みんなのごはん読者のみなさん、はじめまして。駆け出し酒場ライター、さいころ文庫の山崎あやさです。
主な出没地域は都内立ち呑み屋さんのカウンター、好きな食べ物はビールです。
しかし最近は諸々気にしてホッピーです。慣れてくるとこれがなかなか。
“青は藍より出でて、藍より青し!”
ホッピーはもう、ビールの代替品じゃありません。
そして酒場界の「青は藍より出でて、藍より青し」な食べ物と言えば・・・
そう、ハムカツです。
お肉がまだまだ希少な戦後、プレスハムの誕生とともに生まれた食べ物。
トンカツの代替品として登場したという噂がありますが、このお肉に困らない現代社会においても、確固たる地位と人気を築き上げている、肉揚げ物界のプリンス。
それが、ハムカツです。
そんなわけで今回は、都内でそんなハムカツを肴に美味しいお酒が吞めちゃう銘店を5軒、ご紹介いたします!
【もくじ】
1.ミルフィーユにポテサラ…都内ハムカツ界の横綱、新橋「駿」
まずはこちら!
サラリーマンの聖地、呑兵衛の楽園こと、都内でも類を見ないホワイトカラーの呑み助が集まる街、新橋の名店。
某タモリ倶楽部のハムカツ部で紹介され、都内ハムカツ界でその名を知らない者はいないと言えるのでは。
それがここ、新橋「駿」さんです。
こじんまりながらも、オシャレ感を損なわない外観。
もともとは立ち飲み屋さんだったのが、ラーメン屋さんに、そして今はラーメン&鶏料理居酒屋として、華麗なる変貌を遂げたお店です。
ちなみに1階席と2階席があって、1階席は満席でも2階席だったら入れたりもします。
んでもって、行って混んでたら数時間後に予約とれちゃうことも。いつも混み合う人気店ですが、決して入店の難しいお店ではないのがうれしい。新橋ハシゴ酒の〆のラーメン使いにもオススメです。
行ったその日は1階席に滑り込めました。狭いながらも、落ち着く店内。
女性客も多い。
ちなみに本日のオススメメニューには旬の魚がずらり。
築地まで行って仕入れるらしいです。
鶏料理メインなんだけど、こっちはこっちでそそられる。
そんでもって、さらにずらりしているのが、カウンターの上の焼酎たち。
日本酒メニューも豊富で、やばい浮気しそう・・・な気持ちを抑えて、さっそくハムカツを注文します。
ハムカツメニューは
- ハムカツ
- ハムカツチーズサンド
- ハムカツポテトサラダサンド
の3つがあります。
まずはノーマルから攻めちゃいましょう。
どーん!
見よ、美しきこのミルフィーユハムカツ!
ミルフィーユハムカツを扱うお店は数多くあれど、6枚ってのは初めてです。
お味はというと・・・すんごい上品!
パン粉は細かめ、さっくさくの食感。塩気が薄めのハムは、しっとり。
女子に抵抗なきハムカツ。しかし男子も満足の美味しさ。
素晴らしすぎるので、追加も頼んじゃいます。お次はハムカツポテトサラダサンド。
どどーん!
なんじゃこりゃ、な物凄いボリュームのが出てきましたよ。
しかしこのボリュームながら、お味はやはり上品で美しく、食べやすい。
丁寧に仕込まれているポテサラは、しっかり潰されなめらかな食感。
そこにくだんのサクサク衣としっとりハムを纏っているのだから、もう言う事なし。
味がしっかりついているので、調味料なくても美味しくいただけます。
堪能、しました!
