大阪で旨い酒と魚に溺れたい!難波の隠れた名店「ちろり」で希少な日本酒の「味の変化」をとことん味わってきた

大阪・難波(なんば)の居酒屋さん「酒と魚と串 ちろり」に行ってきました。店名の通り、「ちろり(銚釐、地炉裏)」という酒器でお酒を楽しめます。ちろりにはちょうど1合お酒が入って600円、グラスなら400円。銘柄にかかわらず、全品統一でこの価格に設定されています。海鮮と串カツも、このお店の人気の理由。難波で居酒屋さんを探している人に絶対おすすめしたい「ちろり」のグルメレポートです。(なんば・心斎橋 忘年会

大阪で旨い酒と魚に溺れたい!難波の隠れた名店「ちろり」で希少な日本酒の「味の変化」をとことん味わってきた

まいど憶良(おくら)です。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

大阪難波にやってきました。

今回は難波の隠れた名店「ちろり」をご紹介します。

 

「ちろり」には3つの目玉があります。

・魚が旨い!

串カツが旨い!

・お酒が旨い!

三拍子揃っていつの間にか酔っ払ってしまうお店なのです。希少なお酒もあるので、日本酒ファンにはたまらないお店と言えるでしょう。

 

場所は、なんば高島屋から南へ

魚と日本酒と串 ちろり 難波

なんばCITYを通って

 

すぐ近くなんですが、ちょっと賑やかしい場所ではない。

得てしてこういう所に隠れた名店があるものなんです。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

魚と酒と串 ちろり。

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いわゆるこじんまりした居酒屋さんというイメージです。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

とはいえ、貸し切りなら25名ほどの宴会利用も可なので、逆に身内のみの、気兼ねない宴会に利用という事も出来そうです。

 

飲み放題メニューもありますしね。

 

賑やかな宴会もいいのですが、こういうお店は小さなグループではちょっと落ち着いて酒を、肴を味わいたいものです。

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ずらっと用意されたお酒が、焼酎が、飲まれるのを心待ちにしています。

 

魚と日本酒と串 ちろり 難波

さて、一杯目はビールで。

 

魚が旨い!そして本気の串カツも旨い!

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それから人気メニューのつぶ貝のお造りでスタートです。

 

新鮮さが嬉しいつぶ貝は北海道から取り寄せている物。これで480円はお値打ち。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

レモンをかけただけでも、じゅわっと甘みが感じられるのですが、

 

これを九州の甘い醤油につけて頂きます。

コリコリっとした歯ごたえも楽しく、うんっ、美味しいっ。

ちろりの人気の秘密、その一は、海鮮物の旨さ。

 

そして、2つ目の人気の秘密は、本気の串カツ

10本盛り1200円を注文です。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

この角度では見る事が出来ませんが、カウンターからは料理の出来ていく様が見えます。

 

魚と日本酒と串 ちろり 難波

それを眺めながらお酒を呑むのも楽しいんです。

油、パン粉、素材、そしてソースまでこだわり抜いた串カツは、もちろん二度漬け禁止スタイル。

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この店の串カツ、最大のこだわりは、衣。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

素材が見え隠れするくらいの薄い衣が、サクッとした食感だけをまとわせて、ダイレクトにネタの味を引き出してくれます。

 

野菜を楽しむのに合った味に仕上げたという、二度漬け禁止のソースに、どぷんっ。

食べるとサックサクがしっかり残っています。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

ソースもいいんですが、より素材の味を楽しむのであればお塩で。

ゆず、抹茶、シチリアの海塩と、3つのお塩があります。

 

日によってネタは変わりますが、今日のラインナップは玉ねぎ、キス、茄子、アジ、

魚と日本酒と串 ちろり 難波

鯛の大葉巻き。なんだかソース味のみで食べるのがもったいなく思い、ソースでひとかじり、塩を変えてまたひとくちと、1串でも幾度も違う味を楽しみます。

 

