あの「チキンラーメン」を小麦粉から手作りできる!横浜「カップヌードルミュージアム」を全力で楽しんできた

横浜・みなとみらいに日清食品の「カップヌードルミュージアム」があるのをご存知ですか?こちらの施設は、子どもはもちろん、大人までもが1日楽しめる体感型ミュージアムです。小麦粉からあの「チキンラーメン」を作れたり、「カップヌードル」のスープとトッピングをカスタマイズできたり、世界の麺料理を食べられたり、と盛りだくさんな内容です。(みなとみらいのグルメラーメン・つけ麺)

あの「チキンラーメン」を小麦粉から手作りできる!横浜「カップヌードルミュージアム」を全力で楽しんできた

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こんにちは、製麺を趣味にしているライターの玉置です。今回はラーメン好きと製麺マニアの聖地である、憧れの「カップヌードルミュージアム」にやってきました。

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ここではなんとチキンラーメンを小麦粉から作る本格的な体験ができるのです!これってすごくないですか!!!

 

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ではさっそく世界初のインスタントラーメンである「チキンラーメン」、そして同じく世界初のカップラーメンの「カップヌードル」を発明した、日清食品創業者の安藤百福さんの「クリエイティブシンキング=創造的思考」を感じることができる体感型ミュージアムを全力で遊ばせていただきましょう!

【もくじ】

 

館内に入ってまず驚いたのは、天井が高くてシュッとした館内のデザイン。総合プロデュースはアートディレクターの佐藤可士和さんだそうですよ。

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いつまでも眺めていたい「インスタントラーメン ヒストリーキューブ」

最初の展示は「インスタントラーメン ヒストリーキューブ」。1958年に発明されたチキンラーメンが世界的な食文化へと発展していく様子を、3,000点ものパッケージで表現しています。

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チキンラーメンの発売当初は、「即席冷し千金蕎麦」なんていうバリエーションもあったんですね。そしてまだ国民食ではなかったカレーのフレーバーを早々に出しているあたりに、安藤さんの時代を掴むセンスを感じさせます。チキンラーメンカレー味、ぜひ復刻してほしいですね。 

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カップヌードルの登場は1971年。ここからすべてのカップラーメンの歴史は始まりました。発売から45年以上が経ってもデザインに古臭さを感じさせないというのがすごい!

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定番商品のパッケージデザインやフレーバーの変遷、さらに生まれては消えていく商品達から呼び起こされる様々な記憶、これはいくら見ていても飽きません。

さらには世界中のインスタントラーメンまで展示されているので、うっかりこのフロアだけで一日が終わりそうになりました。

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……このようにいつまでも眺めていたい展示でしたが、どうにか切り上げて「百福シアター」へ。

ここは撮影禁止なので画像はありませんが、安藤百福さんの生涯を映像で学んでおくことで、今後の展示やアトラクションの内容がスイスイと頭に入ってくるようになりますよ。

 

インスタントラーメンが生まれた「百福の研究小屋」

続いては「百福の研究小屋」。チキンラーメンが誕生した場所を忠実に再現したものなのですが、一見すると研究施設というよりは古い食堂の厨房のようです。ありふれた道具だけでも世界を変える発明ができるんですね。

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この緑色のかっこいい機械は「家庭用製麺機」といって、元々は農家などで自家用のうどんやそばを作るために誕生した道具。ここから世界的発明のチキンラーメンが生まれたんですね。

この機械がかっこいいなと思った方は、私が発行している『趣味の製麺』という同人誌をチェックしてくださいね(宣伝)。

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安藤百福さんの足跡を学べる「安藤百福ヒストリー」

「安藤百福ヒストリー」では、“食”の創造に人生すべてを捧げた安藤百福の足跡(インスタントラーメンだけにソクセキ!)を知ることができます。

ここでカップヌードルの開発を成功に導いたキーワードを押さえておくと、あとで感動するポイントが増えますよ。

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あの剥がすのが気持ち良いフタは、機上で食べたマカデミアンナッツがヒントに!