紹介したお店
TEL:03-3436-2200
営業時間:11時30分~14時00分/17時30分~23時30分
2.「ハムカツ卵」は洋食と大衆酒場の良いトコどり!「加賀屋 新橋2号店」
つづく2軒目は、やはり新橋。駿から徒歩5分くらいかしら。
「加賀屋 新橋2号店」さんです。
雑居ビルの2階です。2階ってだけで入店のハードル上がるのに、階段上がった入り口。
まったく、中の雰囲気が読めません。
そこを勇気を出して入ってみると・・・
大盛況です。サラリーマンのおとっつあん達がぎゅぎゅっと詰め込まれています。
雰囲気はザ・大衆酒場。タバコの焦げ跡のあるカウンターのテーブルから、手書きのメニュー、タバコに燻されてすっかり黄色く変色した壁まで、懐かしいことこの上ない。
そんなこのお店のハムカツは、ハムカツ玉子というお名前です。
ハムと玉子!んで、揚げ物。
美味しい雰囲気しかしません。さっそくオーダーです。
じゃーん!
なんと玉子焼きが上に乗ってのご登場。
ちょっと失礼して・・・
ペロリ。
うわぉ。7~8センチ四方のハムカツ2枚が、玉子の下に収まっています。
ちなみに玉子焼きはちょうどオムレツと薄焼き玉子の中間くらい。
そんでもって、上にかかっているのはケチャップではなくピリ辛のトマトソース。
ハムカツと言えばソースとからしで食べるのが好きな人も多いと思うんですが・・・これはこれで収まりの宜しい味具合です。甘味・酸味・辛味・塩味のバランス感!
厚さ1センチほどのハムカツは、とにかくボリューミー。
濃厚な黒胡椒の気配を感じる、ザクザク系の衣。ソースのお味も濃厚ながら、それに負けない肉感が、なんとも贅沢です。
ビールに良し、ホッピーに良し、ハイボールに良し、なんでも良し。
キャベツにかかってるサウザンドレッシングも、これまた旨し。
洋食と大衆酒場の良いトコどりな一皿でした。満足感しかねぇわ。
紹介したお店
TEL:03-3435-1129
3.昼からガッツリ揚げ物なら、渋谷「とりかつチキン」
はてさて次は趣向を変えて、昼から楽しめるハムカツです。
渋谷の「とりかつチキン」さん。
雑居ビルの2階の隠れ家的定食屋さん。
とりかつ、とんかつ、イカフライ、アジフライなど揚げ物を中心とした定食を提供するお店です。
ってゆうか、ここも2階か!
穴場、2階にアリか!
やはり中の雰囲気がわかりづらい扉を開けると・・・
古き良き雰囲気漂う、ザ定食屋さん。
15席のコの字・・・クの字?のカウンターと奥に一つだけある3人がけのテーブル。
こじんまりしたお店ですが、その距離感がまた良かったり。
広めの厨房も店内も、揚げ物メインのお店とは思えないほど綺麗です。
このちゃんと掃除が行き届いてる清潔感が好ポイント。
ご夫婦で経営されているらしく。
揚げ物担当のお父さんと、ご飯をよそったり、お会計をしたりクルクル動くお母さんの接客が心地よい。
そんな素敵なこの定食屋さんのメニューはというと!
気になる揚げ物が、ずらずらっと!
そんでもって、2品で650円、3品800円、4品で1,000円という明朗会計。
・・・っていうか、やっすいな~・・・
そんなこのお店のハムカツは・・・
揚げあがりの良い、さくさく衣の薄いやつ。
薄いのに、味がどっしりしていて良い存在感。しっかりした噛み応えも、衣の香ばしさも、申し分のないレベルです。
定食屋なのでもちろんご飯に合うんだけど・・・いやぁ、呑み助的に、ここはビール。
セットの白米は少な目にお願いして、冷えたビールできゅっと行っちゃう。
ちなみに、他の揚げ物も美味しいです!
個人的なオススメは、お店の名前にもなっている、とりかつ!
柔らかく、肉の旨味がきゅっと詰まったとりかつは、なかなか他では味わえない逸品ですよ。
んでもって、これまたビールに、合うんだな!
