大正元年から守り続けたタレが凄い!神戸の老舗焼き鳥店「八栄亭」は安くて旨いまさにレジェンドだ

神戸の焼き鳥屋さんといえば、老舗「八栄亭」が有名です。このお店は、大正元年から守り続けた秘伝のタレでお客を魅了し続ける老舗で、寄席での仕事を終えた芸人さんなど、様々な人が足繁く通う名店としてレジェンド級の存在感を放っています。老舗といっても決して近寄りがたい高級店というわけではなく、2串で300円からというリーズナブルなお値段はむしろ安いと感じられるはずです。100年以上つぎ足しを続けたタレ、安くて旨い焼き鳥は神戸に来たら一度は味わいたいものです。 (三宮 忘年会

大正元年から守り続けたタレが凄い!神戸の老舗焼き鳥店「八栄亭」は安くて旨いまさにレジェンドだ

まいど憶良(おくら)です。

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神戸に「レジェンド」と呼ぶに相応しい焼き鳥屋さんがあると聞き、神戸は新開地にやってきました。

 

神戸新開地と言えば、劇場や寄席が立ち並び、かつては神戸随一の繁華街でした。

そんな神戸で、寄席での仕事を終えた芸人さんなど、様々な人が足繁く通う名店として、百年以上愛され続けた焼き鳥を提供し続けているお店があります。

 

それが今回ご紹介する「八栄亭」です。

 

神戸の芸人に愛され続けるレジェンド店 秘伝のタレがヤバい

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神戸っ子なら一度は聞いたことがあるのではないかという超有名店ですが、噂を聞きつけ、他県からも足を運ぶ方も。

また、「アメリカから来ました。ヤキトリ、美味しすぎます。是非ニューヨークに店を作ってください」というファンもいるとか。

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一説には串打ちする今の焼き鳥屋さんのスタイルとしては日本で最古ではないかと言われているお店、八栄亭上店さんです。

 

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店内は決して広いとは言えません。

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ですが、ここに大勢のファンが詰めかけます。 

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花菱アチャコさんと言えば伝説の漫才師。

ところが一緒にいるのが横山エンタツさんではなく、浪花 千栄子さんとの来店。

という事は、ラジオ番組「アチャコの青春手帖」の頃の話なのでしょうか。

浪花 千栄子さんはオロナイン軟膏のCMや、古いブリキの看板などでご存知の方も多いと思います。笑顔が素敵なおばあちゃんですよね。

そういえば、ものすごく出来た、いや、出来過ぎた話なんですが、浪花 千栄子さんの本名は「南口 キクノ」(ナンコウ キクノ)さんというようです。

 

・・・。

 

話は思い切りそれましたので、無理やり元に戻しましょう。 

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こちらのお店では、焼き鳥の焼き台は、銅製の物を使っているようです。

理由を尋ねますと、鶏を焼いていくと、一日で焼き台は真っ黒に汚れてしまうのだとか。

この焼き台は磨くとピカピカに戻ってくれるので、これでないと、との事。

その画面左手にはお湯が入る場所があります。

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そこにこれまた銅製の蓋がされています。

これは何だ?

さて、反対側には同じく銅製の受け皿があり、

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その下にある壺、これがレジェンドたる所以なんです。

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これが秘伝のタレ。

大正元年から使い続け、つぎ足しつぎ足しを繰り返し、守り続けた味がここにあります。

淡路阪神大震災の時も、戦時中、空襲にあった時にも、これだけはと守り続けた秘伝のタレ。

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100年以上つぎ足したタレはなぜ腐らずに美味しいままなのか?

