怪しさ満載だけどなぜか楽しい!千駄木「居酒屋 兆治」は謎サワーと優しいマスターが気になって常連になってしまいそうだ

谷根千といえば、最近人気のおしゃれエリアですね。谷中、根津、千駄木の頭文字をとって「谷根千」と呼ばれています。若い女性や外国人観光客も多く訪れるため、おしゃれなお店がずいぶんと増えましたが、今回お邪魔するのは、入るのに少し勇気がいりそうな「居酒屋 兆治」というお店。サワーメニューが150種類もありますが、マスター自身もそのほとんどを飲んだことがないそうです。(東京 歓迎会・送別会)

怪しさ満載だけどなぜか楽しい!千駄木「居酒屋 兆治」は謎サワーと優しいマスターが気になって常連になってしまいそうだ

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こんにちは!女子大生ライターのranranです。ふだんは、工学部情報システム、暗号システム研究室所属のガチ理系な女子大生です。

突然ですが先日、同じ工学部の後輩、マスダちゃんからこんなLINEが来ました。

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そんな失恋の悲しみに暮れるマスダちゃんを連れてきたのは「居酒屋 兆治」。最寄駅は東京メトロ千代田線・千駄木駅。東京の下町っぽい雰囲気を存分に感じられる趣深~い谷根千エリアです。

谷根千といえば、最近ではたくさんの観光客が訪れる一大スポットで、若い女性向けのオシャレなお店もたくさんあります。しかし、今回は後輩の失恋の悲しみを癒すことが最優先課題。そこで、150種類ものサワーがあり、名物マスターがいるという兆治をチョイスしました。マスダちゃんも存分に飲んだくれることができるし、あわよくばマスターに人生相談に乗ってもらおうという魂胆です。

あぁ、私はなんて良い先輩なんだ……!

 

怪しすぎて入るのをためらってしまう

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……と、意気込んでやってきたものの、怪しさ満載すぎて入るのが怖くなってきました。

思った以上にディープな雰囲気が漂います。マスダちゃんもだいぶ不安そうな表情。後輩を連れてきた手前、私がビビっているわけにはいかない……!

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お店の入り口。ほんとに営業してる…?と不安に駆られつつ、戸を開けると衝撃の光景が広がっていました。

 

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見渡すかぎり、サワーメニューだらけ!!!

しかもそのほとんどが聞いたことないようなサワーです。「パインラムネサワー」「ピーチソーダサワー」といった「聞いたことないけど美味しそう」なものから、「たらこクリームサワー」「ナポリタンサワー」「ミルクココアサワー」といった「直感的にヤバそう」なものまであります。

 

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plain   ranran「マスダちゃん、これはスゴい所だね……」

 

 f:id:g-gourmedia:20170227153549p:plain     マスダちゃん「私、とりあえずおっぱいサワー頼んでいいですか?」

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plain  ranran「いきなり?!順応力高すぎかよ。じゃ、じゃあ私はブラックサワーを……」

 f:id:g-gourmedia:20170227153549p:plain     マスダちゃん「今日は、がっつり飲みます!」

 

そんなやりとりをしている間に、おもむろにマスターが出してくれたお通しがこちらの煮物。

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優しい。もう見た目からして優しい。食べてみるとやっぱり心に沁みる味でした。マスダちゃんに至っては、ストレスが溜まっていたせいか「おいひい…」とウルウルし出す始末。まだお通しなんですけど

 

そしてやってきたサワーの正体です。

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▲おっぱいサワー(400円)。白いのは牛乳です。

 

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▲ブラックサワー (400円)。黒いのはブラックコーヒーです。

 

「……(そのままやん!!!!!)」

と心の中で激しくツッコミを入れておりましたが、あえてお口はチャックして飲んでみる。 

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マスダちゃん「私、牛乳嫌いなんですけど、これめっちゃイケます。美味しいです」

 

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ranran「私もコーヒー嫌いだから、正体わかったときにやらかした……って思ったけど、これはなんか飲める。普通に美味しい。焼酎ってなんでも合うのかな」

