タコのフルコースを食べたらあまりの旨さに多幸感が……!千駄木「三忠」でタコの奥深さを知った

タコといえば明石のイメージがありますが、東京にもタコ料理専門店があります。それが千駄木「三忠」。タコを使った美味しい料理をいただけますよ。お酒のおつまみにピッタリなメニューもあれば、たこしゃぶ、たこ飯といったメニューもあります。三忠でいただけるお料理は独創的なものばかり。谷根千観光とあわせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか?(千駄木のグルメ和食

タコのフルコースを食べたらあまりの旨さに多幸感が……!千駄木「三忠」でタコの奥深さを知った

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こんにちは、食に関して優柔不断なライターの玉置です。

皆さんは「どっちが好き?」と聞かれて困る食べ物はありませんか?

 

甲殻類でいえば、エビとカニ。

麺類でいえば、そばとうどん

トンカツでいえば、ロースとヒレ。

芋煮でいえば、醤油味の牛肉と味噌味の豚肉。

 

どうですか、悩みますよね!迷いますよね!

そして頭足類でいえば、イカとタコなんですよ!決められますか!

 

もしかしたら悩まない人もいるかもしれませんが、どっちも好きだからこそ私には選べません! どちらかを食べたら、もう一方も食べたくなるのが人情なんです!

 

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▲斎藤さんをマネして、私も絵を描いてみました。特に意味はありません。

 

ということで、以前にライターの斎藤さんの記事『今年はイカが不漁だそうなんだけど新宿いかセンターはそんなこと関係なく超楽しい』という記事でイカをいただきましたので、今回はそのライバルであるタコを食べまくりましょうと斎藤さんとやってきたのは、タコにとことんこだわる千駄木の「三忠」です。

 

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▲一見すると普通の居酒屋ですが、提灯にはタコの絵が!

 

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▲そして店内にもいたるところにタコの絵や人形が!

 

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▲カウンターには立派なタコの足!そして店主もどことなくタコっぽい雰囲気!

 

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▲箸置きだってもちろんタコ!

 

どうですか、この見事なタコっぷり。店内のいたるところにいるタコを探しているだけで、もうテンションが上がってきました。

とりあえずファーストドリンクは、タコだけにチュウということで「生中」で乾杯しましょうか。あ、斎藤さんと生チュウはしませんよ(この一文はいらないですね)。

 

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▲ご同行いただいた斎藤さん。

 

ところで「ちゅうちゅうたこかいな」って数えますけど、あれってなんでだろうと今更ながら調べてみたら、その語源は平安時代に流行っていた双六で用いられていた用語だそうで、2のゾロ目のことが「ちゅう」、「ちゅう」が2ゾロで4、「ちゅうちゅう」で4+4=8。タコの足は8本だから「たこかいな」となったとか。

 

はい、そんなウィキペディア調べの小話は置いておいて、さっさと料理の注文をしましょうか。

いつもならメニューをじっくりと眺めて決めていくのですが、今日は店主のタコへのこだわりをすべて受け止めましょうということで、「タコ8」というコースを注文。

メニューに書かれているタコ料理の数が明らかに8種類より多いので、これはタコハチではなくタコ∞(無限大)と呼ぶべきでしょう。タコだけに多幸感あふれるコースになっているはず!

 

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▲仕入れ状況やシーズンによって、内容は多少変わるそうです。

 

まず出てきた一皿は、意外なことにタコ以外の盛り合わせでした。これはコースではなくお通しですね。

あえてタコを外すことで、注文した料理とのタコかぶりを避けるという配慮なのでしょうけど、この料理がどれもきっちりうまいんです。

斎藤さんも「タコがなくても、普通に良い店じゃないですか!」とニヤリ。

 

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▲マグロの中落ち、ダイコンと豚肉の煮物、イワシのフライ。

 

普通の料理がうまいからこそ、その上であえてタコにこだわる三忠への期待があがりまくるというもの。そんなタイミングで出てきたのは久里浜産のマダコ刺しです。

半生に茹でたものと、サッと表面を炙ったものの2種類なのですが、これを食べ比べてみると、火の入れ方次第で同じタコでも食感と香りがまったく違うことに驚きます。素材が良いからこそ、ちょっとの変化で化けるんでしょうね。

 

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▲紫蘇を挟んで左が茹でたタコ、右が炙ったタコ。

 

そして北海道産ミズダコの刺身もいただきましょう。ミズダコというのは北の海に生息する大型のタコ。大きくなるタコだからこそ、皮を剥いて中央の柔らかい部分だけを刺身で出したり、吸盤のコリコリ(皆さんが思っているよりもコリッコリ)を楽しむことができるのです。

この生の淡い味を楽しむために、醤油をダシで割って固めた特製の泡を用意するという気遣い。なんだか上質な貝類を食べているような感じがします。

 

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▲生のミズダコ刺し。吸盤の歯ごたえが素晴らしい!