ハマチ。塩によって、素材のどの部分が引き立つか、その変化が楽しく、10本なんて、すぐになくなります。

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 そして、このチーズが旨い。

ソースをつけて、次に何もつけずに食べて、次にシチリア産の塩で食べました。

それから、つぶ貝の串カツは揚がってもコリコリ感が少し残っていて、火が通った分柔らかさも、甘味もアップします。

 

さて、串を楽しんでいるうちにビールもなくなり、この店の3つ目の目玉、日本酒を頼みました。

 

日本酒は全品統一価格!時間とともに変化する過程も楽しめる

折角なので、店の名前にもなっているちろりに入れてもらいます。

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一杯まで入ると、ちょうど一合はいります。

それで、 600円。グラスなら400円。実はお酒は全品統一価格。

値段を気にせずに楽しんでほしいという店主の思いで実現している価格です。

有り難くいただきます。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

超辛口、上喜元は山形のお酒。大地主が旨い酒を呑みたいがために酒造りを始めたという逸話があるくらい、贅沢なつくりをしています。

 

きりっとした味。ちろりに入っていますので、冷たい酒は冷たいまま、温かい酒は温かいままで楽しめます。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

ずらりと並んだちろり達。

ちろりで呑むと、酒の酸化が早くなるんです。と聞きました。

ええっ、それって、お酒がすぐに古くなって、味が悪くなるって事なのでは。と思ってしまいましたが、実は味がまろやかになり、時間とともに変化するその過程をも楽しめるって事なんだそうです。

なるほど、日本酒の楽しみ方の奥深さですね。

 

「語らずの酒」と呼ばれる貴重な竹内酒造のお酒と、その酒粕で作るかす汁が旨い

続いて頼んだのはアサリのかす汁680円。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

ちょっとリーズナブルとは言えないのでは。というメニューですが、ここにもこだわりが。

 

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ここちろりのご主人は、竹内酒造という滋賀県の酒蔵とは昵懇と言えるくらいの仲で、貴重なお酒と共に、一般人には手に入れにくい酒粕も手に入るのだとか。

 

魚と日本酒と串 ちろり 難波

なかなか味わう事の出来ない酒粕と、アサリの風味が生きている、これもまた「旨いっ」と口に出してしまう一品でした。

 

魚と日本酒と串 ちろり 難波

その竹内酒造の代表作、唯々。赤のラベルは純米酒。

 

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白のラベルの特別純米酒もあります。

日本酒はすべてが常時あるというものではないようですが、もしどちらもあればラッキー。呑みくらべてみたいお酒です。

 

滋賀県石部にある竹内酒造の造る酒は美味しすぎて、最初は話題になったものの、生産量が少ないため、話題になって手に入りにくくなったそうです。

そこで、お酒飲みの通たちの間で「口にしたくない、秘密にしたい酒」「語らずの酒」と呼ばれるようになった逸品です。

 

魚と日本酒と串 ちろり 難波

さらに刺身盛り合わせを注文。これは2人前で、1000円。

 

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お酒も追加。

 

純米超辛口から、美丈夫は、高知のお酒。

 

生産量は追わず、手作りで、何よりも酒質を追い求めてきた酒。

飲み比べも楽しい。辛口だけでも豊富なラインナップです。

 

刺し身を一口、酒を一口。

ありきたりな言葉ですが、あぁ、日本人でよかったと心の底から思います。

いろんなお酒があり、これも呑んでみたいと言っているうちに、だいぶ酔ってきました。

 

日本酒だけじゃない、焼酎も旨い!

