【二次会マスターへの道】幹事は「目配り、気配り、思いやり」が必要

忘年会や歓送迎会で発生する幹事のお仕事。これは二次会も同様ですね。幹事を徹底的にやりきろうとすると、お店探しのリサーチ力、コミュニケーション力、調整力に会計脳など、いかに自分の持っているスキルを総動員しなければいけないことがよくわかります。身に着けたコミュニケーションスキルや情報力は、必ず仕事や恋の場面でも役に立つ。幹事力がアップすれは、人間力そのものもアップするに違いない!(忘年会・新年会特集送別会・歓迎会特集)

【二次会マスターへの道】幹事は「目配り、気配り、思いやり」が必要

幹事は自分の株を上げる大チャンス!【二次会マスターへの道 第2回】

「幹事」は自分の株を上げる大チャンス!

第1回目では、二次会幹事に指名されてから、お店に入るまでの注意点をご紹介した。
今回はいよいよ宴会本番に突入だ!

二次会ではお酒が入って気持ちが大きくなりがちだけに、幹事に求められる気配りの細やかさやトラブル対応力がますます問われることに。そこでどれだけ〝神対応〟できるかが分かれ目だ。幹事役は面倒なことも多いけど、仕事場やグループ内で自分の評価をぐんと上げられるチャンスでもある。さあ、今回も迷わず進もう、幹事道!

というわけで、前回に続いて今回もコミュニケーション研究家の藤田尚弓さんにポイントを教えていただこう。

注文は勝手にさせない!公平感を守れ

<二次会セッティングの流れ>

(1)一次会の会場に近いお店のチェック
(2)参加人数の仮設を立てる
(3)店の選定
(4)店との交渉
(5)参加者への告知
(6)店へ移動
(7)注文
(8)会計
(9)解散、フォロー

店で待ち受ける最初の関門が「注文」だ。二次会では、一次会の会場から移動するため、早く席に着いた参加者から五月雨的に注文を始めてしまう場合が多い。そこでデキる幹事になりたければ、参加者の勝手な注文はビシッと阻止することが肝心だ。

「テーブルによって、お料理が多すぎたり少なすぎたり、注文の内容に偏りが出てしまうのが一番よくないこと。〝公平感〟はとても大切ですよ。『お金を払ったわりに全然食べられなかった』『あっちのテーブルばっかりお料理がたくさん来ていた』など、参加者の不満が生まれやすい場面ですから、気を引き締めていきしょう。

まずは、参加者があらかた席に着いたかなというタイミングで、『注文は私が取りまとめてやりますので、個人での注文は遠慮してくださいね』とにこやかに釘を刺しておくこと。その後、メンバーの好みや一次会で出てきた料理の量などを考慮して、参加者の〝希望の最大公約数〟を見極めながら幹事が注文してください」(藤田さん)

注文する料理の量は、もちろん予算とも相談しながら決めなければならない。 1人当たりの金額が決まっているコースなら概算しやすいが、五月雨で注文する場合には注意が必要だ。

また、終電や体調などの関係で、一足先に帰宅する人が必ず出るのも二次会の特徴。先に帰る人に「いくら払えばいい?」と聞かれて焦らないように、大体の予算を必ず見積もりながら注文しよう。

『今1人あたりいくらくらいになっているかな』という現状は常に考えながら注文するのが基本です。人数が多い場合には、お店の人にあらかじめ『予算が3万円を超えたら教えてください』と頼んでおくといいですね。そうすれば、先に帰る人にもスムーズに金額を伝えることができるでしょう」(藤田さん)

宴会を楽しく盛り上げよう!

幹事とはいえ、もちろん宴会を楽しまない手はないぞ。
気になる子やもっと話したい同僚を幹事のアシスタントに指名するという技は前回お知らせしたとおりだが、上司や目上の参加者にも気持ちよく盛り上がってもらえれば自分も楽しいし、好印象が残せちゃうかも!

