歓送迎会や忘年会、新年会などの飲み会の席では喫煙と非喫煙が同じテーブルに着く機会があるとおもいます。
幹事は喫煙者と非喫煙者をうまく共存させられて、地獄を見ることなく飲み会を乗り切れるノウハウをここで覚えておくと参加者から喜ばれるかもしれません。
喫煙者はつらいよ
現代は禁煙ムードどころか嫌煙ムード一色、喫煙者にとっては肩身の狭い時代。街角に設置された、嫌がらせのように窮屈な喫煙スペースを見るたびに、僕は涙が流れそうになる。
なぜ煙草を吸うだけでこのような扱いを受けなければならないのか。しかも、これからは忘年会まっさかりの宴会シーズン。否応なく喫煙者と非喫煙者が交わらなくてはならない季節の到来。楽しいはずの宴会が、喫煙/非喫煙の線引きひとつで、地獄になってしまうかもしれない。なんと悲しいことだろうか。
僕は10年前まで喫煙していたが、金欠が理由で禁煙し、今に至る。つまり僕は喫煙者と非喫煙者、両者の気持ちがわかる男。
そこで今日は喫煙と非喫煙のあいだのニュートラルな立場から、宴席での煙草との付き合い方について教授差し上げたいと思う。
喫煙者をひとくくりにするな
まず申し上げたいは「宴会をうまくやりたいなら、【喫煙者】という一点だけで『喫煙者席』に追いやるのはヤメよう」ということだ。
草食系の男が幹事を務めているときに特に多いのだが、喫煙者をひとまとめにして隅の「喫煙者席」に追いやったりする。それでもって自分は女性たちと楽しくお酒、歓談。追いやられた側が面白いはずない。不満は蓄積して、最悪の場合、怒号の応酬や支払い拒否となり、せっかくの宴会が台無しになってしまうかもしれない。
そこで僕がお薦めしたいのが《階級制喫煙者分類メソッド》である。
階級制喫煙者分類メソッドで解決!
これは僕が忘年会の幹事をつとめたときに実践したやり方なのだけれども、喫煙者をひとくくりにせず、いくつかの階級に分けるのである。
《救いようのないヘビー級喫煙者》《宴席の間に何本かは吸わずにいられなくなるミドル級喫煙者》《宴席の間2時間程度は煙草を我慢出来るバンダム級喫煙者》という具合に。
喫煙者をこのように分類すれば、ヘビー級は喫煙者席に追いやるのは仕方ないとしても、ミドル級喫煙者やバンダム級喫煙者は非喫煙者とテーブルを一緒にすることが出来る。喫煙がディスコミュニケーションの原因にならず、今まで喫煙というだけで宴会で離れた席にいた人たちの交流がうながせるだろう。
幹事としては、喫煙者と非喫煙者をうまく共存させられて、地獄を見ることなく二時間の宴会を乗り切れるはずだ。
「タバコを憎んでいる人」と宴会で仲良くなるには。
また、幹事サイドからだけでなく喫煙者サイドにもメリットはある。
具体的にいうと、煙を嫌っている人と仲良くなるチャンスが得られる。煙草を嫌悪する人は多い。僕の経験から特に女性にその傾向を多くみられる。たとえば僕の妻などは、まるで煙草に親を殺されたかのように煙草を憎んでいる。
妻はいう。「服に煙草の臭いがついたらどうするの!」どうやら衣服や所持品に煙草の臭いが付着するのを忌み嫌っているようだ。わずかでもスーツから煙草の臭いがしようものなら、僕は妻から問答無用にファブリーズをかけられるのだ。
とはいえ煙草を吸うというだけで、宴会で異性とお話が出来ないというのはあまりにも不幸だ。大きな損失だ。しかしである、階級制分別メソッドであれば、たとえばバンダム級喫煙男性なら嫌煙女性と席を同じくして「あ、俺、煙草吸わなくても全然大丈夫です」などとアッピール出来る。
うまくやれば「この人はニコチン中毒ではなく、大人の嗜みとして煙草をエンジョイしているジェントルマンなんだ」と感心されるかもしれない。恋に発展するかは本人次第だけれども。
喫煙女子への気配りを忘れない
もうひとつ、見落としがちだが大事なことがある。
それは女性喫煙者、現代風にいうと「喫煙女子」に対する気配りである。女性=非喫煙と決めつける輩の何と多いことか。勝手に非喫煙者と決めつけられて、非喫煙者席に追いやられた喫煙女子は、煙草も吸えずに草食系男子のつまらない話を聞かされ続けた結果、爆発。
口論が勃発するなどして宴会は台無しになり、次回からは欠席するのである。ほんのわずかな気遣いが欠けていたばかりに、である。
ストーカーにならない程度に女性を観察することが大事だ。僕の経験上、大声で「アタシ喫煙シマース」 と申告してくる女性は元ヤンキーくらいなもので、それはレアケースといっていい。もし宴会参加者に女性がおられるなら、周りに聞こえぬような声で喫煙の有無を確認してさりげなく席をエスコートするか、女性が持っているポーチをよく観察して、タバコの有無を確認するようにしてもらいたい。
人の吐いた煙を吸いたがる人への気配りが出来れば完璧!
なお、僕はモスキート級と呼んでいるのだけれど、このメソッドには特別クラスがある。
それは喫煙者でも非喫煙者でもなく、ただ、人の吐き出した煙を吸い込みたいというクラスである。異性の煙なら、なお、良し。何を隠そう僕もこのクラスの人間だったりする。このクラスの人は幹事からみれば、喫煙席でも非喫煙席でもつくことのできる都合のいい人たちのはずだ。けれども、なぜか喫煙者・非喫煙者、両者から疎まれている。実に悲しい。
大事なことは喫煙・非喫煙、立場の違いこそあれ、楽しい宴会というものはみんなで気配りをしあって盛り上げるものだと意識することである。僕は宴会が大好きで誘われたら誘われるだけ出席をしているが、そのたびに煙草の臭いの染みついたスーツで帰宅しては妻からファブリーズをぶっかけられている。これからの忘年会シーズン、それだけが憂鬱。
以上、喫煙者と非喫煙者が宴席でうまくやっていくコツのお話でした。
著者・SPECIAL THANKS
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。内容はナッシング、更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
ブログ:Everything you've ever Dreamed
ツイッター:https://twitter.com/Delete_All