そろそろお開きに。と思っていると、目の前に焼酎が並んでいるじゃあないですか。

これは飲まずにいられません。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

と、なると、料理も追加したくなります。

も、勿論取材のためにです。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

魚が美味しく仕事が丁寧なお店でアラ炊きが美味しくないわけがありません。

 

そして焼酎も追加。大分県宇佐市の四ッ谷酒造の代表作。兼八。

常圧蒸留で麦本来の香りと味を引き出しているという、これも生産量の少ない焼酎です。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

トヨノカゼは、大分県豊後大野市の藤居醸造の焼酎。

それまで焼酎の原料とされなかった麦のトヨノカゼを使って、自分たちの焼酎を作ろうという意気込みで作ったといいます。まろやかで呑みやすく、ふっと麦の香りがします。

 

ご主人が、これ呑んでみてと勧めてくれた一杯。

こういう店で話を色々聞きながら呑み、自分の好みのお酒を見つけるというのも楽しいです。

 

そうなると、また何か食べたくなるという、危険なパターン。エンドレスにならないように、これで最後と心に決めての注文です。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

美味しかった串カツから、ちょっと変わったメニュー、山芋わさび

魚と日本酒と串 ちろり 難波

鶏モモアーモンド

魚と日本酒と串 ちろり 難波

締めは大阪では大定番の紅ショウガで。

 

口もさっぱりとリセットされ、またお酒を・・・となりそうなところを我慢してご主人にこのお店のこだわりをお聞きました。

とにかく、楽しんでほしい。特に美味しいお酒を楽しんでほしいですね。

そのために旨い魚が、串カツが、そして店全体がある。

料理の素材にしても、お酒ももちろん、美味しいものがあると聞けば現地に行って確かめてと、自分の足で探し、自分の舌が納得したものを入れるようにしています。

内装も、結構手作りをしているんです。

魚と日本酒と串 ちろり 難波

魚と日本酒と串 ちろり 難波

この絵や文章は友達が書いてくれたものですし、テーブルや椅子はわたしの手作りです。

ベタなはなしですが、この椅子に座ってお客さんが楽しんでくれる、と思いながら作りました。

と、笑顔で答えてくれました。

 

常時20本は用意している日本酒は、ホンネで言うと、統一価格では厳しいものも多いようです。

その辺はどうなんでしょう、とお聞きしますと、

まずは日本酒の美味しさをより多くの人にわかってほしい、もっと日本酒を、焼酎を楽しんでほしいという思いが今のところは強いです、との事。

お客さんにいっぱい来ていただいて、もっと繁盛したら・・・。

さらに色んなお酒を楽しんでもらえるようになりますね。

 

続いて、料理に関するこだわりもお聞きしました。

料理は、毎日通ってくれるお客さんでも毎日楽しんでもらうため、日替わりメニューを入れたり、変わった食材は知り合いが教えてくれたり、そのツテで手に入る食材があったりと、本当にいろんな人に支えられてこの店があるなぁ、と、常々感じています。

だから、丁寧な仕事と、原価率も含めて頑張らないと。

でも、原価率50%超えるメニューがちょっと多すぎるかなと、反省してます。

最後に一言、お客さんに対するメッセージを頂きました。

料理もそうですが、日本酒も奥が深い。

燗ひとつとっても、ほんのわずかな温度差、ほんの一瞬の時間差でも味が変わる。

だから、これからも日々勉強をしていきます。また、もっとあちこちから美味しいお酒を扱わせてもらえるように足を使って頑張っていきますので、是非お越しください。

 

私からも一言。

安くて旨い、でも、目についたものをなんでもかんでも飲んでしまうとエンドレスになりそうですのでご注意を。

また今度のお楽しみを残して足元の確かな内に家へ帰りましょう。

もう一言。

このお店の2軒隣にはなんと銭湯がありました。

温泉ではないのですが、難波では貴重な銭湯。

昼かお風呂に入って、湯上りにちろりで一杯、なんて楽しみ方も出来そうです。

 

今回ご紹介したお店

※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。

 

著者・SPECIAL THANKS

憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。

ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。

休日は名古屋から鳥取あたりの温泉に浸かり、地元スーパーで珍しい食材を買っては料理する。

その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。

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