ホッピーのナカを極限まで注いでくれる…だと……?練馬の酒飲みが集結する桜台「末広」が最高の酒場だった

西武池袋線の桜台駅近くにオープンしたオススメの立ち飲み店「末広」(東京都練馬区桜台1-5-11)を紹介します。ウーロン割150円も相当安いのですが、このお店で頼むべきはホッピーセット。最初に出てくるナカ(焼酎)はジョッキの半分以上と多く、さらにナカのおかわりはなんと「ストップ」と言うまで注いでもらえます。このサービスが多くの酒飲みを魅了し、常連さんが通いつめているそうです。さらにお酒だけでなく、料理が美味しいのも特徴。寒ブリ刺やあん肝といった海鮮系から、煮込み、揚げ出し豆腐など、マスターが徹底したこだわりで作っている料理はどれも絶品です。末広に行く際には、有名な銭湯「久松湯」とセットで訪れるのもオススメですよ。(練馬のグルメランチ

ホッピーのナカを極限まで注いでくれる…だと……?練馬の酒飲みが集結する桜台「末広」が最高の酒場だった

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こんにちは、ライターの玉置標本と申します。

今日は友人の勧めで西武池袋線の桜台駅へとやってきました。銭湯の料金で天然温泉に入れる久松湯で体をポカポカに温め、すかさず立ち飲み屋へと移動して、キンキンに冷えた酒を飲み干してやろうという、そりゃもう完璧な作戦です。ポカポカからのキンキン。ポカキン大作戦ですよ。

と思ってたんですが、桜台を訪れた火曜日は久松湯の定休日だったんですよね。営業していないとはわかっていたのですが、一応行ってチェックしたところ、なんと、やっぱり、お休みでした!

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▲やっぱりやってなかった!

いやでも、これは無駄足じゃないんです。残念ではありますが。

はじめて訪れた桜台という街がいったいどんな空気感なのか、それを知ることでこれから飲む一杯の酒が、さらにおいしくなるのです。

酒場との出会いは一期一会。近場とはいえちょっとした旅行気分、あるいは引っ越してきた初日をイメージして、楽しみたいじゃないですか。

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▲雰囲気のある観賞魚屋さん。桜台、いい街ですね。

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▲ラーメン好きの友人がみんな絶賛しているラーメン二郎桜台駅前店ってこれかー。

 

桜台にできた待望の立ち飲み屋「末広」

そんなこんなで駅周辺をちょこっと散歩をして、桜台という街がすっかり好きになったところで、お目当ての立ち飲み屋「末広」へとやってきました。

店頭には赤ちょうちんがぶら下がり、ホッピーのノボリが立っています。はい、もう完璧ですね。昨年の11月9日にオープンしたばかりとは思えない、桜台への溶け込みっぷりです。

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▲桜台駅から徒歩1分の末広。

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▲ウーロン割150円ってどういうことだ。

お店の開店時間である午後5時に待ち合わせたのは、「みんなのごはん」で執筆しているライターの斎藤さんと、ここ桜台駅が地元でこの店の常連である大木さん。

ぜんぜん繋がりのない二人ですが、なぜか遠い親戚くらいは雰囲気が近いような気がします。具体的に言うと、はとこくらいでしょうか。いや、似ているのはメガネの形だけですね。

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▲右が斎藤さん、左が大木さん。

大木さん曰く、なんでも桜台には飲み屋ならたくさんあるけれど、なぜか立ち飲みスタイルの店は一軒もなかったとか。この場所にあったインド料理屋が3回連続で閉店して、また次もインド料理屋かなと思っていたら、待望の立ち飲み屋がオープンしたので、地元の飲み友達と手を取り合って大喜びしたそうです。

 

独特の食券システムを理解しよう

とりあえず飲み物でも頼もうかと思ったら、ここで大木さんからアドバイス。この店は会計システムが独特で、まず「今日は最低でもこれくらいは飲み食いするぞ!」という金額分の食券を自販機で購入するそうです。

