おはようございます。ライターの斎藤充博です。
今日やってきたのは板橋区にある「肉の卸売り屋さん」の日光畜産株式会社。ここで月に1度「個人向けにお肉の販売」をしています。
つまり上質なお肉が卸売り価格で買えてしまうという……。大変にありがたいイベントなのです。
店先では社長が売り物のお肉を焼いて、来客に振る舞ってくれます。なんだそれ。そんなおいしい話がこの世にあるのか?
直売会が行われるのは、毎月最終土曜日の朝の9時から。僕は取材ということでちょっと早めの8時半くらいに来てみたのですが……。
お客さんはすでにスタンバイしていますね。寒いんですが活気があります。
牛すじのスープ
「国産牛肉の千本スジのスープ」が無料でふるまわれています。千本スジとは聞き慣れないお肉ですが、スジ肉の一種で、頭から数百グラムしかとれない希少部位だそうです。
湯気でぼやけちゃっていますが、うまそ~~~。
食べてみると超やわらかい。トロットロです。何時間くらい煮込んでいるんでしょうか? 肉だけじゃなくて、スープにも肉のうまみがそのまんま出ています。めっちゃおいしいです。
売り物を炭火で焼いて振る舞う社長
スープの隣では社長がお肉を焼いてくれています。
炭火でガンガン焼いて、いい具合になったらお皿に上げてくれる。
来客はそれを爪楊枝でとって食べてもいいというシステム。こちらもタダ。デパートの試食コーナーみたいな感じです。
いただいたのはカルビ。うまいです。もっと食いたいという気持ちがつのる……。
社長はどんどんいろいろな種類の肉を焼いていきます。こちらはイベリコ豚のハラミ。
豚もうまいな……。ちょっと歯ごたえがある。
アメリカ産牛肉の「ミスジ」。肩甲骨の裏側の希少部位だそう。
でかいやつをとっちゃいました。ミスジって食べたことなかったけれどもヒレともバラとも違う独特な食感ですね。うまい。
これは山形豚のバラ肉。でかい!!!
試食した中でこれが一番うまかったかもしれない。朝から食う脂って最高だわ……。
直売会場へ
社長のテーブルの上には整理券が置かれています。肉の直売会は日光畜産の建物の中で行われているのですが、お客さんが一度に入りきれるほどのスペースがありません。
そこで整理券が配られています。建物の中が適当にすいてきたら、番号で呼んでもらえるシステムです。僕は朝の8時半(販売の開始は9時)に来たのに、整理番号は174番。みんなすごく早くから来ているわけです。
聞いてみたら1番の人は朝の4時半くらいに来て、一度に家に戻ったとか。来る方もすごいし、そんな時間に会社の前で整理券を配っている社長もすごい。
10時半頃になって、僕も呼ばれました。こちらが直売会会場の入口です。
これが直売会の会場です。所狭しと並べられた段ボールが「業務用」って感じですね。みんなひたすら真顔で肉を品定めしている。
ブラジル産の鶏肉450グラムが250円。100グラムあたり56円。安いな……。
こちらは山形豚バラ肉。店頭で社長が焼いていたアレですね。500グラムで900円。100グラムあたり180円です。
やきとんのカシラ。こういうの、部位毎に売っている物なのですね。
和牛&国産牛の切り落とし。500グラムで1,000円(100グラムあたり200円)。これも安いな。買おう。
変わったところでは「家二朗スープキット」なんてのもありました。あのラーメン屋さんのやつですよね(本家は郎なんだけど)。豚のげんこつ、親丸鳥、モミジ、背脂などが入っているそうです。
J・Kステーキ。180円。これは一体何だろう、と思って聞いてみたら「ニュージーランドの牛に国産の牛脂を注入した加工肉」だそうです。安さに釣られてこれも購入。
犬のエサも売られています。
売り物のリストはこんな感じ。ついつい安い肉ばかりに目が行ってしまいましたが、すごいいい肉もあるんですね。左上の「厳選和牛すき焼き用」は400グラムで4,500円! 100グラム1,125円だ。
リストの続き。ホルモン、ウィンナー、ラム肉などもあります。ものすごい豊富です。
牛モモ肉でローストビーフを作ってみたい
というわけで、いろいろと買ってしまいました。まずは牛のモモ肉です。これは冷凍ではなくてチルドでした。
これでローストビーフを作ってみます。ネットってよくかんたんなローストビーフの作り方がよく載っていませんか(偏見)? 今までやったことがなかったのですが、試してみたくて。
レシピは当サイトの記事を参考にしてみました。
肉に塩と胡椒で下味をつけます。
表面を強火で焼く。
弱火で10分蒸し焼き。火を消して15分放置。本当にこれだけでいいの……?
あっ
あっ あっ
できた! ゴージャス……! 本当にかんたんですね。ローストビーフ。
肉の端っこの方は、ちょっと火が通り過ぎて固くなっちゃいましたが、よく噛んでたべればぜんぜんうまい。
J・Kステーキはステーキ丼に
1枚180円のJ・Kステーキ(牛脂を注入した加工肉)。安さに惹かれて買ったのですが、これは……
こうじゃ。お茶碗に乗せてステーキ丼。
加工肉ということで、普通のステーキとは違うB級な味です。ステーキソースをたっぷりかけるのがよさそう。
ちょっとした昼飯ならこれもいいな~。何度も言いますが、なにしろ180円ですよ、180円。高級肉だけじゃなくて、こういうのも売っているのは、さすが卸って感じ。
ラムコロってなんだ
ラムコロという聞いたことのない商品。これは公式ホームページから紹介文をそのまま引用させてもらいましょう。
コックさんの賄い飯のように、現場の人しか知らなかった美味しいものがいつの間にか表舞台に出て売れるようになっちゃうという事がありますよね。
このラムコロはまさにそんな商品なんです。
フレンチラムラックをトリミング(筋や余分な肉を整形する事です)かけて納めるお客さんがありまして、その時に出る端切れのお肉は処理業者さんに引き取ってもらっていたんですが、これが実はとても美味しいんです!ミスジの端っこも入ってたりしまして。
以前はあたくしが趣味のバーベキューで友達呼んで一緒に食べたりしてましたが、さすがにそんなにたくさんは食べられません。
で、直売会に出してみたらすごい勢いで売り切れてしまうようになりビックリ!
おお……。マグロの中落ちとか、すきみみたいなことですかね? あれのラムバージョン。
焼いて塩胡椒すると、酒のつまみにぴったりだとか。やってみました。歯ごたえのあるラムですが、小さくなっているので食べやすい。
いろいろな部位が入っているようで、味や食感がそれぞれ違うのも楽しいです。たしかにこれつまみながら酒飲むの、ちょうどいいや。
というわけで日光畜産でした。高級なお肉から安い肉まで取りそろえていて、行っただけでもテンションが上がるし、お肉を買って帰れば最高の気分になる。
実は他にも買った肉が冷凍庫の中に眠っています。しばらく楽しみ……!
注意点として、買ったお肉を持ち帰る用意は必須です。クーラーボックスなどがあるとよさそう。冬場はいいんですが、夏は冷やして持ち帰りたいですよね。
取材協力
国産和牛肉や厳選ブランド豚肉の食肉卸し専門通販|日光畜産株式会社
住所:東京都板橋区桜川1-5-4
電話:03-3931-1836
直売会は毎月の最後の土曜日に行われます。詳しくはホームページで確認してください。
▼ちなみに、ローストビーフと一緒に飲んでいるワインは、こちらの記事で紹介したものです。