寿司屋が出すイタリアンとの和洋折衷コースが超お得で、中年にもツボだった件【中年メシ第4回】

おすし屋さんが「お客さんが来るランチ」メニューは何かを考えて提供開始したのがなんとパスタ!すし担当の大将とイタリアン担当の息子さんがお出迎えする東京都東村山市にある「しげ老鮨(しげおずし)」をご紹介します。(国分寺のグルメランチ

寿司屋が出すイタリアンとの和洋折衷コースが超お得で、中年にもツボだった件【中年メシ第4回】

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食べ歩くのが好きな中年オヤジが紹介する中年メシ!今回は東京都東村山市にある「しげ老鮨(しげおずし)」をご紹介。パスタをメインとした和洋折衷のコース料理を出して人気なのだという。

寿司屋でパスタって、本当に旨いの?

ということで、人気のコース料理を早速、取材してみました。

典型的な寿司屋なのだが…

寿司とパスタ――ビュッフェスタイルのお店ではよく見かけるが、実際にパスタを出す寿司屋や、寿司を出すイタリアンがあるかというと、これが意外とない。

 

考えてみれば、寿司もパスタも同じ炭水化物。セットにすると「半チャンラーメン」や「お好み焼き定食」のように、かなりボリュームのあるものになる。イタリアンでは海鮮物をよく使うし、合いそうな感じがするのだけど、「両雄並び立たず」ということなのだろうか?

パソコンで検索しても出てくるお店はほんのわずか。その中でも上位に登場するのが、今回紹介する東村山市の「しげ老鮨」だ。

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場所は東村山駅西口から徒歩で15分くらいかかるだろうか。駅から少し離れているが、割と大きな通りに面しているのでお店自体は見つけやすい。歩くのが面倒な人は、駅からタクシーに乗るのがいいかも。1メーターで着くはずだ。

店構えも店内も典型的な寿司屋。回らない寿司屋に入るのは久しぶりなので、ちょっとドキドキする。


今回いただくのは、「すしとパスタのコース」の中でも要予約の人気コース「まんぷくコース」。

まず運ばれて来たのは……。

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「野菜のテリーヌ」。

涼しげなお皿に乗った料理だけを見るとイタリアンなんだけど、お皿が運ばれた場所は白木のカウンターで、周りの風景は完全に寿司屋。何だかすごく不思議な感じがする。

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それにしてもこの「野菜のテリーヌ」、彩りが美しい。野菜ってこんなに色彩豊かなんだ。「この野菜、何だろう?」って見てるだけで楽しくなる。彼女と来たら、会話が弾むだろうね。
そんな野菜たちを包んでいるのは生ハム。もうビジュアルからして、「旨いに決まってるじゃない」という感じ。

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今回は取材だからお酒は控えようと思ったけど、これを見たら飲むよね。

白ワインもあるとのことだったけど、ここは寿司屋の雰囲気に合わせて生ビールを注文。
さて、「野菜のテリーヌ」をいただきますか。

 

旨いッO(≧∇≦)O!!!

 

ああ、やっぱり白ワインにすればよかったかな。これなら日本酒も合うかも。かかってるソースもいいけど、野菜の1つ1つが旨いんですよ。 「野菜のテリーヌ」を堪能していると、続いて「前菜三種盛り」が運ばれて来た。 

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エエッ! (゚д゚lll) 何コレ!!

 

エエッと……ココ、寿司屋ですよね? 

何なの、この本格的な前菜。写真だと料理しか写っていないから、素直に「美味しそう」と思えるかもしれないけど、私には料理以外の寿司屋の風景が見えるから、「何なの、コレ?」と不思議な感覚の方が先に来てしまう。
「前菜三種盛り」は左から、

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ローストビーフ。

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ズワイ蟹の酢の物。

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そしてアボカドのタルタルを添えた甘エビとサーモン。
最初の「野菜のテリーヌ」と同様、ビジュアルにやられて、味でKOという感じ。
前菜でこれだよ。メイン、どうなっちゃうの?と思っていると……。

見事な寿司にテンションUP!

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エエッ、次は寿司なんだ。しかも上寿司。

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 トロですよ、トロ! 回らない寿司屋でトロを食べるなんて緊張するなぁ。

 

旨いじゃ (゚д゚lll) ないッスカ!!

 

そりゃ寿司屋だもんね。

普段食べている回転寿司の寿司なんて足元にも及ばないって感じ。エビなんか肉厚でプリプリ。 寿司が出てきたことで、何となく不思議な感じがしてフワフワしていた気持ちがようやく落ち着いてきた。

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続いては「揚げ物」。この日はエビとナス、しし唐の天ぷら。レモンとカレー塩が添えられている。和の料理が続いたことで、完全に気持ちが落ち着いた。

もちろん、天ぷらがこれまでの料理と違い、ほっこりとして旨かったせいでもあるんだけどね。

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そして「本日の魚料理」は、「甘鯛のうろこ焼き 柚子胡椒のバターソース」。 表面の毛羽立っているのがウロコ。これがサクサクして旨いんですよ。そのままでも旨いんだけど、柚子胡椒のバターソースを付けて食べると……。

 

旨いねぇ(´ ▽`).。o♪♪

 

いやあ、ビールは失敗だったかも。白ワインか日本酒でゆるりと堪能したい味だね。

本格的なパスタにまたビックリ

と、ここでメインのパスタを選んで欲しいとメニューを手渡された。f:id:g-gourmedia:20150930134016j:plain

どれも旨そうじゃないの。悩むねぇ。でもせっかく寿司屋に来たんだから、旬の魚を使ったものがいいよね。
ということで、私は「秋刀魚としし唐の大根鬼おろし」をチョイス。

しばらくすると、厨房からガーリックの香りが漂ってきた。そして、来た、来た、来たよーッ!