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▲メニューではなく金額が書かれた食券の自販機

たとえば1,000円分を買うとしましょう。その食券をカウンターのマスターに渡すと、伝票にその食券が張られ、注文したものが書かれていきます。

そして帰る時に計算してもらって、合計が1,050円だったら、不足している50円分の食券を追加購入して渡すというシステム。なのでオーバーしても問題なし。

購入した食券はその日しか使えないので、もし1,000円分買ったけど950円で満足したら、残りの50円は「チップだよ」とお会計をすますのがイキですかね。

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▲複数人で入店して、一緒に会計する場合は最初に伝えましょう。

このシステムはマスターが一人で店を切り盛りしているため、調理中にお金のやりとりをしなくてすむように、そして万が一お客さんが支払いを忘れて帰ってしまっても最初の食券分だけはいただけるように、という理由だそうです。

「いつも1,000円分払って、それを余らさないようにサクッと飲もうとするんですけど、途中で計算できなくなっちゃうんですよねー。だってウーロン割り150円ですよ」とにやける大木さん。

文章にするとなんだかややこしいシステムですが、1回体験すればすぐ理解できると思います。お店の雰囲気が自分と合うかが心配なら(すぐ好きになると思いますが)、前払いはファーストオーダーのドリンク分だけでも大丈夫です。

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▲海外の音楽しか聞かないというマスター(顔出しNG)。着ているTシャツはキング・ダイアモンドで、この日のBGMはブラック・サバス。

 

末広のつまみにハズレなし、ホッピーの「中」に遠慮なし

さて説明すべきことはすべて書き切ったので、ここからは私が感動したポイントを紹介していきます。

その1:ドリンクが安いしホッピーの「中」が多い

記念すべき桜台でのファーストドリンクですが、150円という自動販売機のウーロン茶よりも安いウーロン割りにしようかと思いつつ、大木さんが強くオススメするホッピーセット黒を注文。こちらも350円とスーパー良心的な値段です。

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▲全体的にドリンクが安い!

ホッピーセットというのは、麦芽やホップで作られたビールテイストの炭酸飲料(お酒ではないけどアルコールが0.8%)であるホッピーと、甲類焼酎のセットのこと。

ホッピーは主に関東の飲み屋で愛されているドリンクで、これをセットの焼酎で割りながらいただきます。ビールよりも安く酔え、アルコール度数を自分で調節しながら飲めるのが特徴でしょうか。

ホッピーを「外」、焼酎を「中」と呼び、この「中」の多い少ないで、誰もが一喜一憂する訳ですが、この店は氷の入ったジョッキの半分以上が焼酎で満たされていました。マスター、喜びをありがとう!

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▲焼酎が多い!それだけで嬉しい!

ちなみにメーカーの推奨は、焼酎とホッピーの割合が1:5なのですが、こんなに焼酎が入っていると、5:1と逆転してしまいます。でも……いいよね。

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▲別の場所で撮影したホッピーのラベル。メーカーが推奨する飲み方で出す店があまりないという変わった飲み物。

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▲ホッピーを注ぐ焼酎の量が多くて嬉しそうな二人。

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▲カンパーイ。

その2:海鮮系のツマミがうまい

さて喉が潤ったところで、店内を見回してつまみを選びましょうか。個人的な見解としては「ウキウキする瞬間」の上位にランキングする楽しい時間、それが立ち飲み屋でのつまみ選び。

店内の至る所に貼られた魅力的なつまみの中から、この場をもっとも楽しめるであろう組み合わせを考えるという喜び。迷いこそがごちそうです。

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▲天麩羅やおでんもあるのか。これは迷うね。チーズ100円とか素敵。あなたも一緒に迷いましょう。

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▲こんなに天麩羅の種類が多い立ち飲み屋ってはじめてだな。カマンベール天とか気になるぞ。

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▲あ、自家製いわし丸干しの存在にこの写真をみて気が付いた!

