クリスマスを直前に控え、街にはイルミネーションが溢れ、デートをするカップルの姿も増え始めることでしょう・・・
毎年このシーズンになると見慣れた光景ではあるのですが、もう1つこのシーズンになると話題にあがる永遠のテーマ・・・
・日本は仏教国なのに、キリストの誕生日をみんなで祝うのはおかしい!
・そもそも、キリストの誕生日って12月25日じゃない!
的なテーマです。
筆者はこういうテーマが大・大・大好きなので、今回ある企画を考えてみました。
日本のクリスマス事情を外国人はどのように思っているのか?ズバリ、「ここがヘンだよ!日本のクリスマス!」
実際に検証すべく、日本に住んでいる外国人の若者たちにインタビューをしてみました!
▲今回インタビューを受けてくれた皆さん。日本で知り合った友人同士だそうです。
ジュリアンさん
フランス人。新宿のシェアハウスで多国籍ルームシェアをしている。インターンシップで過去に2度日本に滞在経験あり。現在は日本に住み始めて1年半。
トールさん
カザフスタン人。母国語はロシア語です。日本のアニメやマンガが大好きな学生。日本語もアニメで覚えたそう。日本の学校に通うため来日して現在1年半。
ジセルさん
メキシコ人。メンバー唯一の既婚者。2年半。お酒はあまり得意ではないが、メキシコ人のステレオタイプとして酒が強いと勘違いされることに困っているそう。
ヒクンさん
台湾人。老けて見られるのが悩みの学生。にこやかな笑顔が特徴のメンバーの和ませ役。トールさんと同じく進学のため来日し、現在1年半目。
日本のイルミネーションは張り切り過ぎ!
——早速ですが、みなさんは日本のクリスマスについてどんな印象を持っていますか?
ジュリアン:やっぱりイルミネーションがスゴい!ってイメージだね。
トール:クリスマスが近づくと街が眩しいくらい光ってるよね。目がチカチカするよ! 夏の打ち上げ花火もだけど、日本人は光が好きなのかな。
ジセル:街がすごく賑やかだよね。カトリックじゃないのにこんなに祝うのは不思議だなって思うわ。
ヒクン:イルミネーションがオシャレだなって思うな。あと街にカップルがたくさんいるってイメージがあるよ。
——みなさんの国では街にイルミネーションを飾ることはないんですか?
ヒクン:台湾も多少イルミネーションはあるけど、ここまで大掛かりじゃないかな。そんなにクリスマスに関心ないかも。あと、クリスマスシーズンを過ぎても旧正月あたりまでイルミネーションを片付けないでそのままなのが多いね。
ジュリアン:全然ないね。あっても日本みたいにカラフルじゃないよ。だから日本のイルミネーションはキレイだなって思うよ。
クリスマスにデートはしない!
ジセル:あとはやっぱり日本人は恋人と一緒に過ごしてる人が多いよね。
トール:そうそう!そういえば去年、日本人の男の子からクリスマスにデート誘われてびっくりしちゃった。
——日本ではクリスマスの夜は街でデートをするのが定番ですからね。みなさんの国ではデートに出かけることはあまり無いんですか?
一同:ないよ〜!
ジセル:クリスマスは家族や親戚と過ごす日だからね。兄弟から従兄弟までみんな一つの家に集まって、近況や昔話で盛り上がるの。
ジュリアン:さっきのイルミネーションの話にも繋がるけど、基本的にみんな家の中で過ごすから、街にあんまり人がいないんだよね。店もだいたい閉まってるし。
トール:昔、クリスマスにデートをしてみようとしたけれど、デート中に家族に会いたくなっちゃって全然集中できなかった。やっぱりクリスマスにデートなんてするものじゃないよ。
ヒクン:台湾の中には日本の真似をしてデートをしようとする人たちも増えてはいるようだけど、基本的にはクリスマスにデートはしないね。
——なるほど。要するにキリスト教徒にとってのクリスマスは、日本でいう正月のような感覚ってことですかね。
トール:そうかもね。日本人が神社に行くみたいに、教会に行く人も多いし。
ジュリアン:逆にぼくの国でのクリスマスは家族と過ごして、正月に友人や恋人と出掛けることが多いよ。
ジセル:家族と過ごす大事な日が同じ季節にある、っていうのは共通してるわね。
クリスマスのメイン料理が「チキン」と「ケーキ」は日本だけ!?
——ほかにはどんな印象がありますか?
ヒクン:みんなチキンをメインで食べてるなってイメージがあるよ。ケン◯ッキーの。
ジセル:わかる!私の日本人の友達もクリスマスにケン◯ッキーを食べてる子が多いよ。メキシコにもケン◯ッキーはあるけど、別にクリスマスに食べないもん。
ジュリアン:多分、クリスマス料理で目立つ「七面鳥の丸焼き」的なイメージなんだろうね。
トール:あとはケーキの人気がすごいよね。あちこちでいろんなデコレーションケーキが売ってて。
——え!?みなさんの国ではクリスマスケーキを食べないんですか?
ジュリアン:ケーキを用意する家庭もあるとは思うけど、そんなに重要視はしてないかな。たくさんある料理のひとつだよね。
トール:そうね。日本のデコレーションケーキはカワイイのがあって素敵だなって思う。種類もたくさんあるし。
——ちなみにみなさんは日本にきてからどんなクリスマスを過ごしましたか?
ヒクン:僕はクリスチャンじゃないから、日本式のクリスマスを楽しんだよ。ただ、恋人がいないからひとりでチキンを食べてたけどね(笑)
だって、CM観てると美味しそうだもん・・・。あんなにチキンのCM流されちゃうと、誰でもチキンを食べたくなるよ!
ジュリアン:ぼくは実家に帰って家族と過ごしてるよ。でも、シェアハウスの仲間たちがやっていたクリスマスパーティーに参加できなかったのは寂しかったな。悔しかったからパソコンのテレビ通話でパーティに参加したよ(笑)
ジセル:私は主人と出かけたりケーキ食べたり、日本のスタイルで過ごしてみたけど、やっぱり家族と過ごすクリスマスの方が好きかな。
トール:さっき話したデート以外だと、家族と電話したり友人と過ごしたりしたわ。日本のクリスマスも素敵だとは思うけど、何年も家族と過ごすのが当たり前だったからすぐには慣れないわね。
——やっぱり、自分の国のスタイルで過ごすクリスマスが一番いいってことでしょうか。
ジュリアン:そうだね。だからこそ、日本のクリスマスのスタイルも素敵だと思うし、尊重すべきだと思うよ。
ジュリアンさん、トールさん、ジセルさん、ヒクンさん、ありがとうございました。
まとめ
日本人が大好きなクリスマス。日本人が恋人と過ごそうとする中、外国人は家族で過ごすようです。
しかし、日本は宗教や文化に固執せず自由に祝うところが海外の人からは羨ましい・・・という一面もひき出せた気がします。
しかし、日本はいつから「恋人と過ごすクリスマス」というイメージが定着してきたのだろうか・・・家で映画「セレンディピティ」を観ながら考えるとしよう。
著者・SPECIAL THANKS
今井辰実
新宿ゴールデン街の元バーテンダー。
お酒と海外小説が好き。
編集/ヒャクマンボルト
撮影/本藤太郎