フレンチ風、チーズ山盛り、ふわふわムース……個性豊かでおもしろうまい東京都内の「白いカレー」を食べ歩く

2006年に白カレーが一世を風靡してから、はや十数年。今も東京都内に白カレーを食べられるお店は点在していますが、なかには驚くべき発展・進化を遂げたものも存在します。フレンチ風、チーズ山盛り、ふわふわムースなど、白カレーという概念を極限まで拡大するような、個性豊かなメニューが実はたくさんあるのです。そこで今回は特に個性的な白カレーを求めて東京都内の3軒を食べ歩いてみました。 (東京駅(八重洲)のグルメランチ

フレンチ風、チーズ山盛り、ふわふわムース……個性豊かでおもしろうまい東京都内の「白いカレー」を食べ歩く

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2006年、「白カレー」なるものが話題になった。文字通り、白いカレーである。もとは北海道発のご当地グルメで、クリームソースをベースにしたマイルドなルウが特徴だ。「カレーは茶色(黄色)」との常識を覆すその白さは、大きなインパクトを与えた。

 

あれから十数年、今も東京都内に白カレーを食べられるお店は点在しているが、なかには驚くべき発展・進化を遂げたものも存在している。というわけで、今回は特に個性的な白カレーを求め、都内の3軒を食べ歩いてみた。

 

フレンチの名店が生んだ「高級ホワイトカレー

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まず訪れたのは、東京駅八重洲北口から徒歩1分の「キッチンストリート」内にある「ドンピエール エクスプレスカレー」。欧州カレーがメインの人気店だ。

 

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ちなみに「ドンピエール エクスプレスカレー」の本店は長年、銀座で愛され続けてきたフレンチの名店「レストラン ドンピエール」とのことで、内装、イスやテーブル、シャンデリアに至るまで伝統的かつ高級感のある雰囲気が伝わってくる。

 

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ホワイトカレー(1650円)

 

そして、こちらがお目当ての「ドンピエール エクスプレスカレー」のホワイトカレー

し、白い! そしてなんだかお上品!

 

白いルウの上には海老や素揚げしたジャガイモ、茄子、ブロッコリー、人参などが彩り豊かに配置されている。

 

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厨房を預かるのはダワディ・アカシさん。インド・アジアカレーの要素を欧風カレーに取り入れる気鋭のネパール人シェフ

 

アカシさんによれば「ココナッツミルクを使うことで、ホワイトカレーの白さとクリーミーな味わいを生んでいる」のだとか。さらに、ルウにはフランス料理に用いる魚介出汁『フュメ・ド・ポワソン』を使い、コクや風味を格段にアップさせているとのこと。フランスとアジアの食文化が融合した白カレーというわけか。なるほど、ずいぶん手が込んでいる。心して味わいたい。

 

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うん、おいしい。そして、このピリッとした辛さはなんだろう?

 

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アカシさん「辛さの正体は青唐辛子です。青唐辛子を使用することで、後味に爽やかな辛さを演出しています」

 

最初の口当たりは甘く、やさしい。しかし、食べ進めるごとに青唐辛子の辛みが効いてきて、じんわり汗ばんでくる。食べたことのない味だけど、うまい、うまいぞ。しっかり舌で転がして、その味の奥行きを感じたくなるカレーだ。

 

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スプーン休めのレーズン、福神漬け、らっきょうがうれしい

 

辛さがピークに達したら、自家製レーズンを投入。ほのかな甘味に舌がリセットされ、再びおいしくいただける。さっき舌で転がして…とか大層なことを言ったが、気づけばガツガツかきこんでしまっていた。

 

【紹介したお店】

店名:ドンピエール エクスプレスカレー

住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅 八重洲北口1F キッチンストリート内

TEL:03-5288-7551

営業時間:11:00~23:00

定休日:無

ドンピエール エクスプレスカレー
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 キッチンストリート
1,500円(平均)1,500円(ランチ平均)

r.gnavi.co.jp

 

 

まるで雪山「チーズドライキーマカレー」

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続いて訪れたのは、吉祥寺の「カレーハウスゴッド」。神を冠するとは、なかなか大胆である。これは期待できそう。

 

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なおカレー店はランチのみの営業となっており、夜は「炭きち」という焼肉屋になる。そのため、各テーブルにはダクトを完備。

 

そんなゴッドの白カレーがコチラだ!

 

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チーズドライキーマカレー(1000円)

 

白い何かがこんもりしている。まるで雪山……。

しかし、これは果たしてカレーなのか?