うーん、とりあえず赤字で書かれた寒ブリ刺しと、あん肝にします。魚が好きなんです。

ウーロン割り150円の立ち飲み屋なんで、失礼ながら魚介類に期待をするのも野暮かなと思ったのですが、これがしっかりとおいしい。良い店だ、ここ。

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▲ツマまでしっかりしている寒ブリ刺し。皮側の切り込みにこだわりを感じよう。

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▲「あ、うまい!」

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▲あん肝も日本酒を頼めばよかったかと思ってしまう味。

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▲「大根もうまいっすよ!」と斎藤さん。

その3:立ち飲み屋だけど椅子も注文すればある

私が魚介系から切りこんだのに対して、お隣の斎藤さんは意外な注文からスタート。

椅子付きのお通し!

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▲「お通し逸品椅子付き」ってなんだ。

この店は全席スタンディングの立ち飲み屋ですが、250円で椅子とお通しが出てくるのです。これなら立って飲むのは辛いけど立ち飲みをしたい気分の日も安心です。

お通しに250円分の価値があるので、実質タダといってもいいでしょう。

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▲「立ち飲み屋で椅子席って最高の贅沢じゃないですか?」

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▲この日のお通しは鶏の南蛮漬けでした。

ただし、背もたれに寄り掛かろうとすると倒れるタイプのイスなので、リラックスのし過ぎにはご注意を。ちなみに利用した人の数は、開業以来斎藤さんが12人目だとか。

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▲「この店で椅子を使っている人を初めて見ました。僕も座ってみていいですか?」と言いながら倒れそうになった大木さん。気を付けて!

その4:「中」のおかわりはストップというまで入れてもらえる

ジョッキに入ったホッピー割りを飲みきったところで、「中」のおかわりをしましょう。この店に来た一番の理由こそがここにあり、なんでもストップというまで注いでくれるのだとか。

そんなバカなと思いつつ、200円の「中」を注文してみました。

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▲「『中』のおかわりください!」

するとジョッキに氷を追加してくれて、そこにアルコール度数25度の宝焼酎をペットボトルから直接注ぎはじめるじゃないですか。豪快!

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▲荒くれ者が集う漁師町での歓迎みたいな注ぎ方!

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▲ジョッキの半分を超えでも止まらない、これぞ焼酎のレインメーカー!

もう十分!お酒は好きだけど強くはないんです!

「ストップ!」と言おうとしたところで、「そういえば今日ってなんの取材ですか?」と聞かれて(そういえばいってなかった)、アワアワしているうちに9分目まで注がれてしまいました。富士登山でいったら9合目の鳥居をくぐったぐらいの位置です。

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▲わー!ストップ!

すごい、本当にストップというまで止めないし、あえて気をそらしてなるべく多く注ごうとする謎のサービス精神!店の売り上げを自ら減らそうとしていませんか!

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▲ちょっと、ホッピーが入らないじゃないですか!(嬉しい)

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▲今までで一番濃いよ!(嬉しい)

「やかんで焼酎を注いでくれる店もありますが、ここはペットボトルから直接っていうのがいいですよね。僕なんかストップっていっても、『え?なに?』ってマスターが聞こえないふりして、必ず多く注ごうとするんですよ。これを目当てに練馬中の呑兵衛が集結している訳です」と大木さん。

これじゃ儲からないでしょと聞いてみれば、「ははは、ネタですよ」と笑うマスター。うん、とても良い店だ。

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▲「ここまでで十分なのにこの量ですよ!(嬉しそう)」

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▲「ちょっと、水を飲んだ方がいいですよ!」と斎藤さん。ウォーターサーバーのある立ち飲み屋っていいね。

安いお酒ばかりじゃなんだか悪いので、斎藤さんはあの『モエ・エ・シャンドン』とかどうですか?ネタに。きっと桜台の伝説になりますよ。え、ダメですか。

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▲さりげなくシャンパンのボトルが混ざっている。ゼロの数を間違えないように気を付けて!

