今回の料理:「明太とろろご飯」、「梅とろ茶漬け」
口中に広がるぜいたく
枝元 16日は日本記念日協会に登録された「麦とろの日」。昔、麦ご飯を食べる文化を広める活動の一環で、語呂合わせで決めたんです。麦ご飯の炊き方は「麦の倍量の水、米と同量の水を入れて炊く」と覚えておくと簡単です。これなら麦の分量を調整しやすい。
西原 麦は倍の水ですね。糖質が少ない「こんにゃく米」みたいに、麦を増やした分だけご飯を食べられるシステムならいいですね。
枝元 残念ながら……。ナガイモをすり下ろして、とろろを作ります。
西原 出ました、枝元さんちのすり下ろし器!これね、もう刃がないんですよ。ものを大事にされているんですけど、この前タマネギをすり下ろしたときも刃がないので困ったの。すると枝元さんがすごいパワーでバリバリバリッて圧をかけて……。エダモン、それすり下ろし違う。押し潰しだって。
枝元 これがいいんですよ。大根下ろしもマイルドになるの。でもこれね、小林カツ代さん(故人・料理研究家)にもらったんですよ。
西原 わあ、それは大事にしなきゃ。
枝元 プラスチック製なんですが、10年以上も使っているの。ほら、力をグッと入れればいけるでしょ。ほら、滑らか滑らかー。カツ代先生、ありがとうございます。
西原 エダモンの圧で、パスタマシンみたいにニューッて出てきた。
枝元 明太子は中身をとろろに入れてよく混ぜてください。
西原 世界一おいしいピンクだ。
枝元 「桜とろろ」と命名します。ここにだしの代わりに昆布茶を少し加え、麦ご飯にかけて召し上がってください。あと、私がこの時期に好きなのは梅とろろ。お茶漬けにすると最高においしいんです。
西原 とろろご飯にさらにお茶を入れるんですか?
枝元 お茶でなくてだし汁を入れます。梅干しをたたいて、とろろは塩としょうゆで味を調えるだけ。
西原 今回は、私の好きな食べ物を何個も重ねられちゃいました。枝元さんのいじわるうー。
枝元 そんたく、そんたく!
西原 ナガイモに明太子、炊きたての麦ご飯ってさ、私の好きなものしか入っていないじゃん。好きなものだけが口中に広がるうれしさ。なんてぜいたくな味なんだろう。
枝元 麦とろご飯は日本の正しいご飯です。どうぞお試しください。
【構成・矢澤秀範、写真・手塚耕一郎】
明太とろろご飯、梅とろ茶漬け
材料<2種・各2人分>
- 押し麦 1/2カップ
- 水 計3カップ
- ナガイモ 300グラム
- 明太子 100グラム
- 昆布茶 小さじ1/2
- 万能ネギ 適量
- 梅干し 2~3個
- 塩・しょうゆ 各少々
- だし汁 3カップ
作り方
1.麦ご飯を炊く。ナガイモの皮をむき、すり下ろしてとろろを作る。
【明太とろろご飯】
2.明太子は中身を出し、とろろに入れてよく混ぜる。昆布茶も混ぜる。
3.麦ご飯にとろろとトッピングの明太子をのせ、小口切りの万能ネギを散らす。
【梅とろ茶漬け】
2.塩としょうゆでとろろの味を薄く調え、種を取りたたいた梅干しをのせる。
3.麦ご飯にのせ、昆布カツオ節だしに薄く塩味をつけ、かけて食べる。
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