まいど憶良(おくら)です。
大阪で牛かつを語るのなら、このお店を外すわけにはいかないでしょう、というお話を聞きまして、大阪は難波にやってきました。
大阪人なら誰しも知っている、アムザ。
ここからほど近くにあるお店、牛かつ専門店 日本橋 富士さんです。
難波駅からなら徒歩5分。
店内は落ち着いた雰囲気。
高級感も漂う店内を見回しつつ、着席します。メニューはかなりシンプルです。
自慢の牛かつは100gで1180円。で、赤だし、お漬物付き。更にごはん、キャベツはお代わり自由。130gが1280円、160gなら1480円。
脂の少ないヘレカツは、100g1280円、130g1380円、160g1580円。こちらも赤だし、お漬物付きで、ごはん、キャベツお代わり自由です。
また、どちらにもプラス100円でとろろを付ける事が出来ます。
当然お腹一杯は、間違いなし。
見た目も楽しい豪快牛炙り丼は、小980円、中1180円、大1380円。
メガ盛りも出来るようです。
「よくばりWセット」をオーダー
このラインナップから、人気メニューの牛かつ100gと豪快牛炙り丼の中が一度に食べられる、よくばりWセットをオーダーしました。
カウンター席に陣取ると、作っている様子が見える安心のオープンキッチンになっているのですが、今回は特別に、人気メニューが出来るまでを間近で見せて頂きました。
まずは牛かつから。
肉がきれいだ!万歳!
使うお肉はサシの入った、そのままでも食べられそうな綺麗な物。
うっとりと、ず~っと見ていられますが、調理は手早く行われます。
両手に構えた塩コショウをして下味を付けると、秘密の粉をまぶします。
これがどういう物か、ヒントも出せない秘密です。
そこを何とかとお聞きしました所、「敢えて言うなら、普通の小麦粉ではないです。そして、味が付いています」とのお返事。
これにより、明らかに他のカツとは違う仕上がりになるのですが、そこのところは是非、ご来店いただいて感じてくださいとの事でした。
丁寧にまぶして余分な粉を落としたら玉子へ。
玉子がコーティングされると素早くパン粉をまぶしていきます。
丁寧かつ、素早い。
このパン粉も当然ですが特製の物です。
いよいよ油に投入。
さて、ここからじっくり低温で揚げて、もう一度高温で揚げたりするのかなぁ、などと思っていましたら、「はい、上げます」との声。
火を通す時間は、しっかり1分
油から取り出し、ちゃっちゃっと油切りをします。
一方、 お皿にはキャベツ、ニンジンが盛られています。
この野菜はお代わり自由です。
かつが切られていきます。
大きさ、厚みはレアに仕上がった肉を楽しむのに最適な物。
お見事です。
そしてこの一番手前にあるのがこの店の特徴、富士おろし。
ツンとしたワサビと大根の辛味、そしてほんのりと広がる甘みがレアなお肉に合います。
豪快牛炙り丼は期待以上の豪快さ!
こちらは豪快牛炙り丼。肉は強火で一気に炙られます。
「ここでしっかりと火を入れる事」。店長さんが炙り丼を作るときに一番神経を研ぎ澄ますポイントです。
旨味を閉じ込められた肉はカットされ、御飯の上に乗った時に御飯の熱で徐々にその旨味を開放していくという仕掛けになっています。
御飯に焦がしニンニクの特製ダレがかかり、その上に・・・
お肉が丁寧に並べられていきます。
ネギ、温泉タマゴ、特製ダレがかかって、最後に青じそと生クリームが泡状になったエスプーマソースをトッピングします。
完成っ。
放っておいてもテンションは上がります。
牛かつと豪快炙り丼をいざ実食!
さて実食は、牛かつから。
先ずは何もつけずに1枚。
衣に味がほんのりついていて、肉の甘みが感じられます。
次に富士おろしだけ乗せて。
おろしわさびと大根おろしが合わさって、いい仕事をしています。
さっぱり感だけでなく、レア肉の持つ旨味を引き立ててくれます。
テーブルの上には、さらに色んな味で楽しめるように、シチリアの岩塩、九州の老舗醤油メーカーから仕入れた甘口醤油、すりたまソース(玉葱のすりおろしをベースにしたソース)などが用意されています。
レアに仕上がった肉には、九州の甘口醤油が合うんです。
舌に乗せた時に醤油から感じる甘み、時間差で肉の甘みが、次いでワサビの風味がもう一度肉の甘みを強調し、最後に大根おろしが口の中をさっぱりとリセットして、次の肉の受け入れ態勢を整えてくれます。
豪快炙り丼も一口。
どこから食べよう。
なんだか食べて形を崩してしまうのがもったいない感じです。
先ずはタレとネギだけで。焦がしニンニクの風味が立っています。
次に温泉卵を絡めて。
卵の優しい甘さがプラスされます。
サッパリし過ぎ、と思ったらエスプーマをプラス。
濃厚かつクリーミーな味わいに変化します。
キャベツで一度肉をリセット。
ドレッシングも特製で、次に口に入ってくるお肉を活かす味です。
そして、何といっても富士おろし。
そのまま富士おろしのみでも良し。
これが塩に、醤油に、すりたまソースにと、どんな組み合わせでも合う。
お漬物を箸休めに、どんどん食べられます。
一通り色々な組み合わせを楽しんだらまた、富士おろしのみで食べ・・・
塩のみで炙り丼の肉だけを食べたり・・・
炙り丼に富士おろしをプラスしたりと様々な食べ方ができます。
これもお勧めの食べ方です。
いろんな組み合わせを、これもあれもと楽しむうちに、Wセットはなくなってしまいました。
気になるお値段ですが、これだけ楽しんで2000円!
こいつはお値打ち、大満足です。
レアな状態の牛肉を楽しんで欲しい
店長さんにお話を伺いました。
「この店の売りは、レアな肉そのものを楽しんで貰う事。そのためにカツという手法があると言っても過言ではありません」
まず、牛かつがありきではなく、レアな状態の牛肉を楽しむために最適な火の入れ方を模索していくと、サラサラの細かいパン粉をメチャ薄くつけて短時間油で揚げる牛かつという手法と、熱々に熱したフライパンで一気にローストするという、2つの手法にたどり着いたのだと教えてくれました。
だから、衣がサクサクで、というのは気にしていないんです。
とにかく、主役は肉。
その一点なんです。
それを楽しむためのすりたまソースであり、岩塩であり、富士おろしがある、そう、突き詰めるとシンプルですね。
「そしてこれからも、そこにこだわり続けていきたいと思います」と、締めくくっていただきました。
なるほど、1つのテーマ、レアな牛肉を楽しむ。
それだけに特化しても、色々な工夫が出来るものだなぁ。
そして、それがリーズナブルに、というのも、また牛肉を楽しむための1つの要因になっているんだなぁ、と感じながら店を後にしました。
紹介したお店
お店の場所など詳しくはこちらから
プロフィール
憶良(おくら) : 元ゲームプランナー、元ゲームプロデューサー。
ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。
休日は名古屋から鳥取あたりの温泉に浸かり、地元スーパーで珍しい食材を買っては料理する。
その際食べ歩きにも積極的と、食に対してはかなり貪欲。
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