今回の料理:フキと牛肉炒め
春の味が生きている
枝元 まず、フキをゴロゴロッと傷に塩をなすりつけるように。手のひら全部で触らせていただきます。
西原 激しいセクハラ。執拗(しつよう)に。
枝元 筋が取れやすくなり、色もちょっと鮮やかになります。
西原 もんだなら?
枝元 お湯を沸かしておきました。
西原 湯攻めです。
枝元 えへへ、すげー攻めてる私。フキのことを愛しているからこそ。
西原 ひえー。
枝元 フライパンで3分を目安にゆでます。さっとゆでただけだとアクが残るんです。
西原 きれいな色ですこと。若いのね。
枝元 お主も青いのう。粗熱を取ったら冷たい水に。さあ、ここからが私とフキの至福の時間よ。ちょっとずつむきまして。良いではないか。お代官様、おやめください。あーれー。えへへ。シュッ。
西原 あー、半むけ。
枝元 いいじゃないですか、こういう趣味のフキのむきクラブ。
西原 フキむきクラブ。
枝元 この美しさ。今日はザクザクで。本当はこのまま食べたいんですが、サラダ(2014年3月17日掲載)はやったので汚します。
西原 春のフキの苦いいい味。このままでもいいね。この苦みが分かる年になったんだなあ。この色が体に悪いわけがない。
枝元 ゴマ油を熱したところに、あえるか添えるかぐらいに。
西原 こま肉をフライパンで加熱すると肉同士がくっつく問題、どうしたらいいんです? 本当に腹が立つんです。
枝元 すぐに動かすとくっつくんです。だからしばらく焼いて、色が変わったら混ぜる。
西原 私の悪い癖です。いじりすぎ。
枝元 最後にフキを失礼しまーす。さようなら青春時代! 火が通るとあっという間に色が抜けるんです。
西原 ああおいしそう。
枝元 あい、できました。フキと牛肉が出合いました。
西原 ちゃんとフキの味が生きている。炒めすぎないのがコツですね。
【構成・矢澤秀範、写真・根岸基弘】
フキと牛肉炒め
材料(2人分)大は大さじ 小は小さじ
- フキ 1束(300グラム)
- 牛こま肉 200グラム
- A(さとう小1、酒・みりん・しょうゆ各大1と1/2)
- B(コチュジャン小1、ニンニクのすりおろし小1と1/2)
- 塩・ゴマ油・すりゴマ 各適量
作り方
- フキに塩をふり板ずりする。
- フキを3分ゆで、冷水にとって冷ます。皮の端を切って、引き下ろしてむく。3~4センチの長さに切る。
- フライパンにゴマ油を熱し、肉を入れる。肉の色が変わったらAを加える。しょうゆは火を弱めてから。Bを加え、つやが出たらフキを入れて軽く炒める。
- すりゴマを振りかける。
西原理恵子と枝元なほみのおかん飯、単行本第3弾が発売決定!
この連載の単行本第3弾「おかん飯3 てんこもり編」が毎日新聞出版から3月11日に発売されました!フライドオニオンのせ肉豆腐、餅豚キムチーズ、伝説の西原家からあげなど、西原画伯に「うますぎてあかん飯」と言わしめる極旨料理45品掲載。もちろん「名言特盛り描き下ろしマンガ」も掲載しています。
「記念日は揚げ物」「何も足さない、何も引かない」「炭水化物は嗜好品」など名(迷)言続出。ミュージシャンの矢野顕子さん、西原家(おばあちゃん、おにいちゃん、息子)も登場! 一家に一冊の爆笑料理本。
オールカラー128ページ、1,080円(税込み)です。
みんなのごはんでも紹介してきた人気レシピの数々。ぜひ、手に取ってご覧ください!
リクエスト募集します!
【西原理恵子の「おかん飯」with枝元なほみ】では、全国の読者の皆様、生産者や食に関わる方々から、「この食材でレシピを考えて」「ぜひ食べてみて」というリクエストを募集します。野菜、魚介、肉、加工食品、調味料など食材のジャンルは問いません。自慢の一品を「おかん飯」でアピールしてみませんか。
応募はメール(onna@mainichi.co.jp)か、郵便で、〒100-8051(住所不要)毎日新聞生活報道部「おかん飯」係まで。