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 カップに麺を入れるのではなく、麺にカップをかぶせるという「逆転の発想」!

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長期保存のためのフリーズドライ製法!

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容器の気密性を高めるシュリンク包装!

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はい、これらはテストには出ませんが、ぜひ覚えておきましょうね。

そして安藤百福さんが言うからこそ重みのある言葉、「人類は麺類である」。うーん、素晴らしい。

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お待ちかねの「チキンラーメンファクトリー」で製麺体験!

ここまでは知識としての学習でしたが、ここからは体験による学習です。皆様おまちかねの「チキンラーメンファクトリー」でございます!

ズラッと並んだシルバーの製麺機は、外観や細部こそ違いますが、その機能は安藤百福さんが発明に使ったあの小野式製麺機と同じです。そんな製麺機でチキンラーメンを作れるという喜びにニヤニヤが止まりません。

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まずは麺の生地作りから。小麦粉にかんすいや胡麻油の入った練り水を加えて、グルグルと丁寧にかき混ぜます。

ここに教わったことを全部書くと(書きたい)1万文字を超えてしまうので、ぐっとこらえてダイジェストで紹介します(といいつつ長め)。より詳しく知りたい人はぜひご自身で体験してみてください。ただし要予約なのでご注意を!

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ギュッと生地をまとめて麺棒でグイグイと伸ばしたら、いよいよ製麺機の登場です!

古い鋳物製の製麺機もダンディでかっこいいですが、この最新型も最高にクールですよね!ブラックとシルバーの歯車がイカス!

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円柱状のローラーで生地を挟むようにして指定の厚さまで伸ばしたら、溝のついたローラーを通すことで均一な幅にカットします。この生地を切るシーンが一番の見どころですよ。

ちなみに製麺機をヒントにシュレッダーが生まれたと言われています。そういわれるとなるほどですよね。

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こうして無事に生麺ができたのですが、ここからがチキンラーメンファクトリーならではの工程です。この麺を茹でて食べるのではなく(食べたいですが!)、チキンラーメンに仕上げていきます。

 

スタッフの方に蒸していただいた麺に胡麻油をまぶし、秘伝の味付けスープを和えて手早く味付けをします。チキンラーメンはこの段階で味をつけるんですね。それにしてもお腹の減る香りです。

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これをバレンタイン期間限定のハート型に詰めて油で揚げていただき、麺をしっかりと乾燥させます。この「瞬間油熱乾燥法」こそが、お湯を掛けるだけで食べられるチキンラーメンの秘密なのです。

麺を油で揚げてお湯で戻すなんて、本当にすごい発想ですよね。

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これをパッケージに入れるときに、できたばかりのチキンラーメンをちょっとつまむことができるのですが、これがあったかくておいしいのです。できたてのチキンラーメンなんてなかなか食べられませんよ。

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このファクトリーは500円(小学生300円)と有料ですが、お土産としてバンダナ、作ったチキンラーメンと市販のチキンラーメンがもらえます。楽しすぎたので私はまた訪れて体験すると思います!

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オリジナルカップヌードルを作る「マイカップヌードルファクトリー」

続いては世界にひとつだけのオリジナルカップヌードルを作ることができる「マイカップヌードルファクトリー」

ここではさすがに製麺体験まではしませんが、自分でデザインしたカップにお好みのスープとトッピングを入れることで、オンリーワンのカップヌードルが作れます。

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まずはパッケージのデザインから。描いて大丈夫な範囲を係の方から教わり、自由に絵と文字を入れていきます。

カップヌードルの容器といえば、発明当時はまだ珍しかった発泡スチロールを使ったというのも発明ですよね。ちなみに現在は紙製のECOカップを使用しています。

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具は12種類の中から4つを選ぶのですが、同じ具を複数選んでもOK。ついついコロ・チャー4つにしたくなりますが、さてどうしましょうか。こんなにも心が弾む嬉しい悩みはここ数年なかったような気がします。いやー、迷いますねー。

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デザイン(というレベルではないですが)が決まったら、そのカップに麺を入れてもらいましょう。その入れ方はもちろん「逆転の発想」の、上からカップを麺にかぶせる方式です。