「上司やビジネスパートナーとの二次会では、無難な話題を選んだほうがいいでしょう。とはいえ、天気の話題などは無難すぎて盛り上がりませんね。

年末のこの時期にオススメなのは、『今年を漢字1字で表すと?』や『今年の3大ニュースを教えてください』というもの。

こう聞かれて、相手の口から出たキーワードは間違いなく〝話したいこと〟であり、〝聞いてほしいこと〟のはず。遠慮なく語ってもらえば、あなたは聞き役に徹することができるので楽ですし、相手にとっては好印象を残せるはずです。

この時気を付けたいのは、決して地雷の話題を踏まないこと。お酒が入っているとどうしても気が大きくなりがちですが、馴れ馴れしい態度や言葉遣いは絶対にNGです!酔った席での行動は意外と見られていますよ」(藤田さん)

さらに、自分に話を振られたときは、できるだけマイナスの言葉を使わないことが大切だそう。同じ意味でも、言葉のチョイスをポジティブに変えるだけで、相手に与える印象も格段によくなるそうなので、気を付けて楽しもう。でも、万が一、調子に乗って地雷を踏んでしまったら……。

「とにかく大げさに謝ること!その場で気が付けばその場で、次の日改めてでもいいです。潔くビシッと頭を下げて単刀直入に自分の失敗を謝ってしまいましょう」(藤田さん)

素直に謝るというのは、簡単に思えて意外と勇気がいることだ。けれど、自分のやったことの落とし前は時間をおかずにつけたほうがいい。社会人としてそこをさぼるのは許されないと心得よう。

必ず〝お開き〟でケジメを

さて、宴会も盛り上がっていい時間になってきたら、いよいよお会計だ。会の締めは、五月雨式に解散するのではなく、必ずいったん会計をして明確に「お開き宣言」をすること。帰りたい人が帰りやすい雰囲気を作ることは、幹事としての気配りだ。

「お開きの時間は、終電時間よりも余裕を持って設定することが大切です。ギリギリになって参加者を駅まで走らせる……なんて言語道断!そのためにもスムーズな会計が肝になってきますね。

幹事として忘れがちなのがつり銭の準備です。私はいつも2万円ほどを1000円札や小銭に崩して持参しています。これで焦らずおつりを返すことができますし、タイムロスも防げてお店の方にも迷惑がかかりませんので必ず準備しておきたいところですね。

また、年配の男性などは、小銭をおつりとして返そうとすると断る方もいらっしゃいます。会計が2800円で1人3000円を集めた場合などですね。そんな時はあえてその場で小銭を返さずに、後日そのお金でお菓子を買って職場に還元するという手もありますよ。『この間の会費のおつりで買いました。ご自由にどうぞ』と一言添えて。とても喜ばれますし、一目置かれるスマートなやり方ですね」(藤田さん)

目配り、気配り、思いやり

さて、いかがだっただろうか。
幹事を徹底的にやりきろうとすると、お店探しのリサーチ力、コミュニケーション力、調整力に会計脳など、いかに自分の持っているスキルを総動員してかからなければならない仕事かがおわかりいただけただろう。

幹事の心構えとして最も大切なこととは、目配り、気配り、思いやりです。そして、この3つは付け焼刃で身に着けられるものではありませんから、普段から磨いておく必要があると言えるでしょう。目配り、気配り、思いやりを忘れなければ、幹事としてハズレの行動は起こさないはずですし、参加者の好みを取りまとめることでリーダーシップも磨かれます。これができるようになれば、職場でも恋愛でも必ず一目置かれる人物になれるのではないでしょうか。

世話焼きでお酒が好きで食べることが好きな人は、特に幹事に向いているかもしれませんね。とにかく自分自身がいかに楽しんでできるかが大切です。いい雰囲気のお店をたくさん知っていると、飲み会に呼ばれる頻度は格段に多くなりますし、店を紹介した人からはとても喜ばれて感謝されます。自分のためにもなって、人にも感謝されるなんて、幹事役はいいことばかり!ぜひ皆さんにもチャレンジしてみてくださいね」(藤田さん)

そう。デキる幹事になるために身に着けたコミュニケーションスキルや情報力は、必ず仕事や恋の場面でも役に立つ。幹事力がアップすれは、人間力そのものもアップするに違いない

幹事?はぁ~面倒くさい……」なんて言っているうちは、まだまだ青い! 幹事をやれる機会があれば、ぜひ自分から手を挙げて、幹事道にまい進していただきたい。

バラ色の幹事道に、乾杯!

 

著者・SPECIAL THANKS

藤田尚弓さん

藤田尚弓さん

コミュニケーション研究家。株式会社アップウェブ代表取締役。 コミュニケーションデザインを研究する会社を経営する傍ら、企業研修や大学などで講師も務める。コメンテーターとしてテレビ出演も多数。 著書に『NOと言えないあなたの気くばり交渉術』(ダイヤモンド社)、『銀座で学んだ稼ぐ人のシンプルな習慣』(総合法令出版)、などがある。

                             
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