 

タコの刺身といってもいろいろあるんだなーと感動したところで、さらに出てきたのが活きたマダコの踊り食い。これが本当のタコ踊りなのですが、元気すぎて吸盤が皿にくっついてなかなか持ち上がらない!

そんな元気なタコだから、どうにか口に入れても口内をつねるかの如くチューチューと吸われます。この味は「面白味」というやつですかね。

 

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▲タコツボ風の器がかわいい。

 

続いてはタコ焼きと天麩羅なのですが、この店では名前から味を想像するとびっくりする場合があるのでご注意ください(後半へのネタフリ)。このタコ焼きは小麦粉の生地ではなく、魚のすり身でタコを包んでフカフカに揚げたもの。タコ入りのさつま揚げなのです。

そして天麩羅の中身はもちろんタコですが、揚げたら硬くなりそうなタコなのに、どうしたらこんなに柔らかくできるんだという驚きが詰まっていました。

 

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▲タコ焼きの正体、そして天麩羅の柔らかさに驚きましょう。

 

そろそろビールがなくなり掛けたところで出されたのは、ミズダコの刺身とウニを和えたもの。似たような環境で育った両者が奏でる北の海のハーモニー。

こりゃうまいだろうと思って食べましたけど、ミズダコの歯ごたえとウニの濃厚な旨味が、ものの見事にハモってますよ!

 

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▲皿まで舐めたくなります。

 

ここですかさず飲み物を追加オーダー。これにはやっぱり日本酒かなとも思ったのですが、焼酎の「中々」を水割りでいただきました。「タコだけにチョウチューのチューチュー」って口をとがらせながら言いたいだけですね。

ちなみに「中々」は「なかなか」と読むのが正解です。テヘペロ。

 

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▲タコだけに「中々」とはドリンクメニューもなかなかやりますねえ。

 

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▲ついついボトルキープしたくなるかわいらしさ

 

まだまだタコを使った料理は続いていきます。

いきなりヨーロッパの潮風を感じさせるような、エスカルゴっぽく調理されたタコの吸盤のガーリック焼き。先程からタコ料理ばかりなのに、これならまったく飽きません。

 

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▲オイルの染みたパン粉がうまい。

 

そしてタコ酒盗チーズと続きます。今までに酒盗とクリームチーズの組み合わせまでなら食べた経験もありますが、まさかそこにタコが加わるとは。不足していたと気づかされた歯ごたえがプラスされて、もはや完全体のツマミとなっています。これはやばい。

 

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▲すぐに日本酒を追加しなければならない一皿。

 

次もやばいですよ。この白いのはマダコの白子ポン酢。どんな味だろうとちょっと不安だったのですが、これがヘタな魚なんかよりも全然臭みが無く、クリーミーでうまいんです。世の中にはこんな珍味があるのかと、タコなのに目からウロコが落ちまくり。

 

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▲今年のベストオブ白子賞をあげたい。

 

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▲さっきから「いい店だー」と二人で100回くらいいってます。

 

ちなみに2月にここへ来たときは、イイダコという小型のタコのシーズンで、その卵を食べさせていただきました。「飯蛸」と書くだけあって、ご飯粒みたいな卵でうまかったんですよ。せっかくなので写真を載せておきますね。

 

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▲2月に食べたイイダコ。この卵を狙う場合は、冬場に来てみてください。

 

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▲ご主人の顔も描いてみた。実際の顔は記事の最後に出てきます。

 

盛り上がってきたところで、今度はダシの効いた三杯酢にタコをトロロで包んだものが浮いています。タコと一緒にこっそりと隠れているのは梅干し。口がさっぱりして嬉しい一品です。

 

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▲タコといえば酢の物が定番ですが、こんな形で出てくるとは。

 

永遠に続いてほしいタコ三昧のコースもそろそろ終盤戦。ここで出てくるのが、この店の名物料理ともいえる特大の明石焼きが登場です。

 

ドーン!