 

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目を凝らすと、雪山の正体はチーズ。チーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」をこれでもかと削りたおし、キーマカレーの上に降らしている。

 

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店長の村上さん。板前、バーテンダー、大手企業の商品開発など長年、飲食業界に携わってきた

 

不動の人気メニューだというチーズドライキーマカレー。そのこだわりは、オーダーが入ってからチーズを削ることだそう。「削り立ては見た目がふわっとしますし、何より香りが全然違います。パルミジャーノ・レッジャーノは香りの強いチーズですが、これだけの量を使うと苦手な方も多いと思い、より香りがマイルドなものを厳選していますよ」(村上さん)

 

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夜は焼肉屋ということで、質の良い肉を使用しているのもポイント


キーマカレー自体はスパイシーな味付けだが、チーズと一緒に口に運ぶことでマイルドな味わいに。ぱっと見、チーズが多すぎるようにも思えたが、キーマと一緒に食べ進めたときにちょうどいい、絶妙なバランスになるよう計算されているようだ。

 

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そして食べ進めると……、おっと! 半熟卵が顔をのぞかせた。すばらしいサプライズだ。

 

濃厚な半熟卵が味に変化を与え、スパイスや肉のうま味が凝縮されたキーマをより引き立てる。チーズの芳醇な香りを殺すことなく、コクとマイルドさもグンっとアップし、さらに深みが増した。

 

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うまいうまい。

 

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おら幸せだぁ……。

 

 

【紹介したお店】

店名:カレーハウス ゴッド

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-27 瑠璃ビル 3F

TEL:080-8809-6150

営業時間:11:30~16:00

定休日:月曜日

 

 

謎のふわふわに包まれた「白いカレーうどん

 

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3軒目は恵比寿駅から徒歩2分の「酒彩蕎麦 初代」。蕎麦屋の白カレーとは、果たしていかなるものなのか?

 

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店内はカウンターの1階、テーブル席の2階のツーフロアに分かれている。いずれも木目調の落ち着いた雰囲気。

 

そんな本格派そば処の趣漂う初代の、看板白カレーがこれだ。

 

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初代の白いカレーうどん(1188円)


カレーうどん、そうきたか!

 

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って、これカレーなの? 山盛りの生クリームじゃないの?

 

謎の白いふわふわ、その正体は……?

 

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料理長の斎藤さんが教えてくれました

 

斎藤さん「この白いムースの正体はジャガイモです。裏ごししたジャガイモに、少量の生クリームと蕎麦の二番だしを足したものになります。日本のソウルフードと言える『家庭で作るカレー』にはジャガイモを入れますが、カレーうどんにはあまり入れないですよね? そこで、開発者の方が何とかジャガイモを取り入れることができないかと試行錯誤した結果、食べるときに邪魔にならないムース状にして混ぜることで、よりまろやかな味を出すことにしたそうです」

 

幸いなことにジャガイモは大好物だ。さっそく食してみよう。

 

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ムースは繊細で、口に入れたとたん溶けてしまう。そして次の瞬間、口の中に和風出汁とジャガイモの風味が広がっていく……。これ、ものすごく好みだわ。ぜひ瓶詰めにして販売してほしい。

 

なお、白いカレーうどんはよく混ぜてから食べるのがオススメとのこと。

 

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斎藤さん「麺は北海道産の小麦粉を使用し、6割は全粒粉になります。また、スープは15種類以上のスパイスと5種類のブーケガルニをブレンド。具材には和牛を長時間煮込み、仕上げる手前にさらに追加しています」

 

スパイスの効いたカレーの辛さを、ふわふわムースが包み込む。スパイスの香りや刺激をまろやかにまとめつつ、味に奥行きを与えている。コシの強いうどんとの相性もいい。

 

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一心不乱にすすり込んでしまった。うまかった~!

 

【紹介したお店】

店名:酒彩蕎麦 初代

住所:東京渋谷恵比寿南1-1-10

TEL:03-3714-7733

営業時間:11:00~23:00

定休日:無休

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というわけで、個性派白カレー食べ歩きでした。ちなみに北海道を発祥とする「ホワイトカレー」はルウが白いカレーのことを指すので、ゴッドや初代のそれは厳密に言えば白カレーではなく「白いカレー」なのだけど、まあそんなことはいいじゃないか。もっと色んな店が、様々な白食材を使って新たな白カレーを生み出してほしい。

 

撮影/吉田一之(コユキ)

https://www.instagram.com/co.yu.3

 

【プロフィール】

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小野洋平(やじろべえ)

1991年生まれ。編集プロダクション「やじろべえ」所属。服飾大学を出るも服が作れず、ライター・編集者を志す。自身のサイト、小野便利屋も運営。

http://yajirobe.me/
Twitter:@onoberkon

                             
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