47都道府県、地域ごとにそれぞれ異なる独自の文化を持つ日本は、まさに食材、食文化の宝庫。
そしてそれは深堀りすればするほど「こんな食文化があったの!?」「こんなおもしろメニューがあったんだ!」と、そのたびに新鮮な驚きや感動が待っていることでしょう。
そうです。日本にはまだまだ知られていない未発掘の食文化や埋もれているレシピが、実はたくさんあるんです!
もちろんそれはお祭りや縁日の屋台のメニューだって同じこと。というわけで今回は全国の屋台メニューをテーマに、地方にしかないレアなレシピを厳選してご紹介したいと思います。
この夏は「あの味を求めて」屋台めぐりツアーなどを企画してみるのも楽しいかも知れませんよ。それではさっそくまいりましょう!
「ゼリーフライ」と聞けば、あのプルプルのゼリーをフライにしたもの!?と一瞬思ってしまう方もいるでしょう。
しかし、違うんです!
ゼリーフライとはじゃがいも、おからなどの材料をベースに小判型に整えて油で揚げた、埼玉県行田市が誇るB 級グルメのことなんです。味はモチモチした食感と自然な甘みが特徴で、衣を使わずヘルシーなので、とくに女性に人気なのだとか。元々のルーツはかつて行田市にあった「一福茶屋」のご主人が、日露戦争で中国東北地方に従軍した際に現地で発見した野菜まんじゅうをアレンジしたものと言われています。
ちなみに気になる名前の由来は、その形状や大きさが小判に似ていることから「銭富来(ぜひふらい)」と呼ばれ、いつの間にか「ゼリーフライ」に変化したのだとか。お値段は1個100円程でお祭りの屋台ではもちろん、現地では家庭料理でもおなじみなのだそうです。銭富来。う〜ん。なんとも縁起が良さそうな響き!
・じゃがいも 1個
・おから 60g
・にんじん 20g
・玉ねぎ 20g
・片栗粉 大さじ3
・塩 大さじ1
・揚げ油 適量
※ゼリーフライのタレ
・しょうゆ 大さじ1
・ウスターソース 大さじ3
(1)じゃがいもは皮をむいて一口大に切った後、やわらかくなるまで茹でる。
(2)玉ねぎとにんじんはみじん切りにする。
(3)よく茹でたじゃがいもを潰し、みじん切りにした玉ねぎ・にんじん、おから、片栗粉、塩を全てボウルに入れてよく混ぜ合わせる。
※この時、水分が足りないようであれば水を少々加える。
(4)混ぜ合わせたタネを小判型になるよう丸め、形を整える。
(5)中温の油で8分ほどカリッとなるまで揚げる。
(6)揚げたフライをしょうゆ、ウスターソースにサッと絡めて出来上がり!
はしまき(関西圏)
関東ではあまり知られていませんが、ところ変われば食文化だって変わります。
関西、いや関西よりも西、四国や中国地方に進むほど一気にメジャー感を増してくる「はしまき」。これ、一体どんなものかと言うと…。ズバリ「お好み焼きを箸で巻いたもの」なんです!
どうやら発祥は九州のようで(ちなみにいつ頃つくられ始めたのか等は不明)、縁日などではすっかりおなじみの存在なのだとか。
たしかに関西ではお好み焼きが日常。だからわざわざ箸で巻く必要もないのかも!? というわけで、味はお好み焼きとほとんど変わりませんが、箸にぐるぐる巻かれているだけに食べやすさは抜群&見た目もとってもユニーク! お値段も200〜300円程なので、見つけたときはぜひ試すべし。
はしまき 5本分の材料
・水 200g
・薄力粉 100g
・卵 1個
・顆粒鰹だし 3g
・サラダ油 適量
※お好みでトッピングにマヨネーズやウスターソース、鰹節や万能ねぎなどを入れるのもおすすめです。
(1)水、薄力粉、顆粒鰹だし、卵をボウルに入れてよく混ぜ合わせる。
(2)加熱したフライパンにサラダ油を薄くしき、生地をお玉1杯分ほど流し入れる。この時楕円形or 丸くなるようお玉の背を使って全体的に薄くのばす。
(3)生地の色が変わり火が全体に通ってきたタイミングで、生地の端に割り箸をのせてぐるっと巻く。
(4)生地を全部割り箸に巻きつけたら軽く形を整えてお皿に盛りつける。
(5)お好みでトッピングに、ウスターソース、マヨネーズ、鰹節などをかけて出来上がり!
フレンチドッグ(北海道 道東)
(フレンチドッグの紹介)
見た目がアメリカンドッグに似ている「フレンチドッグ」は、北海道、とくに十勝・釧路・根室など“道東”と呼ばれる地域の人々にとっては昔からおなじみのおやつ。
屋台ではもちろんのこと、コンビニやスーパーなどでは普通に買えるんだそうです。たしかによ〜く見るとまわりにお砂糖がまぶされていて、揚げパンor ドーナツのような雰囲気! 起源は定かではありませんが、道東では昔、炭坑や漁業が盛んであったため「疲れたら甘いもの…」ということで、砂糖をまぶしたという説が有力です。
ちなみにアメリカンドッグとの違いはもう一つ、フレンチドッグには「魚肉ソーセージ」を使うということ。材料に海の物を使うあたり、さすがは北海道。お値段も100円〜とお手頃価格。
フレンチドッグ 3人分の材料
・ホットケーキミックス 150g
・魚肉ソーセージ 9本
・卵 1個
・水 120g
・揚げ油 適量
・砂糖 適量
(1)ボウルにホットケーキミックス、卵を入れる。
(2)水を少しずつ加えながら、全体が滑らかになるまでよく混ぜ合わせる。
(3)竹串をウィンナーに刺し、生地の中でクルクルと回しながら全体が均一になるよう1本ずつ生地をつけていく。
(4)熱した油に入れ、竹串を回しながら7~8分ほど揚げる。
(5)揚げたら少し冷まし、お好みの量の砂糖をまぶして出来上がり!
まとめ
今回は全国にあるレアな屋台メニューを3つご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
名前もユニークな上に由来もおもしろいので「今すぐ食べてみたい!」と食べる気満々な方もきっと多いことでしょう。 そんな時はご紹介したレシピを参考にしてさっそく作ってみるというのももちろんアリ…ですがやはり、実際に屋台で食べるのは趣や風情があって、美味しさも食欲も何倍にも膨らむというもの。
というわけで今年の夏はレアな屋台メニューを狙って、楽しいイベントを企画してみてください!
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