ところで、100年以上つぎ足して使っているタレが腐らないのは何故なんでしょう。

タレが腐らない条件としては、例えば塩分が10%以上であるとか、糖分が65%以上であると、菌が極度に繁殖しにくいために腐らないという事が考えられます。

しかし、当然なのですが、こんな割合で塩や砂糖が入っているとタレとしては破綻した味になってしまいますので、これはあり得ません。

とすると、低温殺菌がされている、という事が考えられます。

八栄亭さんでは鶏を焼くとき、タレに漬けて焼きます。

温められた鶏がタレに漬けられることにより、タレ自体も温度が上がって行きます。

これが繰り返されることと、炭火の近くに壺がある事、更に熱伝導率の良い銅製の焼き台を通って熱がタレに伝わることで、タレの温度が低温殺菌の条件になる63℃から68℃くらいになっていることがその理由になります。

低温殺菌はこの温度で30分以上あればできますので、必要十分の条件を果たしているという事となります。

なるほど。そういえば、牛乳などは低温殺菌しているので風味が変わらない、などという事例もあります。

 

それ以上の温度になってしまうとタレが煮詰まって、たんぱく質が変化をおこし、その結果、味が変わってしまうんです。

当然頻繁に焼かれた鶏がタレに浸かる人気店でないと温度もキープできない。

ゆえに、継ぎ足し続けた伝統のタレを使用できる店は限られており、それ故に美味しい、という事になるんです。

勿論鶏から出たうまみ成分がタレに足されているから旨みはさらに凝縮される、更にお客さんが来るので・・・。

日本も、世界もうらやむ、正のスパイラルの完成です。

八栄亭さんでは定期的にタレを出してタレ壺を洗い、しっかりと乾燥させてから壺に戻すことにより、清潔さを保っています。

 

2串で300円という値段が嬉しい焼き鳥をいざ実食

いつになく前置きが長くなりました。

実食です。

お勧めをお聞きしました。

「皮のタレ焼きが人気です。心臓も、かなりの方がこんなおいしい心臓は滅多とないと言って頂けます」とのお返事。

 

いやいや、期待値が上がりますが、ハードルを上げても大丈夫なんでしょうか。

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しばし、焼かれる様を見て過ごします。

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焼いてくれるのは「なおちゃん」。

このなおちゃんのトークがまた楽しい。

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トークが楽しいだけでなく、気配りも店の隅々にまで行き届いているので、本当に楽しい時間を過ごせるのです。

特に炭の状態はこまめにチェックがされていて、炭をつぎ足すタイミングは昔から決まっていて、しっかりと守られています。

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話をしながら、更にお客さんの食べるペースを見つつも、手だけは高速で動いています。

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もはや、煙すらも美味しそうに見えます。

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はーい、ビール、お待たせね~っ。f:id:okuradesu:20161109015107j:plain

ビールがうまかろう。いや、旨いに決まっておろう。

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ワクワクの焼き上がり待ち。

ビールが、タレの焦げる匂いだけで減ってしまいます。

タレを漬けては焼くので黒く焦げた感じになっていますが、苦さは感じませんのでご安心を。

 

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まずは皮から。 

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全体がカリッとしているタイプでなく、外はカリッと、中はクニュッとした食感が楽しめる焼き上がりです。 

噛んだら噛むだけ旨味が出てきます。

私は皮を頼むときは塩派なんですが、タレが旨いっ。

この日ばかりは塩で皮を頼むことはありませんでした。

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続いて「身」です。

八栄亭にはネギ身というメニューはありません。

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ネギから出た水分がタレに入ってしまうから、というのがその理由です。 

つまり徹底したタレへのこだわりが根底にあるわけです。

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しし唐などは焼き揚げてから 

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タレをかけるのです。 

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肝としし唐。

この日の肝は刺し身でも食べられるくらいの鮮度。めちゃウマでした。

毎日入るというものではありません。

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備長炭で焼かれたしし唐に、タレの味が合うんです。

旨いっ!

