわとろ感!!!これは、なんというか……女子力高い系の豆腐です。
ranran:「春霞」「菊姫」
イチマル氏:「春霞」
【そらまめ】
ほくほく&フワ甘〜なそら豆。濃厚系おつまみが多かったので爽やかさが際立ちます!
ranran:「I LOVE SUSHI」
イチマル氏:「くどき上手」
【あん肝ポン酢】
人間をダメにするおつまみです。あん肝の濃厚さとポン酢のさっぱり感がバトって最高。
ranran:「菊姫」
イチマル氏:「津島屋 外伝」
という結果になりました。
竹内さん「お料理との組み合わせは答えてもらったとおりだけど、日本酒単体ではどうだった?」
ranran「私は菊姫が1番好きだな〜。甘みもあるけど、まろやかな感じがして、すごく飲みやすかった!」
イチマル氏「私はくどき上手 Jr.の初搾りかな。甘みがあってどっしりした感じがたまらなかった!なのに、後味はスッキリしている感じなのがすごい好き!」
日本酒とひとくちに言っても、合う料理も違えば、人によって気に入るものも違います。ファッションや音楽に例えられるのも納得です。
最初から「これを飲んでおけばOK!」というものは存在していなくて、ひたすら好みのお酒を探し続ける…というのが日本酒の醍醐味なのですね。
これで、私たちも大人の女性に近づけた気がします!!!!
日本酒が好きな人、日本酒についてもっと知りたい人、大人の男女、大人の女性にあこがれる女子、大人の女性をオトしたい男子はぜひ一度、和酒バー「庫裏」を訪れてみてください。いろんな角度から日本酒を楽しめますよ!
紹介したお店
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者・SPECIAL THANKS
工学部女子大生ライター ranran
素因数分解にきゅんきゅんするド理系女子ですが、女子大生ライフもしっかり満喫中。理系×女子大生視点の執筆が得意です。見た目と中身の乖離度が売りです。
Twitter:@pascarrr