浴衣デートも楽勝! 着付け師に聞いた「浴衣が乱れない座り方」座敷編・バー編
着付け師に「浴衣の正しい座り方」を教えてもらったよ
いよいよ季節は夏。街を歩けばちらほらと浴衣姿の方を見かけることも多くなってきました。浴衣といえばもれなくついてくるのが「乱れ」や「崩れ」。
花火大会の後に「ちょっとお酒でも」と立ち寄ったお店で飲んでいるうちに、裾はだらしなくはだけ、帯は情けなくつぶれてしまった経験、ありませんか?
そこで、着物のレンタルサービスと着付けなどを行う「あそびぎ屋」の着付け師さんに、「浴衣が乱れない座り方」と「万が一乱れてしまったときの直し方」をお聞きしました!
座敷で「よっこらしょ」と座ると無残な姿に!
和服が似合う「和食屋」の、座敷や掘りごたつの座り方はぜひマスターしておきたいところ。まず、座り方のNG例がコレ。
片膝を立てて よっこらしょ! 一発でアウトです
もう片方もよっこらしょ
涼しい顔してますが足元は……
裾が捲られて足が出ちゃってます
腰回りもぐちゃぐちゃ。これでは浴衣がシワだらけになってしまいます
彼の目を盗んで「よっこらしょっ」と、掘りごたつの下に足をねじ込んじゃってませんか?
正解はこちら。ポイントとなるのは、「上前(うわまえ)」という、生地が重なった部分です。
帯下の上前をちょっとつまみます
こんな感じでOK
上前をつまんだままストンと正座
こんな風に、帯側に布が寄っている状態がベスト
席を立つときも、このまま立てば乱れません
掘りごたつ、座敷ともに正解は「上前をつまんで正座」。これに限ります。
バーの高いイスに腰掛けると、足が丸見えに!
お酒も進み、なじみのバーに流れることもあるでしょう。座面の高いバーのイスに座るときにも、注意しておきたいポイントがあります。酔って開放的な気持ちになっても、くれぐれも浴衣は開放することなきよう。では、まずNG例からご紹介。
ガバッと足を上げて ドカッと深く座ってしまうと
背中の帯もつぶれてしまい
哀れな姿に…
正解はこちら。ここでも「座敷編」で紹介した「上前をつまむこと」がポイントとなってきますよ。
上前を軽くつまみあげ 太ももを上げるのではなく、かかとを上げてお尻をイスに乗せましょう
帯が潰れないよう背面とのすきまを意識しましょう
ゆったり座れるソファ席、とにかく帯を死守せよ!
ソファ席でゆったりリラックスして飲むのは最高ですよね。しかし、ついつい深く座りたくなるソファ席は浴衣にとってはくせ者。
もし、こんな風にだらしなく寄りかかってしまうと…
お尻周りの浴衣がシワシワに!
こんな悲惨な姿にならないためにも、できるだけ浅く腰掛けるのがコツ。帯は死守しましょう。
乱れてしまった浴衣の「胸元」の直し方
これまでに紹介した正しい座り方を実践したつもりでも、時間がたつとどうしても胸元なんかが乱れてきてしまうことも。そんなときに使えるのがこのテクニック。
下の写真のように、帯のすぐ右下にある浴衣の生地の輪っか部分に指を引っかけ、ピッと強めに引っ張ることで、だらしなくゆるんでいた胸元部分が整います。
ここに指を引っかけて
胸元の生地をピッと引っ張ると乱れが直ります
浴衣のシワはお手洗いの「○○」で応急処置できる!
長時間座っていると、どうしても腰回りの生地のシワが目立ってきます。こういうときは、お手洗いなどで手を濡らし、シワが目立つ部分に軽く水滴を散らしましょう。こうすると、水分を吸って生地のシワが伸びます。完璧にシワを消すことは難しいですが、知っておくといざというときに便利。
水で濡らした手を
シワ部分に向けてパッパッと振りましょう
以上、浴衣のプロに聞いた浴衣を着る上での注意点をご紹介しました。浴衣に不慣れな方でも、いくつかポイントを押さえるだけでストレスを感じずに過ごせそうですね。この機会にぜひ浴衣デートをしてみてはいかが?
<取材協力>
■着物レンタル「あそびぎ屋」
■「ととしぐれ 下北沢店」
■「cafe&bar comp.(コンプ)」
著者・SPECIAL THANKS
井上こん+プレスラボ