これからどんなサワーに出会うかわからないので、おつまみだけは普通なものを……と、「からあげ」と「川えび」を注文しました。 

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▲鳥からあげ(400円)

 

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▲川えび(400円)

 

揚げ物なのに、この2品もなぜか涙腺を刺激してくる優しい味。祖父母の家に遊びに行ったときに、抜群のコンディションのおばあちゃんが作ってくれたような料理。じわじわと美味しかったです。

人間とは不思議なもので、優しいお料理で癒されると刺激を求めてしまいます。そんな私たちが頼んだサワーはというと……

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味噌サワー(400円) 。グラスには「LEMONSOUR」って書いてあるけど「MISOSOUR」だよ!

 

「味噌サワー」です。字面が強烈すぎる。

マスターに1番美味しいサワーを聞いてみたところ「俺は飲まないからわからない」と言いながらも、味噌サワーを飲んでおけばいいんじゃないかとオススメされたのです。

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マスダちゃん「やばい、超味噌汁ですよ〜!これ!!!」

 

あまりの味噌汁感に爆笑するマスダちゃん。 

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マスダちゃん「見てください!わかめ!!!」

 

ゲラゲラ笑うマスダちゃんを見て、ここに連れてきてよかったなと思うのでした。あぁ、私はなんて良い先輩なんだ……!!!

 

そのほかにも謎サワーに挑戦。

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▲健さんサワー(400円)。店名の由来である高倉健さん主演の映画「居酒屋兆治」にちなんだサワー。

 

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▲激辛カレーサワー(400円)。やばい。カレー味なのに冷たくて脳みそが混乱する。

 

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▲昆布茶サワー(400円)。見てのとおりの昆布茶。味は、だいたいお茶系のサワーと同じ。地味にイケる。

 

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▲グレープナタデココサワー(400円)。もはや普通に焼酎をぶどうジュースで割って、ナタデココを入れた味。

 

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▲パインラムネサワー(400円)。味はもう予想通りだけど、レトロなラムネ瓶が私たち世代にはちょっと新鮮!

 

マスターに150種類のサワーについて聞いてみた

酔いも進み、マスダちゃんのテンションもMAXになってきたところで、マスター(ビール飲みながらまったりとテレビを見ていました)にいろいろお話を聞いてみました。 

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f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「どうしてサワーをこんなにたくさん増やしたんですか?」

 

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「開店した時は、普通の居酒屋だったんだ。でも、開店2〜3年目のときだったかなぁ。店に来てくれた酔っ払いのおっちゃんに、『この店は何か特徴があるのか?これからは普通の店じゃやってけないよ!』っていわれたんだよ。

それで、サワーの種類を増やしてみることにした。考えてみれば、焼酎って何でも割れるんだよね。50種類、70種類、100種類……とすぐに増えていったけど、まぁ150種類が限界だったね!

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「じゃあ、いまの150種類は当時からずっと固定で存在するメニューなんですか?」

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「いや、常に更新中だよ。そこらへんの自動販売機で面白そうな飲み物があったら追加してる。賞味期限が切れたらメニューから削除するし」

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「(衝撃のユルさ…!) メニュー把握するの大変そうですね」

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「そうだね。だから、どんなサワーか聞かれても答えないことにしてるよ。いちいち答えていたらめんどくさいから(笑)」

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「す、スリルがあって楽しいですね……!」

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ちなみに、最新作は「ハイドロレジュベサワー」だそうです。どんなサワーか聞いてみましたが、教えてもらえませんでした。

その時、トイレに行っていたマスダちゃんが慌てて戻って来ました。

 f:id:g-gourmedia:20170227153549p:plain  マスダちゃん「と、とっ、トイレに…!!!貼紙がたくさん!やばいです!」

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「????」

 

トイレの様子を見に行ってみると……(飲食店レポなのにすみません)

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マスダちゃんの言う通り、無数の貼紙が……控えめに言って、この光景はめちゃくちゃコワい。  

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「いい男は三日たっても覚えているが そうでない男は三日で忘れる。」だそうです。

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「オイ 惚れた女ぐらい守れよ。 命がけで、男なら。」だそうです。

 

