こだわり1 品質・管理

特注のネタケースは魚の下に秘密あり

カウンターに座ると、木枠のネタケースが目に入る。整然と並んだ魚の新鮮さに、おのずとこれから出される寿司への期待感が湧いてくる。このケースは、魚の下に氷が敷き詰められて、乾くことなく鮮度が保たれるという優れものだ。ネタは、店主が毎朝、築地へ出かけ、産地やブランドよりも自分の目で旬の魚を厳選するという。

こだわり2 江戸前寿司

伝統のかんぴょうの味を、今に伝える

昔から江戸前では「海苔巻」といったら「かんぴょう巻」のこと。干瓢は拳2個分の長さに切り、海苔で巻いた後は必ず4等分。そんなうんちくも楽しい。今なお、店主の母親が、昔ながらの方法で煮ているという。栃木県産の特級干瓢を使い、水で戻した後、醤油と砂糖だけで、少し濃いめの甘辛い味付けにしている。

  • この店では、ネタによって「赤酢」と「白酢」を使い分けている。赤酢とは、酒粕を原料として作った酢で、酵母や麹の働きで、アメ色になるためそう呼ばれる。「金寿司」では、初代の頃は、赤酢で握っていた。今は2種類の赤酢をブレンドして、マグロや光り物、かんぴょう巻など、味がしっかりしたものに赤酢を使っている。

  • 「白酢」は、家庭でも使われる米酢に砂糖と塩を混ぜたもの。味が淡泊なイカや白身の魚、貝類には白酢を使う。2代目はすべてに白酢を使っていたが、3代目になって祖父と父の良いところを取り入れ、赤白を使い分けるようになった。米は、祖父の頃からの長い歴史と信用のある米屋からその季節に美味しいものを仕入れている。

こだわり3 歴史がある

懐かしの光景を、思い出に閉じ込めて

「金寿司」は昭和7(1932)年創業。現在の店主山田晴彦氏の祖父が開業し3代目になる。以前は、神保町3丁目の専修大学の近くに店を構えていた。その場所が、再開発となり移転を迫られたとき、やはり神保町から離れがたく、2008年10月にこの場所に移ったという。店内には、昔の店の絵がさりげなく飾られている。

こだわり4 接客にこだわる

にこやかな笑顔の接客で、和みを演出

店主の山田氏は、他店で5年間修業をした後、家業を継いだ。今は、母親と二人三脚で店を切り盛りする。丁寧な仕事ぶりの店主だが、若い頃は趣味でやっていたボクシングが高じてプロのライセンスを取得するほどの腕前だったという。今では、メニューに家族の名前を一文字ずつあてるほど、家族愛に満ち溢れている。

神田神保町 金寿司 のサービス一覧

神田神保町 金寿司
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