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▲シャンパンではなく巨乳サワーを頼んだ(頼まされた)斎藤さん。その正体は、巨峰カルピスサワーでした。

その5:手間の掛かったツマミがうまい!

ここまでで末広の良さは存分にわかってもらったと思いますが、ツマミを追加で頼むたびに、さらなるファンになっていくのです。

煮込みを頼めば、臭みゼロの柔らかい豚モツがたっぷりの野菜と出てきました。なんでもマスターは仲間たちと「煮込み研究会」というのをやっていて、「煮込みの美味しい店は真摯な態度で居酒屋をやっているのでは?」というのが持論。

だからこそご自身の店の煮込みには、かなりの気合が入っているのでしょう。

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▲添えられた柚子胡椒がうれしいのだが、「これ柚子胡椒なんですか。塊で食べちゃいましたよー」と苦しそうな斎藤さん。なにやってんだ。

この煮込みのように仕込みに時間がかかるものだけでなく、都度の調理に手間をかける料理も多いようです。

「僕は揚げ出し豆腐をお願いします!」と斎藤さんが頼んでも、サッと作り置きが出てくる訳ではないのです。

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▲「揚げ出し豆腐ください!」

この店では注文が入ってから、衣をつけた豆腐を揚げるスタイルでした。

いやいやいや、揚げ出し豆腐だから豆腐を揚げるのは必然なのですが、それを注文がきてからやるんですか!そんな手間を掛けている立ち飲み屋、初めてですよ!

「え、マジっすか!じゃあどうやって作るんですか!」と驚くマスター。良い店すぎる。

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▲豆腐をフライヤーで揚げるところから揚げ出し豆腐を作るのが、末広の常識らしいよ。

こうして完成したのは、大根おろしがたっぷりと乗った熱々の揚げ出し豆腐。ちょっともらって食べましたが、もちろん最高でした。

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▲海苔の香りもうれしい。

「ここはお酒が安いだけじゃなく、ツマミが最高なんです。じゃあ僕は、いつもは頼めないナポリタンを大盛りで!」と常連らしい注文をする大木さん。

手のかかるナポリタンは、マスターの手が空いている時だけの限定メニュー。この日は平日の5時から飲んでるため、まだ他のお客さんが来ていないので頼めました。

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▲あえてわかりにくいところに貼られたナポリタン。

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▲これも作り置きではなく、麺を茹でるところから作りはじめました。なんなんだ。

このナポリタンがうまかった。しっかりと強火で炒めたケチャップの塩気がいいんですよ。これぞ酒に合うナポリタンだ。

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▲もしマスターの手が空いていたら、絶対に注文したいナポリタン。

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▲焼き物を頼むと「うちはこれしかないんで」と七輪で焼いてくれます。

その6:居心地が最高だ

どうでしょう。もう桜台へ行く日は決まりましたか。

普通の立ち飲み屋といえばそうなのですが、この店は普通の中にもキラリと輝く個性がそこらじゅうにあるんですよ。

昨年11月にオープンしたばかりですが、すでに大木さん以上の常連さんが多く付いており、立ち飲みなのに最高9時間飲み続けた人もいるのだとか。それだけ居心地がいいっていうことですね。もちろん新規のお客さんも大歓迎です。ただし酔っ払いはお断り!店内でも過度の飲酒は控えて(たぷたぷ注がれても)、節度を持って楽しみたいですね。

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▲家が近所でいいなー。

私も家の近所にあったら、絶対に通っていると思います。

いや、家からかなり遠いけどまた来ますよ。

今度こそ久松湯がやっている曜日を選んでね!

 

紹介したお店

末広
住所:東京練馬区桜台1-5-11
TEL:03-3557-2470

 

プロフィール

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玉置標本
趣味は食材の採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は古い家庭用製麺機を使った麺作りが趣味。

ツイッター:@hyouhon
ホームページ:私的標本
製麺活動:趣味の製麺

玉置標本「みんなのごはん」過去記事一覧

                             
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