紹介したお店
とりかつチキン
住所:東京都渋谷区道玄坂2-16-19 ミヤコジビル2F
TEL:03-3461-0298
4.呑み助の心と財布を掴んで離さない、北千住の関西風串カツ「天七」
はてさてお次のハムカツは、というと・・・
これまたサラリーマンに人気の酒場天国。新橋よりもちょっとディープなエリア北千住のお店です。
その名も「天七」さん。
外観でお察しの通り、ってゆうかデカデカと書いてありますね。
立ち飲みの串カツ屋さんです。
その雰囲気、味、値段。呑み助の心と財布を掴んで離さない、ものすごい魅力の人気店です。
店内は厨房を真ん中とした大きいコの字型。さらにその厨房の真ん中のどでかいフライヤーで、どんどんと串が揚がって行く様は圧巻です。
ちなみに席には銀色のお皿とおしぼりがセットされています。お箸はありません。
奥にちらりと見えるキャベツは食べ放題。
もちろんソースは二度付け禁止。
これぞ串カツ!でも食べるのはハムカツ!
そんなわけで、こちらのハムカツです。
半円三日月型。端っこの赤い、昔ながらのハムカツです。
さっくりの衣が重すぎず、軽くサクサク行けちゃう。
シンプルなハムの美味しさが、ダイレクトに響きます。
2本ずつ出てくるお店なので、まず1本目はテーブル備え付けのお塩でさっぱり。
そんでもって2本目はソースにたっぷり浸して。
がっつりジャンキーな味わいが、まったく以ってビールに合いすぎます。
ちょろっとからしを乗っけると、そのソースの濃さがビシッと締まる。
何本でも行けちゃいそうな、ヤバいやつでした。
紹介したお店
TEL:03-3882-2879
5.直径10センチ・厚さ1.5センチ!美しくかつボリューミーな水道橋「スタンド ヒーロー」
はてさて最後にご紹介するお店は、やはり某タモリ倶楽部でも認められたハムカツを誇るお店です。
水道橋「スタンド ヒーロー」さん。
寒空の下というのに、中の席が満席ともなれば外に人があふれだす。
そんなめちゃくちゃ人気の立ち飲み屋さんです。
ノスタルジック加減が、良すぎる。スーツと私服の割合は半々くらい。
そんな素敵立ち飲み酒場のハムカツが、これだっ。
ボリューム! ボリューーーーム!!!
測ってみたら、厚さ1.5センチ以上ありました。この厚さで、直径10センチほどの大きさ。
大きい、というより、デカい。
もうこれはハム、というより、肉。
ちなみにこの「スタンド ヒーロー」さん、ものすごいメニューが豊富です。
そんでもってめっちゃ安い。なのに、どれも旨い。そしてけっこう大盛り。
なんだよ!良いとこしかないよ!
日替わりの鮮度の高いお刺身から始まって、名物のポテマカサラダを中心とした小鉢をつついて、煮もの焼きものを挟んで、串カツを堪能したうえで、最後に〆のがっつり飯とか、出来ちゃう。そういう系。
紹介したお店
TEL:03-3221-9701
というか、今回の取材で気づいたんですがね、ハムカツの美味しいお店は、大体全体的に何食べても美味しい。
シンプルな料理ほど店の味が出るってことですかね。
酒場ライターならそんくらいとっくのとうに気づいとけと言われそうですが・・・まだまだ駆け出しの看板は外せなさそうです。
あと、2階の呑み屋は積極的に攻めていこうと思います。
それでは。
さいころ文庫 プロフィール
編集・ライターの山﨑あやさとデザイナー・イラストレーターの上坂俊吾の2人組。東京都内の立ち呑み屋を紹介する情報誌「東京女子立ち呑み」などを発行。女性にも入りやすい酒場を探して、都内近郊を日々呑み歩いている。
Twitter : https://twitter.com/saikorobunko