マスターに恋愛相談してみた

これらの名言たちについて、マスターは「俺が好き勝手に書いてるだけだよ!」と照れくさそうに説明してくれました。

よし、ここでマスターに恋愛相談するしかない!!!

  f:id:g-gourmedia:20170227153549p:plain  マスダちゃん「マスター!私たちの恋愛相談に乗ってくれませんか?!」

  f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター 「おっ、いいよ!」

 

  f:id:g-gourmedia:20170227153549p:plain  マスダちゃん「私、好きになった人となかなか上手くいかなくて……。

みんなすごく尽くしてくれる良い人ばかりなんです。でも、それがダメで。良い人すぎると申し訳なくなってしまって、気がつくと気持ちが冷めてしまっているんです。どうしたらいいですか?」

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「自分中心に考えたらいいんじゃないか?

自分にとってプラスなら付き合いを続ければ良いし、プラスじゃないと判断したら別れれば良い。簡単なことだよ。しほちゃんは優しいんだなあ。もっと自分勝手になっていいと思うよ」

 f:id:g-gourmedia:20170227153549p:plain  マスダちゃん「…!!!確かに、相手のことばかり気にし過ぎていたかもしれないです。もっと自分の気持ちを大事にしてみます!」

 

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 ▲「SNOWで写真を撮りましょ〜!」とお願いすると、思いの外ノリノリで応じてくれました。

 

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「えっ、じゃあ私も良いですか?」

 

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「いいよっ!」

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran 「いま付き合っている人がいるんですけど、私がかなり依存体質で……。

尽くしまくっていたら、ちょっとウザいと言われてしまいました。良かれと思って尽くしていたんですけど、どうしたらいいんでしょうか?」

f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「何事も限度があるよな。男っていうのは追いかけられると逃げたくなるんだよ。

好きっていうのは、相手に興味があること、相手のことをもっと知りたいって思うことだから、こっちからどんどん差し出しちゃダメなんだ。逆の立場になって考えてみな」

f:id:g-gourmedia:20170227154037p:plainranran「なるほどすぎる…!追わせる努力、大事ですね。尽くすのは我慢します」

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「俺も学生の頃は、常に彼女が5〜6人はいたよ

 

突如始まる武勇伝。

常連のお姉さま「そう、マスターすっごいモテるのよ〜!

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熱燗をぐびぐび、チェイサーにビールを飲んでいた常連のお姉さまが話しかけてくれました。なんと26年前から兆治へ通っているそう。
 

常連さんたちと楽しく飲んでみた

常連のお姉さま「マスターって、男気があってめちゃくちゃカッコイイのよね。男女問わず、ここの常連さんはマスターの人柄が好きだって人が多いのよ!」

 f:id:g-gourmedia:20170227153740p:plain マスター「27歳下の女の子と付き合ったこともあるよ。22歳下、20歳下も。それにしても、今の男はナヨナヨしててダメだな」

 

マスターのモテ自慢が始まったあたりで、さらに常連のお兄さま2人が加わります。
お兄さまAが取材日の前日にお誕生日を迎えられたらしく、みんなで乾杯させてもらいました。なんか、とんでもない場所に来てしまった……(楽しい)。

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わいわいと盛り上がりすぎて、 

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カラオケまで歌わせてもらいました。今日初対面なんですけど、こんなにエンジョイして大丈夫でしょうか?かなり濃密な時間を過ごさせていただきました。

何が出てくるかわからない、エンターテインメント性あふれるサワー、優しいお料理を食べられるだけが「居酒屋 兆治」の魅力ではありません。恋愛相談まで乗ってくれるマスター、優しく迎えてくれる常連さんの存在は、ゆとり世代の我々にとっても心地よかったです。

最初に足を踏み入れるときは相当の勇気が必要ですが!

 

紹介したお店 

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。

著者・SPECIAL THANKS

工学部女子大生ライター ranran

素因数分解にきゅんきゅんするド理系女子ですが、女子大生ライフもしっかり満喫中。理系×女子大生視点の執筆が得意です。見た目と中身の乖離度が売りです。

Twitter:@pascarrr

                             
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