 

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▲これが塩釜焼きじゃなくて明石焼きなんですよ。

 

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▲「なんですかこれは~~!」

 

明石焼きといえばタコ焼きのような大きさを想像しますが、ここのはメロンパンよりも大きな特大サイズ。明石焼きというよりは「たしこんなのたのんだかし焼き」なんですよ。

そして驚くのはその大きさだけではありません。こんがりと焼かれた表面を崩すと、中からはムースのようなフワッフワの泡が出てくるのです。

 

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▲この中身を確認する瞬間が楽しいんですよ。

 

この泡の正体は、泡立てた卵とハンペンなのだそうで、言われてみれば確かにほんのりと魚の味がします。先程のタコ焼きもびっくりでしたが、それをさらに上回る驚きが待っているとは。

これを食べることで、ようやく私にも「メレンゲの気持ち」とやらがわかったような気がします。いやどうでしょう。

 

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▲フワッフワだからこそタコの存在感が生きるんです。

 

これでもかとタコづくしを堪能してきましたが、ここで満を持してミズダコのしゃぶしゃぶが登場です。酒に合う料理ばかりだったので、取材でなければベロンベロンになっていたかもしれません。いやー、あぶないところでした。

 

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▲凍らせたミズダコの足を半解凍で薄くしたものを昆布出汁でしゃぶしゃぶにする贅沢。

 

食べ方をレクチャーしてくれたお店の方によると、生でも食べられるタコなので火の通しすぎは禁物とのこと。タコを入れる前に火を弱くして、しゃぶしゃぶのしゃぶくらいで引き上げましょう。

これを自家製のポン酢でいただくと、見事なベストオブあっさり賞。もしこれをいきなり食べたなら、私にはちょっと物足りなく感じたかもしれませんが、ここまでの料理でタコの旨味をしっかりと学習してきたので、この繊細な味を受け止める舌が用意されています。タコの奥深さを知ったからこそ理解できる味といえるかもしれません。

 

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▲我が人生で一番繊細な味の鍋かも。

 

さあさあさあ、鍋の締めといえば雑炊やうどんが定番ですが、三忠ではスープは塩を足してそのまま飲ませた上で、さらにタコ飯を別途用意するという嬉しいスタイル。

 

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▲タコのダシがそのまま味わえる上品なスープがうまいのよ。

 

タコ飯は赤と黒から選ぶのですが、せっかくなので斎藤さんと一つずつ頼んでシェアさせていただきます。

赤はピリ辛のキムチ味、黒はタコのスミを入れた炊き込みご飯。イカスミならぬタコスミって珍しいですね。

 

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▲赤と黒、どっちにするか迷いますよね。この迷いが楽しいのです。

 

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▲鍋の余韻を楽しむなら黒ですかね。

 

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▲酔い覚ましに赤を頼むのもいいですね。

 

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▲「うまい、うまいよー!」

 

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▲「この味は~~~」

 

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▲「グーググッググッグー!(エドはるみ風)」

 

あまりのうまさに斎藤さんが壊れてきました。長い付き合いですが、こんな斎藤さんを見るのは初めてのような気もします。私が忘れているだけかもしれませんが。

 

これにてコースは無事終了なのですが、タコを知れば知るほど、そして食べれば食べるほど、今まで以上に好きになってしまい、また頭からもう一回このコースを食べたい気分です。

 

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▲しっかりと堪能させていただきました!

 

ちなみにタコ以外の料理ももちろんあるので、万が一うっかりタコが苦手な方が入店してしまっても、しっかり満足できると思いますよ。

というか次はタコ以外も食べてみたい!

 

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▲タコ抜きでも魅力いっぱい!

 

紹介したお店

店名:三忠
住所:東京都文京区千駄木3-1-17
TEL:03-3824-2300

プロフィール

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玉置標本
趣味は食材の採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は古い家庭用製麺機を使った麺作りが趣味。

ツイッター:@hyouhon
ホームページ:私的標本
製麺活動:趣味の製麺

玉置標本「みんなのごはん」過去記事一覧

                             
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