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そしてスープと具材の指定をします。カップヌードルの開発時は日本のフリーズドライの水準が低かったため、安藤百福さんは専用の会社を作ってしまったのだとか。

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仕上げに紙とアルミを合わせたフタを密着させたら、透明なフィルムでシュリンク包装。一つ一つの工程の意味を学んできたばかりなので、1つのカップヌードルにたくさんの知恵が詰まっていることをしっかりと実感できました。

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麺気分が味わえる「カップヌードルパーク」は子供専用

さて続いては麺の生産工程を体感できるアスレチック施設、「カップヌードルパーク」なのですが、これは残念ながら子供のためのアトラクション。「子供ってずるい!」と大人げなく思ってしまいました。

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世界の麺類が食べられる「NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-」

そろそろお腹がペコペコになってきたところで、「NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-」へと向かいましょう。

ここは安藤百福さんが“めん”のルーツを探す旅で出会った、世界各国の麺料理を味わえるフードアトラクション。インスタントでもカップでもない麺類が食べられます。

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お腹をグルグルと鳴らしながら中に入ると、そこはまるで外国のナイトマーケット。ここでは8か国の麺類と、このミュージアムがある横浜にちなんだ「横濱ナポリタン」が食べられます。また各国の珍しいドリンクもありますよ。

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麺類はすべてハーフサイズなので、たくさんの種類を試せるのが嬉しいですね。我々は4人で訪れたので、もちろん全種類を制覇しました!

 

まずはベトナムのフォー。パクチー好きにはたまりません。

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タイのトムヤムクンヌードルには大きなエビが乗っています。

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インドネシアのミーゴレン。見た目は焼きそばですが、食べてみると全然違う味がします。

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マレーシアのラクサは、ココナッツミルクの甘さと香辛料の刺激がベストマッチ。

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中央アジアのカザフスタンからはラグマン。うどんとパスタの中間のような味がします。

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麺類の本場である中国からは蘭州牛肉面。こうして食べ比べてみると、東南アジアの麺料理との違いがよく分かります。

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韓国からはおなじみの冷麺。独特の弾力を持った麺がたまりません。

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イタリアからはシンプルなトマト味のパスタ。硬質小麦で作るデュラムセモリナ粉の歯ごたえは日本の麺とはやはり違いますね。

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そして横濱ナポリタン。日本でナポリタンが誕生したのは横浜のホテルなんだとか。

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そしてデザートはカップヌードル味のソフトクリームで冒険をしてみました。

これは容器のカップとトッピングがカップヌードルなだけではなく、クリームもしっかりカップヌードルのあの味なのです。ちなみにカレー味もありますよ。

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これがおいしいかどうかは……ぜひご自身の舌で確認してください!

とりあえず味のインパクトは保証します!

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普通のラーメンが食べたいという方には、かわいいチキンラーメンの屋台もありますよ。もちろんアイスじゃないのでご安心を。

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お土産コーナーにはカップヌードルまんじゅうもあるよ

最後にオリジナル商品をお土産に購入し、大満足かつ超満腹のミュージアム体験となりました。

行列のできる店のラーメン 和歌山」の特濃豚骨しょうゆスープよりも濃かったです!

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体験できる全部のアトラクションに挑戦した我々の滞在時間は、軽く4時間を超えていました。余裕があればもう一周したいくらいのおもしろさ。決して子供向けではなく(もちろん子供も楽しめますが)、大人がリピートしたくなるミュージアムでした。

皆様もおでかけの際は、どうぞお時間に余裕を持ってたっぷりと楽しんできてください!

 

紹介した施設 

カップヌードルミュージアム

アクセス:みなとみらい駅もしくは馬車道駅から徒歩8分、桜木町駅から徒歩12分

 

プロフィール

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玉置標本
趣味は食材の採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は古い家庭用製麺機を使った麺作りが趣味。

ツイッター:@hyouhon
ホームページ:私的標本
製麺活動:趣味の製麺

玉置標本「みんなのごはん」過去記事一覧

                             
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