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何、この彩りの美しさ! 

粗くおろした大根が雪のようで、その頂に載っているユズ皮がまた何ともいい感じ。ビジュアルは写真で伝えられるけど、漂ってくる香りが伝えられないのが本当に残念。ここまで結構食べてきたのに、猛然と食欲をかき立てる香りなんですよ。

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塩焼きにした秋刀魚とほんのり甘みのある大根の鬼おろしをパスタと一緒に口にすると、絶妙な塩加減になり……。

 

旨いじゃ (゚д゚lll) ないッスカ!!

 

確かにメインを張るだけあるね。寿司屋のパスタ、侮れないなぁ。 コース料理ということは、そう、最後にデザートが出てくる。それがコチラ。

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エエッと……ここ、寿司屋だよね?と改めて確認したくなるほど見事なデザートが出てきてビックリ。
バニラアイスにベリーのケーキ、栗とカボチャのタルトということだけど、いやもう見た目通りの旨さ。「まんぷくコース」の名に偽りはないね。本当にお腹いっぱいになった。

季節によって料理の内容は変わるけど、「まんぷくコース」の基本は、

*野菜のテリーヌ
*前菜三種盛り
*揚げ物
*上寿司5貫
*本日の魚料理
*パスタ
*デザート盛り合わせ

となっている。これでいくらだと思いますか? 

寿司は上寿司だからね。ネタが違うから、5貫とはいえ、あれだけで1,000円は軽く超えるはずだ。そう考えると、コースの料金は4,000円……いやボリュームもあるし、満足度から言えば5,000円以上か?

 

いやいや、これがナント2,760円なんですよ。

超お得だと思いませんか? 人気になるのは当然だよね。

 

始まりはランチから

なぜ寿司屋なのにパスタを出すことにしたのか? やっぱりそこは気になるよね。
ということで、大将とイタリアン担当の息子さんに話を聞いてみた。

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――どうして寿司屋でパスタを出そうと思ったんですか?

大将:ウチは駅から遠いから、「お客さんが来るランチを」って、考えていたんだ。次男がイタリアンやってたから相談してみたんだよ。ラーメンとチャーハンのセットのイメージで、炭水化物と炭水化物でどうかなって。

 

息子さん:始めたのは9年前くらいですかね。最初はランチだけで、パスタをメインにして、寿司の方は巻き寿司や寿司カルパッチョにしました。寿司をメインにすると、どうしても値段的に安くできないんですよね。

 

大将:最初は「どうしちゃったの?」とか言われたけど、テレビで取り上げられてからお客さんが来るようになったね。それまでは女性のお客さんはあまりいなかったけど、今ではランチタイムは9割が女性のお客さん。1人で来る女性も多いよ。

 

――最初はランチだけだったのが、ディナーまで始めたのはどうしてですか?

大将:パスタランチを始めて2、3年してからかな、「夜はパスタやってないの?」と言われ始めたから、金・土・日曜だけコースをつくってディナーを始めたんだよ。

 

息子さん:その後、平日の夜も出すようになったんですけど、それでも寿司屋ですから、パスタの単品は出してなかったんです。でも、お客さんの希望もあって2、3年前からパスタも単品で出すようになりました。

 

――いただいた「まんぷくコース」、とても美味しかったのですが、考えてみると、大将がつくったのは上寿司だけで、あとの料理はすべて息子さんですよね。パスタも単品で出すようになったというし、将来的にはイタリアンをメインにと考えているんですか?

息子さん:先のことはまだ何も考えていません。今は確かにちょっと逆転してイタリアンがメインになっている部分もありますけど、僕としては寿司を楽しんでもらいたいという気持ちがあるんです。寿司そのものを楽しんでくれるお客さんが減りましたからね。「まんぷくコース」に上寿司を入れたのも、そういう思いからなんです。

 


なるほどなぁ。確かに単に満腹にするだけなら普通の寿司ネタで数多く握って出した方がいいかもしれない。だけど寿司屋ならではの寿司を楽しんでもらうために上寿司にしたワケだ。ボリュームだけでなく質にもこだわっているから、満足度が高いんだね。
和洋折衷の「まんぷくコース」、要予約だけど、これは予約して食べる価値が十分にあるコースだと思うな。

恋人や家族など大切な人を連れて来ると、きっと喜ばれると思うよ。超オススメです。

紹介したお店

r.gnavi.co.jp

住所:東京都東村山市美住町2-24-47
電話:042-395-9150
営業時間:11:00~14:00/17:00~22:00
定休日:水曜
駐車場:2台

 

 

著者:薄井政美

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