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そして絶品の心臓。旨いっ、こら旨いっ。

心臓は、最初とてもやわらかな噛みごたえですが、最後に力強い弾力があり、プンッと心地よい食感を残して噛み切られます。

今まで食べたことのない特別な食感でした。

感覚としては、心残り(ハツ元と呼ぶ店もある、心臓の上部、付け根)の持つ弾力に似ているんです。

 

なんでこんなに旨いんですか、と思わず聞いてしまいました。

仕入れ先は淡路や丹波など、何件か決まった仕入先があるとの事でしたが、「きっと、長くお付き合いさせていただいているので、いい物を入れてくれているんだと思いますよ」とのお返事でした。

 

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玉ひも。

玉ひもの、玉の部分はレアに焼いてどろっと流れ出す黄身を楽しむ店が多いのですが、ここの玉ひもはしっかりと火を通します。

火が通るとかすかすとした味になりがちな玉ひもですが、旨味がタレで十分以上に補われて、また凸凹とした表面がタレをしっかり捉えているので、これまた絶品の味です。

黄身の甘みより、ひもの旨味が感じられる貴重なひと串です。

 

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塩でお勧めは何でしょうかと敢えて聞きますと、出てきました。

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カモ葱、2串450円です。

なるほど、塩焼きならネギがOKなんですよね。

 

 

人気メニュー「わさび和え」の破壊力

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こちらもかなりたくさんの方が注文していた人気メニュー。 

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わさび和え630円。

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「ワサビが好きなら、追加ワサビしますよ」と店長のなおちゃん。

追加してもらいました。

美味しい、美味しい。!

 

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そしてずりもコリッコリの歯ごたえ。

もう、何を食べても美味しいんです。

 

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日本酒を燗で頼みました。

冒頭で、これ何だろうと言っていたお湯部分にチロリをセット。

 

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蓋をして燗をつけます。

 

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これがチロリ。結構重いです。

しっかり温まり、冷めにくい、日本の伝統酒器です。

 

締めは朝丘雪路さんが頼んだ伝説のメニューで

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締めに食べたのは、花菜雪路丼630円。

元々これは、まかないめしとして食べられていたもの。

女優の朝丘雪路さんが来店時に、「何か裏メニューのようなものはないかしら」とリクエストした時に出したもので、賄いなので名前がないことを伝えると、じゃあ、なおちゃんのお子さんの名前、「はなちゃん」と、朝丘雪路さんの「ゆきじ」を合わせて命名しましょう・・・という事で、「はなゆきじ丼」となったそうです。

 

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つみれや色々な部位が入っているうえ、鶏のお出汁が美味しい、締めには是非食べたい一品です。

 

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残念だったのが、もう一つの名物メニュー「雀」と、これも珍しい「ウズラ」がこの日はなかったこと。

特に普段から美味しい焼き鳥を食べているなおちゃんが、本当にこれは別格の美味しさと言ってしまうスズメが食べられなかったのは残念です。

もちろん好みはありましょうが、私なぞはこのスズメを食べたくてお店訪問時期を設定していただけに、是非ともいつかは・・・と考えています。

しかし、スズメを獲る人が減っていることもあり、年々、入荷されなくなっているようです。

 

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私が席を立った後も、盛り上がり続ける店を後にしました。

 

最後にここまでの大人気店、狙い目の時間などはありますか、と聞きました。

「意外と土曜日の7時くらいに空いていたりしますよ」

後、これも意外と忘年会新年会の時期は空いていることが多いとか。

「ちいさなお店だけど、5人くらいならテーブルを囲んでもらえますよ」との事でした。

 

最後に一言。

「みなさんに美味しい焼き鳥を食べて頂けるように頑張っていますので、よろしくっ!」

最後まで元気で、笑顔のなおちゃんでした。

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大満足の内、帰途につきました。

小食の私ですが、帰り道を引き返してもう一度食べられるくらいおいしかったです。

ご馳走様でした。

 

紹介したお店

八栄亭上店

住所 : 兵庫神戸兵庫区新開地2-6-15

TEL : 078-576-2474

営業時間 : 17:00~21:30
定休日 : 日・月曜日。良い鶏が入らなかったなど、状況により不定休あり

r.gnavi.co.jp

 

プロフィール

憶良(おくら)  :  元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。

ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。

休日は名古屋から鳥取あたりの温泉に浸かり、地元スーパーで珍しい食材を買っては料理する。

その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。

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