みなさんは「おとしダレ」という言葉をご存知でしょうか。ある焼肉店が提唱した、焼肉の特殊な焼き方の名称です。
どのような焼き方かというと、七輪に乗せた肉に上からタレをかけ、したたり落ちたタレが炭火によって蒸発し、その煙によって燻す、というもの。
煙によって香ばしい風味が肉に染み付き、絶妙な香味付けがされるというわけです。煙を嗅ぐだけで白いご飯が3杯はいけそうですね。
この“おとしダレ”を始めた店の名は「焼肉ウルフ」。焼肉激戦区の池袋で人気を博す名店です。そんなウルフが2016年の9月、神田に新たな店舗を開店しました!
ということで今回は、「焼肉ウルフ神田店」にて絶品“おとしダレ”焼肉を堪能していきたいと思います!
アクセス便利なJR神田駅南口から徒歩3分
オオカミのシルエットが描かれた看板が目印ですよ〜。
シンプルで清潔感のある内装。焼いている肉をより美しく魅せるため、机ごとにスポットライトが付いています。
爽やかな笑顔の若い店長がお出迎え。腕に何やら描いてあるようですが……?
ま、まさか店長の腕に刺青!?
ではなく、油性マジックで描いた牛のイラストが。質問をすれば牛の部位を分かりやすく説明してくれます。気になったときは、気軽に聞いてみましょう。
さて、店内の説明も終わったところで早速注文していきます!
ワサビ・レモン・おとしダレの三段構えでカルビを堪能!
▲特選ここだけカルビ
見てくださいこの見事な霜降り肉を。一見薄く切られているように見えますよね?
でも違います。“薄い”のではなく“でかい”のです!
この和牛A5ランクの最高級サーロインをワサビ、レモン、そして自慢のおとしダレでいただきます!
ツヤのある肉を網に載せると「ジュゥゥゥゥ!」という気持ちのいい音が。
実は焼く際の温度を下げるため、網を2枚敷く、という小さな工夫がなされています。
ベストの焼き加減でスタッフが肉を切り分けてくれます。
は、はやく食べたい(º﹃º ) !
まずはワサビをつけていただきます。口に入れた途端にとろける肉のうまみと、ワサビの豊かな香りがたまりません!
お次はレモン汁で。網の上から直接投入します!
さっぱりとしたレモン汁は肉の脂と相性バツグン。
これが「元祖おとしダレ」
最後はお待ちかねの“おとしダレ”です!!
タレを落とした瞬間、耳触りのいい音とともに勢いよく煙が立ち上ります。もはや美しくもあるその光景は、一種のエンターテイメントといえるでしょう。
まるでショーを見ているような気分。どこかスタイリッシュでもありますね。
こちらが焼きあがった姿です。もうもうと立ちのぼる煙の匂いでよだれが止まりません。
一口食べると、まず燻製のような香ばしい匂いが鼻腔をくすぐり、後からタレの甘みと絡まった肉のうまみが広がります。
思わず「こんな味になるのか……」と口に出してしまうくらい、通常の焼き方では体験できない味わいです。
脂身は甘みがありとってもジューシー。思わずビールが欲しくなります。
肉のびっくり箱!タレの染み込んだハラミをご賞味あれ
【元祖おとしダレウルフCUTハラミバー】一見なんの変哲もないタレを入れる容器に見えますが……。
ズルリ……
バーン!
なんと中にはタレに漬け込んだ巨大なハラミが!
この蛇腹状ハラミは「ウルフCUT」という、肉の繊維を断つような独特の切れ込みを入れています。この処理により肉が嚙み切りやすくなり、またタレがよく染み込むようになっているそうですよ〜。
通常は一枚ごとに網を変えますが、このハラミは香ばしさを出すためにあえて前回使った網をそのまま使用します。
タレで輝く肉の美しさに、思わず生でかぶりつきたくなりますが、我慢、我慢。
いい焼き加減になったら、細かくカットして、さらに“おとしダレ”を投入!
タレの味が詰まったこのハラミ、このまま食べても絶品ですが、今回はさらに素敵な食べ方をご紹介します。
肉寿司キタ━(゚∀゚)━!
お察しのいい方はこの写真を見ただけで何が起こるか気付く方もいらっしゃるでしょう。
そう、肉寿司です!
付け合わせメニュー「シャリ玉」には表面にサラダ油が塗られており、舌触りがよく肉のうまみにアクセントを与えてくれます。
シャリに乗せるだけで、なんだか贅沢な気分になります。日本人のサガでしょうか。寿司にしなくても、ちょっとお米が食べたくなった時に注文するといいですよ!
ホルモン好きは要チェック!黒いハチノス
【黒ハチ】
「黒ハチ」というのは「黒ハチノス」の略。関東ではあまり食べられることの少ない、めずらしいホルモンです。
ひっくりかえすと白色。まるでオセロのようです。
白いほうを念入りに焼いたら、ひっくり返して網目の部分を軽く焼き上げます。
焼きあがりました! コリコリとした歯ごたえと、炭火の香ばしさ、そして噛めば噛むほどにじみ出るうまみがたまりません。ホルモン好きは絶対外せないメニューですよ!
ココだけの秘密!絶品裏メニュー
【裏メニュー 天しゃぶ】
ウルフには実は、通常メニューには記載されていない“裏メニュー”が存在します。日によって提供できる裏メニューが違うので、どんなものがあるのか店員さんに聞いてみましょう。今回はその一つ「天しゃぶ」をご紹介。
「天しゃぶ」とは、“天肉”と呼ばれる、関西でよく食べられているほほ肉を使用したメニュー。
通常は“焼き”で提供される天肉ですが、「天しゃぶ」では、まさにしゃぶしゃぶのように炙った肉を出汁にひたして食べるのです。
軽く焼き目がつく程度にサッと炙ります。レアなお肉が好きな筆者は大興奮。数秒しか焼かない肉って、いいですよね……。
秘伝の出汁で軽く泳がせたら、いただきます!
タンのようにさっぱりとしつつも、噛めば噛むほどに肉の豊潤なうまみが滲み出てきて、言葉を失うほどに美味いです。肉汁と出汁のハーモニーは、まさに罪の味。
この記事を読んだみなさんも、ぜひこの裏メニューをご賞味あれ!
もし胃袋が無限なら、いつまでもこの肉を食べていたい……そう思わせる味でした。
“おとしダレ”という、焼肉の新たな可能性を見せてくれる焼肉ウルフ。
今後新たなスタンダードとして認知される前に、先取りして楽しんでみてはいかが?
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
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著者・SPECIAL THANKS
今井辰実
新宿ゴールデン街の元バーテンダー。お酒と海外小説が好き。
編集/ヒャクマンボルト
撮影/本藤太郎