店主の武田悦夫氏は、青山の老舗とんかつ店で修業の後、1974年にこの店をオープンした。以来40年以上、地域に根ざしたとんかつ店として地元のゲストに支持され続けている。店主の立つ調理場からはガラス越しに店舗内が見渡せる。他のスタッフたちと共に、今なお店を取り仕切っている姿は職人と呼ぶにふさわしい風格が漂う。

低温の油で約10分間、じっくりと揚げながらも、豚肉の中心には、ほのかなピンク色を僅かに残す。余熱を利用して、提供されたテーブルの上で最後の熱が行き渡るように仕上げてあるのだ。サックリとした歯触りで、豚肉と揚げ油の美味しさを引き出している粗めのパン粉も、この店のためだけに作られたオリジナルのパン粉だ。

自宅に大勢のゲストを招いたときなど、つまみや食事に何を出そうか迷うことも多い。そんな時に大助かりなのが、この店のオードブル。とんかつやエビフライなど、その家ごとの好みの揚げ物を、人数や予算に合わせて注文できる。しかも、エリア限定だが店周辺の地域に配達も可能。店と同じ味が、自宅でも食べられると人気だ。

この店では、店内と同じ素材を使った弁当を各種取り扱っている。上質の米油で揚げてあるので、冷めても油の匂いが気にならない。オードブル同様、自宅まで配達してくれるとあって、地元では好評。配達区域は、店のホームページに掲載されているので、確認しておくことを勧めたい。個数が多い場合は、早めに予約すると良い。